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鏡乱舞物語  作者: ニシキ
一章:昇華編
9/10

第8話:武器選び

 次の日。

昨日は疲れを癒せとの事で試練は休みになった。

 そして今日からは試練が始まる。

起床して俺の師匠―――スロフさんと鉢合わせた。


「よう。朝飯は“戦闘試練”の後だ。腹が空いた方が飯が美味いからな」


 一旦欠伸を挟んで、師匠は続ける。


「練習場はあっちだ。すぐ来いよ」


 そうして師匠はその場を後にした。

さて、俺も練習場に移動するとするかな。

 ところでカガミさんは―――


『昨日の感じだと、朝食も豪華かな…』


 うん。マイペースに朝食のことを考えている。相変わらずの事だが、今回に関しては完全に同意である。

昨日の料理は美味しかった。お腹が空いていたのもあってそれはもう本当に。異界の地なのでよく分からない食材もあったが、全て完食出来てしまうほどだ。

特にあの汁物なんか―――

 おっと。話が逸れてしまった。

俺も足早にその場を後にする事にした。



 試練場は屋外。岩の群生地帯のように思えてくる場所であった。


「さて、一通りの武器共だ」


 ガシャンと音を立てて、数種類の武器が並んだ。

剣・槍・斧・弓・盾の五種類セット。


「この中から選ぶんですか?」


「いや、もっと有る。が、まずは絞らんと話にならんだろ」


 ふむ。ごもっとも。

 さて、どの武器を選ぶか………。

俺はそれぞれの武器について思案した。


 まずは剣。悪くない。オーソドックス。自身が剣を持った事すらないのは不安要素だろうか。

 槍。リーチが長い武器。弱くはないだろうが、かなり筋力が要りそう。

 そして斧。手軽に振り回せそうな形をしている。

 次に弓。格好良いとは思うが、実践となるとエイムがブレそうな気がしてならない。

 盾。………盾?攻撃手段となり得るだろうか。いや、攻撃は最大の防御とも言うし、逆も然り…?


 俺がこの中から選ぶのは―――


「じゃあ剣で」


「おーけー。まぁ取り敢えず試してみろよ」


 そういって師匠は長剣を手渡した。


「うっ」


 その重さに腰がガクンと落ちてしまった。

剣ってもう少し軽いモノと思ってた。

重さに慣れると普通に持つことは可能だった。

でも、コレを振るのか………。かなり重い。

 アニメとかゲームで軽々しく剣を振り回してるキャラクターの様にはいかないって事だ。


「よし。振れ」


 そう命令が飛んできたのでその通りに剣を振る。

 重々しく振り上げた剣は、軽く風を斬った。

やはり太刀筋は自分でも分かるぐらいに悪かった。


「………御世辞にも良いとは言えないな」


「―――はい」


「そんな落ち込むな。初心者なんて全員そうだ。まぁどうにかなるさ」


 そんなに慰められると逆に落ち込みそう。


「しっかし、重さが問題だな…。―――そういや、剣といえばアレがあったかな。ちょっと待ってろ」


 そういって師匠は少しその場を外した。

 数分後。ゆっくり歩きながら帰ってきた。

その手には―――刀が握られている。

見た目は殆ど日本刀そのまんまだ。


「………それは?」


「コレは軽い金属で作られた刀だ。これならアンタでも振りやすいと思ってな」


 差し出されたその刀を手に取る。


「―――軽い」


 思わず漏れ出た本音。


「だろ?」


 柄を握り直して前に構える。

足を出して―――そのまま斬り込む。

ブンッと風を大きく切り裂いた様な感覚が腕に伝わる。

 それをみて師匠が一言。


「―――悪くない。粗いところはあるが、初心者なら才能ある方だと思うぜ?」


 それに続くように、カガミさんも感想を述べる。


『相性は悪くなさそうだね。私も刀を使っていたし、丁度良いと思うよ』


 なら、刀にしようかな。

使い心地を悪くないし、長時間戦闘出来そうだ。


「それじゃ、次は―――」


 師匠が説明に入ろうとしたその瞬間。

何かが飛来してきた。コレは―――鳥?

鳥は近くの木に留まった。足には紙が括り付けられている。この鳥は伝書鳩だろうか。


「ちょっと待ってろ」


 その手紙を解いて、師匠は読み始めた。

それと同時に伝書鳩も風の如く去っていく。


「面倒臭そうな依頼が来た。実践形式で鍛えるつもりだったが、予定変更だ。アンタも付いてこい。少しでも見た方が経験の足しになる」


「どんな依頼なんですか」


 俺がそう問うと、師匠は神妙な顔をした。

それをみて、思わず俺も唾を飲み込んだ。

 そして、師匠はこう言った。


()()()()のお仕事だ」

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