表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鏡乱舞物語  作者: ニシキ
一章:昇華編
4/11

第3話:初戦闘②

 今の攻撃は俺を殺す筈の攻撃だった。

それなのに俺は生きている。

 爪の斬撃が迫った瞬間、俺は死を覚悟した程だ。

 狼魔族(ヴォーグ)は避けたのを不思議に思ったのか、距離を置いている。その合間を縫って俺は思考させて貰う事にした。しかも、


『なんだ、使えるじゃないか』


少し不機嫌気味だったカガミさんから驚嘆の声を貰えたのだ。

 んー。今のが乱舞とやらの力“身体強化(しんたいきょうか)”らしい。

あまり実感は無いけど、今までに無いほど速く動けたし。正に火事場の馬鹿力ってヤツだ。

 よし、身体強化の感覚は何となくは掴めた。ちなみに、他にも乱舞特有の力ってあるのかな?


『“即時再生(そくじさいせい)”があるね。腕の一本や二本千切れようと再生する。といっても、致命傷と再生が間に合わなかったら普通に死ぬけどね』


 その力で腕を生やせたってコトか。

それって結構万能過ぎるな…。いやまぁ生存確率が上がったって事で喜ぶべきなんだろうけど…。

 なんか…本当にカガミさんは化物なのだと実感した。


『他には―――鏡由来の能力もあるね』


 鏡由来?


『“反射(リフレクト)”“投影(コピー)”の二つだね。反射(リフレクト)は受けた攻撃をそのまま返すという能力。相当技量に頼るから今は難しいかな。投影(コピー)は殺した生物の姿形•性質を奪える能力で、道具なんかもも投影(コピー)できるよ』


 そういえば、カガミさんは鏡乱舞とか呼ばれていたんだっけか。

 反射(リフレクト)は中々使えそうかと思ったが、流石にぶっつけ本番は怖い。相当な技量がいるらしいし。

 投影(コピー)も中々な物だ。殺す云々(うんぬん)は置いておいて、道具を再現できるのが強いな。

と言っても現時点ではあまり意味が無さそうだ。

どうやら、カガミさんが俺の身体に宿ってから関わった物しか投影(コピー)できないらしく、元の世界にあったナイフなんかは再現不可だった。

 となると、“身体強化”で殴るしかないか。

 そもそもこの身体強化でダメージを与えられるのかについてだが…。


「ガウルルッ!!」


 狼魔族(ヴォーグ)が再び攻撃してきた。様子見は終わりということだろう。

容易く避け、その隙に狼魔族(ヴォーグ)の腹に反撃してみた。

反射神経が良くて本当に助かったと思った。

まぁ、反射神経が良かろうと身体強化が無ければ、対応出来ずに死んでいたのは間違いないけどね。

 さて、反撃の結果だが―――割と手応えがあった。

その証拠に狼魔族(ヴォーグ)は怯んで、数歩退いたのだ。

 結構堪えてそうだし、中々通用しそう。

そうしてまた、爪の斬撃が俺を襲う。


「よっ」


 勿論、全部回避する。

 一撃でも当たれば瀕死…最悪、即時再生があるのだが痛い事には変わりない。痛覚に悶えて動けなくなってしまっては昨日の二番煎じ。

即時再生があるから大丈夫、と油断しまくるのは良くないのである。

 この戦いに於いて得た経験は、狼魔族(ヴォーグ)は攻撃の後必ず隙ができると分かった事だ。仮にも野生生物なのだから、そんな隙だらけで良いのか…とも思うが、

恐らく天敵が居ない為に戦い慣れていない様に思える。

 そう考えるとカガミさんの言う通り、割と練習相手には丁度良かったのだと思う。


『ふふん』


 カガミさんが愉悦に浸ってる気配。

今一体どんな顔してるのか見てやりたい気分になった。

 そんな事を考えながら、また狼魔族(ヴォーグ)に一撃を入れる。

殴って、蹴って…そしてまた殴る。

 勝負は―――突如として終わりを告げた。

急に狼魔族(ヴォーグ)が項垂れたかと思えば、

カガミさんから『もう死んだ』と告げられたのだ。

 終わったと理解した瞬間、俺は腰が抜けてしまった。

その場に座り込み、ふと自身の呼吸が荒くなっている事に気づいた。

 体力の限界が近かったのか―――。

もし体力が尽きていれば…と思うとゾッとした。

身体強化のせいか疲労感が強い。


『お疲れ様、チハヤ』


 ああ、ありがとう。

俺は生きている事に安堵してホッと胸を撫で下ろした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ