貴女の居場所が永遠の春でありますように
掲載日:2026/07/08
風鈴の音が聞こえたんだ
こんな真冬なのに
汽笛が真っ青な空に劈く
寒さに炙られているのに
どうしてこうも清々しい
ふいに
蝉の鳴き声が聞こえたんだ
こんな真冬なのに
本のページを捲ろうにも
風に煽られて一向に先に進めない
悴む指先が常にどこか迷っている
なぜか
梢の音色が聞こえたんだ
葉なんて一枚もないのに
なぜか
木漏れ日を感じたんだ
こんな冬の青空なのに
脈打つ心臓が忙しく
押された
ただ前へ 前へ
風鈴の音が聞こえたんだ
こんな真冬なのに
ラムネの気泡の音も
ジリジリ鳴る自転車のサドルも
こんな真冬なのに
こんな真冬に
どうか貴女に永遠の春を




