談笑
第10回!
洞窟へと足を踏み入れる。
外とは違いひんやりとした冷気のようなものが首をかすめる。
「足元気をつけろよ、暗いからな」
ロッカさんが注意を促してくれる。
「はい」
周りを気にしながら、僕達は洞窟の奥へと進んでいる。
僕が想像していた洞窟とは違い、中はかなり広い作りとなっている。
「昔はここで結構な石炭が取れたんだがな…」
不思議そうな顔をしていた僕に向かい、ロッカさんは説明してくれた。
「洞窟が崩れたり、他にも事故が多くて…毎年何人か死人が出るって事で廃棄になったんだ…」
「そうなんですか…」
「俺がガキの頃はよくつれて来てもらったもんだよ」
たいまつの火の加減なのか、ロッカさんの表情は少し寂しそうに見えた。
「それに最近になって、強いモンスターが住み着いたって事で、ますます人が寄り付かなくなっちまった」
僕達はそんな話をしながら、奥へ奥へと進んでいく。
すると一番先頭に立っていたロッカさんが足を止めた。
「おっと…モンスターだな」
カタカタカタ…。
(…っ!)
小野さんが小さな悲鳴を上げる。
変な音と共に現れたのは、人体の骨を模っていた。
リアルな人間の骸骨に背筋がゾッとするのを感じる。
これがモンスター…。
ゲームや小説などの絵で見なれたようなモンスターだが、実際に見てみると気色が悪い。
ふと、僕はさっき話していた事を思い出した。
『洞窟が崩れたり、他にも事故が多くて…毎年何人か死人が出るって事で廃棄になったんだ…』
という、ロッカさんの言葉。
と、いう事は、ここで無くなった者達の死霊だろうか。
「…戦えるんですか?」
僕がロッカさんに尋ねると。
「あ?あぁ…気にするな、そんな柔なメンタルしてたらこの時代、生残れねぇよ」
と笑いながら答えられた。
その次の瞬間、「うおぉおおおおおお!」という雄叫びと共に。
十数人居る男達は集団で、骨のモンスター1体をたこ殴りにしだした。
正直、酷い光景だと思います。
粉々になった骨をみて、僕はなんとなく手を合わせた。
引き続き、僕達は歩き続けると、分かれ道へと辿り着いてしまった。
「この先は結構分かれ道があるんだよな…一応地図は持ってきたが…」
何枚かの地図を男達に配り、男達は考え込んだ。
「誘拐犯がどっちに行ったかが問題ですね…」
クラサが声を上げてくれれば分かるだろうけど…。
そんな都合よく声を上げてくれるわけがないだろう。
「二手に分かれるしかねぇな…」
「そうだな…」
「危険なときは、分かってるな」
「おぅ!大丈夫だ!速攻逃げる」
親指を立てあう男達。
緊張感のない感じで、こっちの張り詰めた気持ちも和らいでいく。
(この人達と来れて良かったね)
「うん…ホントそう思う」
皆には気付かれないようにボソボソと小野さんと会話する。
僕達は二手に分かれることになった。
ロッカさんと僕、あと数人の男達。合計16名。
あちらも、合計16名だ。
また後でなと手を振る合い、お互いに左右の洞窟の先へと足を進めた。
僕達は右の道を選び先に進む。
すると…。
「あの子とはどういう関係なんだ?」
ロッカさんがいきなり質問してきた。
「え?」
(……!)
いきなりの質問に僕は戸惑ってしまう。
「いや…やっぱ、デキてる?って思うだろ、普通」
「そーそー!俺も気になってた!」
この話に男共が興味津々に身を乗り出してきた。
「いえ…あの森で会ったばかりなので…」
「ほー…で、可愛いとか思ってるんだろ?俺もかみさんがいなきゃ…落ちてたわ…」
いや…あんた…それは犯罪…。
ってこの世界は恋愛基準とか、何歳から成人とか知らないけど…。
「おいおい!まじかよ!」
「シアさんに報告しなきゃな!!」
「やめろって!殺されるだろーが!」
男共がじゃれあっている。
男子高校生のように…。
って言うかね!
や!やめてっ!!!
小野さんの前で、変な話はやめて!!!
「で、どうなんだよ?」
ニヤニヤしながら聞いてくる。
(……)
小野さんは一言も言葉を発さない。
くっ…小野さん…何処までがセーフなんだ!
可愛いぐらいだったらセーフだよね…!?
チラリと小野さんを見るが、剣の状態だと感情も何も読み取れねぇ!
「…可愛いと…思います」
「おー!!!」
歓喜の男共。
(……)
以前と何も言わない小野さん。
その沈黙が怖いです!
怒ってるの!?落ち込んでるの!?
そしてダメ押しと言わんばかりに、ロッカさんは。
「結婚式には呼べよ!」
と言い放つ。
気さくな顔して何を言ってやがるんですかっ!
真面目に返すのもバカらしい気がしてきたので。
「…はぁ」
と僕は生返事しておいた。
モンスター可哀想…(ぉぃ




