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第二話

やっぱり異世界といえばですかね。


 俺と幼馴染が神殿っぽい場所にテレポートされた後、姫様に広場に連れて行かれた・・・のだが、連れて行かれる最中、兵士の発言に気を悪くした幼馴染がいつもは俺に向いている怒りのオーラを撒き散らしていた為、姫様を除く、全ての兵士とオッサンに10000のダメージが在った。ていうか慣れている俺はともかく何で姫様は気が付かないのだ?


「さて、広間に着いたところでこちらの事情を・・・って何で兵どもが暗い顔をしているのじゃ?」


あんたの兵士が不要な発言した所為だ。


「ふむ・・・その節は本当に申し訳なかった。まあそれはそれとして、こちらの事情を聞いてくれるか?」


「・・・・・・最初からそのつもりで来た。」


「まあ判断は聞いてからだけどな。もっともくだらない理由だったら速攻で帰らせてもらう」


「安心せい、私らにとっては国の・・・いや、世界の危機といっても過言ではない。」


そして姫様から聞いたことはテンプr・・・いや、想像通りというべきだろうか。異世界召喚、重鎮がいる中での世界の危機、魔法が有る世界、これらが合さったことで出来る答えは厨二を経験したやつらなら大抵知っているだろう。俺も経験していたし(苦笑)

前置きとして少し話しておこう。

この世界には精霊とよばれる生き物(?) が住んでいる。目には見えないが、様々なところに要るそれは、あるときは日常生活に、あるときは学校の試験に、またあるときは戦いに使用される。

詳しく言うと長くなるので省略するが、精霊には段階が有る、高いと強く、低いと弱いといったレベルだと思ってくれればいい。そして一番高い精霊は、いわゆる国の守り神として土地に宿らせるのである。

話を戻して・・・・・・

今回呼ばれた原因である魔王「ロア・ダーウィン」彼の目的は世界征服といった分りやすく、そして豪快な意思を持って侵略してきたらしい。そして在る国の精霊帝を奪っていき、力を増幅させていったのだった。本来なら精霊帝とよばれる存在が魔物を寄せ付けないはずなのだが、魔王はそれを無視、精霊帝を奪ってその国を滅ぼしてしまったそうだ。

ここで疑問なのが魔物の頂点である魔王が何故精霊帝の加護をすり抜け、精霊帝を奪っていったのか。それを解決したのは滅ぼされた国から命からがら逃げてきた人間が言ったことだった。要約すると「魔王は普通の人間の姿だった」ということらしい。つまり魔物で無いから加護をすり抜けたということだ。ならさらに疑問が浮かんでくる。

本来魔物は、数こそ少ないものの、戦闘能力においては人間をはるかに超える存在である事。つまり頂点の魔王はその数倍は強いはずなのだ。なのに何故人間が魔王と名乗り、魔物が付き従ったか?

さんざ悩んだ挙句、ある神殿の神主が結論を出した。

「異世界から召喚されたものならあの強さもうなずける。魔物のやつらは異世界から主人となる魔王を呼び出したのじゃ」

そう発言したのはその国の元神官。本来なら滑稽であるはずのその考えは以外や以外簡単に浮けいられていった。

しかもその神主が意外と偉いやつだったのも拍車をかけ、そいつの言うことを信じていった。そしてそいつらはある結論に達した。

「異世界から来た奴の始末は異世界の奴にやらせれば良いんじゃね?そうだそれがいい。」

若干補正が入っているが大体こんな感じなのである。それを聞いた俺は怒鳴ろうとしたが、隣の幼馴染がさっきの数倍の濃度もある殺気を撒き散らした為、とりあえず最後まで聞こうと抑える側に回った。

蛇足だが兵士のおっさんや周りのメイドは気絶した。


「すまんの、私は最後まで反対したのじゃが、国の民のため、このような選択をしてしまった。本当に申し訳ない」


そう言って姫様は頭を下げる。流石に殺気を出したままにはしていられないのか、律花は殺気を引っ込め、普通の口調で話しかけた。

ちなみに殺気を引っ込めた瞬間、周りの兵士がため息を吐いたのを俺は見逃さなかった。まあ分るんだけどね。


「・・・・・・頭を上げて、事情は分った。だけど・・・・」


そして優しく頭を上げるよう言う律花、そしてたった一つ、しかし重要なことを聞く律花


「どうしたのじゃ?生活面ならしっかりと・・・。」


「・・・・・・・そうじゃない、来たばかりの私達が魔王に勝てるのかどうか。一番重要。」


そう、俺たちが魔王に勝てるかどうか。魔王は絶大な強さを持っている。しかしそれが異世界から来た際に得たものであるということは分らないのである。もしそうだとしても俺たちにそれがあるのかどうか、そして圧倒的な戦闘経験不足。問題点は山済みである


「おそらくそれは問題ないはずじゃ。伝承では既に過去3000年にわたって数回行なわれているがその全てで強大な力を持ったものが召喚されておる。前に召喚された勇者が重力の関係といっておったから多分安心じゃろう。」


数回も行なわれているのかい。この責任の押し付け。今回ばかりは少し事情が変わっているらしいが。


「そうか・・・ちなみにそいつが来たのは何年前だ?具体的じゃなくても良い。」


「約700年前、私の36代前ぐらいじゃな。そのときも、今と同じようになっていたようじゃ。流石に異世界から魔王を呼んだとは初耳じゃがな」


俺の疑問に答えると同時にそしてもう説明は終わりじゃ、と姫様が締めくくり俺たち二人に真剣な眼を向ける。それは幼い少女の印象は影も形もなく、覚悟を決めた人間が見せるものだった。


「これで話は終わりじゃ。この世界の為に、おぬしらの力を貸して欲しい」


そういいつつ頭を下げる。周りの兵士や大臣などは「頭を下げただと!?」とか「姫様そのような輩に!!」などといっているが姫様は頭をあげようとしない。

そしてそんなことをされたら確実に・・・。


「・・・・・・わかった。私と恭介が「ちょっと待て律花」・・・どうして?止める必要なんて無い。」


全部言い切る前に話を止める。さらに周りの兵士や大臣がグダグダいっているが完全に無視。


「いつもと毛色が違うんだよ。いつものように適当に暴れて後は警察なんて都合のいいことは存在しない。場合によっては死ぬかもしれないんだぞ!」


「・・・・・・いつもと変わらない。誰かの為に動く、誰かを助ける。今回と何処が違うの?」


「~~~~~~。大体お前はいつもいつ「・・・それに」・・・は?」


そう一言おいて律華は俺を見据えた。その目はいつもの律花の目だった。





「・・・・・・恭介が守ってくれればそれでいい」





・・・・・いつもいつも不安にさせるようなことばっかしやがるくせにこういう時だけこんなこといえるのか。





「・・・・・・姫様とやら、一日だけ時間をくれ。明日結論出してやるから」


「わかったのじゃ。一日、十分に体を休めてくれ」



恭介は律花が心配なだけです。このリア充め(白目)

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