表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ

 天高くそびえ立つ山脈、その地は古くから最強の生物である竜が住む禁忌の地とされていた。その山の麓の比較的開けた場所にはその山に住んでいると思われる数百を超える竜が集まっていた。その中心には他の竜よりも更に巨大な竜が横たわっている。その竜は他の竜を統べる存在で他の竜からは尊敬と畏怖から龍帝と呼ばれていた。

 しかしそんな龍帝にも勝てないものが一つあった。それは寿命だ。龍帝はいま死へと向かっていた。龍帝は長い時を生きた、もはや龍生に悔いは一つも無い。唯一あるとすれば自分が死んだ後の世界や他の竜達のことだった。龍帝はその悔いを晴らすためにある遺言を残した。それは『自分が死んでから五百年後、竜の秘術を使い生き返る』というものだった。

 竜の秘術とはその名の通り竜に伝わる秘術で一度だけ生き返ることができるというとんでもないものだった。しかし欠点がありその竜が持っている力に応じて代償を払わなければいけない、つまり持っている力が強ければ強いほど代償が大きくなるのだ。だが龍帝は記憶を失ってもいい、力を失ってもいいから未来の世界をその目で見たかったのだ。

 龍帝はもう自分に残されている時間が少ないことがわかっていた。最期に周りの竜の顔を見回し、満足そうに目を閉じた。

 そして龍帝は他の竜に見守られながら息を引き取った。

 五百年後の世界を、そして五百年後の竜達の姿を楽しみにしながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ