武道館に差し込む光
僕は、母と一緒に初めての武道館に行くこととなった。家から武道館まではバスで20分ほどの場所にあり、少し遠かったが、僕にとってそれは大きな問題ではなかった。むしろ、心の準備をするためには必要な時間だったと思う。肩にかけてある水筒の中の氷がカラカラなって、僕の挑戦を応援してくれているように感じられた。夕日はいつもより少し混んだバスを照らし、キラキラ輝いていた。まるで僕の期待のようだった。
あっという間に移動が終わり、武道館に到着した。
「お!君だね、今日見学の人!まさしくんだっけ?」
「はい、そうです!よろしくお願いします!」
「まさしの母です。よろしくお願いいたします。」
ま、こんな感じでやり取りが終わり、初めての武道館に足を踏み入れた。夕日が武道館の黄土色の床を照らし、暖かかった。あの独特な匂いが、僕にとっては新鮮だった。
「じゃ、まず竹刀から握ろうか。」
そう促され、竹刀を握った。
「意外と重いですね。」
「まあ、今に慣れてくるさ!」
陽気な先生だ。よかった。
それからはあっという間で、帰る時間となった。
「ありがとうございました!」
「楽しかったかい?また来てね!次は、金曜日。」
「はい!」
その返事は、いつもよりもはっきりしていて、稽古終わりでも元気いっぱいだった。
張り切りすぎたのか、僕は帰りのバスで寝落ちしてしまい、母におんぶされて家に帰った。




