拠点での1日
「ん…?朝か…」
朝日が眩しい…窓を開けて朝の空気を部屋に入れる
「気持ちのいい朝だな…」
そう呟きながらタバコをパイプに詰め、火を付ける
「すぅー…はぁー…やっぱり寝起きにはタバコだよな…」
そうしてタバコを楽しんでいると…
「ルーク?起きてる?」
「起きてるぞー?」
「朝食が出来てるから降りてきて。」
「了解。」
パイプを咥えながら自室を出て、一階へ降りる
「あ、ルークさん。おはようございます。」
「おはよ…ルーク様…」
「2人とも、おはよう。」
ガタっと椅子を下げ座る
「今日はどうする?」
「んぐ…。俺は勉強したいな…3人は?」
「そうね…どうしようかしら?」
「私は魔法の勉強がしたいので…」
「んー…じゃあ、ドールは?」
「ボクは…特に…予定ない…」
「なら、買い物でも行かない?」
「ボクは…いいけど…」
「行って来いよ。俺達のことは良いから。な?アウラ。」
「はい。お2人で楽しんできてください。」
「じゃあルークとアウラは勉強。私とドールは買い物ね。」
「おう。」
そうして、朝食を済ませ各々行動していく。
「しかし…俺以外、全員女性…それで1つ屋根の下で生活してるんだから…みんなもっと警戒しても良いんじゃないか…?」
部屋でそんなことを考えてしまう…
「まあ…それだけ信用されてるってことか…いや、男として意識されてない可能性も…」
そんな悲しいことを考えるのはやめよう…虚しくなる…
コンコン
「ん?アウラか?どうした?」
「ルークさん、良ければ一緒にお勉強しませんか?」
「おう。いいぞ。」
「じゃあ…お邪魔します…」
「アウラは魔法の勉強だっけ?」
「はい。せめて中級魔法は使えないと…」
「魔力制御が出来るから簡単に扱えると思うけどな…」
「そう簡単にはいきませんよ…魔力制御だけで初級よりも上の魔法が使えるなら苦労はしませんよ…」
はあ…とため息を吐くアウラ…
「でも…魔法ってどうやって使うんだ?勉強して身につくのか?」
「そうですね…この魔法の技術書には魔法は想像力が大事。だと書かれてます。」
「想像力か…なら…そうだな…初級の火魔法はどんなの?」
「そうですね…やって見ます。ファイア。」
ボッとアウラの指先から炎が出る
「おお、便利だな…どんなイメージでその炎を出してるんだ?」
「えーっと…焚き火とかのイメージですかね…」
「なら、油に付いた火をイメージしてみたら?」
「油ですか…?やってみます…」
そうすると、炎がどんどん激しくなっていく…
「わあ…出来ました!」
「すげえな…やっぱりアウラは才能あるよ。」
「そうですかね?」
「ああ、俺が保証するって魔法が使えない俺に言われても説得力な無いか…」
「いえ、自信になります!ありがとうございます!」
「おう。アウラはいつも頑張ってて偉いな。ほら、ご褒美だ。」
机の引き出しを開けて飴を渡す
「これは…飴?」
「ああ、頭を使うと甘いものが欲しくなるからな。常備してる」
「良いんですか?」
「もちろん。」
「では、頂きます。」
「おう、貰っとけ。」
「ふふ…美味しい…」
「そりゃ良かった。」
「なんかルークさんってお兄さんみたいですよね。」
「そりゃ、みんなより年上だからな…」
「それもそうなんですけど…なんか面倒見が良いな…と。」
「んー…自分では意識してないんだけどな…」
「私は一人っ子なのでお兄さんが出来たみたいで嬉しいですよ?」
「そうか?なら良いか…」
「でも、ルークさんが大人っぽいことをしてるイメージがなくて…」
「大人っぽいってどんなイメージ?」
「そうですね…お酒を飲んだり?」
「酒なあ…コッチの酒も美味いけど…飲む気にならん…酔ってみんなに迷惑かけるワケにもいかんし…」
「自重してるんですか?」
「いや、俺は酒よりもタバコの方が好きってだけだな…」
「お酒よりも薬のほうが好きって変わってますね…」
「俺が居たところではタバコも酒と同じで嗜好品だったからな…だから俺はタバコにハマった…」
「薬が嗜好品なんですか?」
「ああ、まあ…コッチでは変な感じだろうけど…」
「ルークさんって出身は…」
「んー…凄く遠いな…そう簡単には行けない場所…かな?」
「そんなに遠くから来たんですか?」
「おう。」
「なんでですか?」
「んー…冒険者になる為?」
「ルークさんの住んでた国で冒険者になれば良かったじゃないですか…」
「俺の住んでた国に冒険者なんて職業は無かったな…モンスターも出なかったし…」
「そんな国があるんですね…意外です。」
「俺にとってはそっちの方が当たり前だったからコッチに来てからは驚くことばかりだよ…」
「そうですよね…環境が違うんですから…」
「そうそう。だからコッチの文字も読めないんだよ…」
「まあ…元々、識字率は低いですから…」
「識字率ってどれくらいなんだ?」
「そうですね…4~6割くらいかと…」
「なるほどなあ…でも、商売してる人は文字の読み書きは出来るだろ?」
「そうですね…契約書とか書かないといけませんから…」
「俺も騙されないように文字を覚えないとな…」
「ルークさん。そこ間違ってますよ?」
「道のりは遠いか…そう簡単には覚えられんか…」
「でも、言葉は通じるのに文字が読めないのが不思議です。」
「言葉は話してれば覚えるからなあ…でも文字は書かないと覚えないし…」
「その通りですね…」
「全く…変な人生だよ…」
「ルークさんのお話しを聞いていると何が起こるか分からないって感じがします…」
「そりゃ人生は何が起こるか分からないさ。特に冒険者なんてな…」
「そうですね…」
「まあ、その分稼げるけど…」
「稼げるのはほんの一部ですよ。私達は運が良いんです。」
「ランクアップも全員合格したもんなあ…」
「はい。そうですね。」
勉強用の本をペラペラと捲るが一向に集中出来ない…
「ルークさんはお勉強は苦手ですか?」
「うむ…苦手だな…」
そう言ってタバコの用意をする
「でも…金庫番のルークさんが読み書き出来ないとなにかと不都合が起きそうで…」
「それはそうだな…みんなのために頑張るか…」
パイプを咥えたまま勉強を再開する…
「書いて覚えるしか無いですね。書いて書いて…そうして何度も反復するんです。」
「頑張る…」
そうしてどのくらい勉強しただろう…時間も分からないから余計に混乱する…日本だったら、何時間集中して勉強しよう…とかモチベーションを保てたけど…
「あ、お昼ご飯どうします?」
「そうだなあ…なにか適当に作るか…」
「お手伝いします」
「ありがと…んじゃ作るかー…マリア達はいつ頃帰って来るんだろうな…」
「多分、夕方頃じゃないですか?」
「なら夕飯の準備も俺達の役目か…」
「そうなりますね…」
「はあ…仕方ない…んじゃ、俺は夕飯の下ごしらえするから、アウラは昼飯頼む。簡単なので良いぞ。」
「はい。」
そうして調理を始める2人…
「ルークさん。ご飯出来ましたよ?」
「お、ありがとう。んじゃメシにするか…」
「はい。」
簡単なモノで良いって言ったのに…肉料理まで…
「アウラはしっかり者だな…」
「なんでですか?」
「こんなにしっかりした昼飯出されたらな…」
「そうですか?これでも十分手抜きですよ?」
「コレが手抜きだったら俺の料理はクズだな…」
「そんなことありませんよ。ほら食べましょう?」
「おう。頂きます。」
「どうですか?」
「美味い…」
「良かったです。」
「アウラは魔法が使えて料理も出来て可愛くて…こりゃ、いくらでも嫁の貰い手があるぞ?」
「結婚なんてまだ考えてませんよー…それに私よりもマリアさんやドールさんの方が美人ですし…」
「いや…ウチは美人揃いだな…」
「ルークさんもカッコイイですよ?」
「お世辞でも嬉しいよ。」
「もう…本音です…」
「ありがと…」
「ルークさんは…恋人とか居ないんですか?」
「ングっ!ゴホゴホ!」
「ああ、すみません!お水です。」
「ンク…ンク…いきなり過ぎるわ!」
「すみません…でも…ルークさんモテそうですし…」
「モテないっての…」
「えー…意外です…」
「モテません。全く…恋バナとか縁も無いよ…」
「えー?そうなんですか?前の国ではモテてたりとか…」
「そりゃ…若い頃は恋愛とかしてたけど…」
「今は?」
「んー…恋愛をする気にならん…」
「なんでですか?」
「いつ何が起こるか分からない冒険者だぞ?絶対恋人に心配かけるって…」
「相手が冒険者なら良いのでは?」
「それだと俺が心配になっちまう…」
「ややこしいですね…」
「下手に歳を取るとこうなるからな?アウラも気をつけな?」
「でも…確かに…相手は危険な仕事をしてたら不安になりますね…」
「でしょ?だから恋愛なんて俺には向いてないの。」
「でも、ルークさんのことが好きな人は居ると思いますよ?」
「そんなのどこで分かるのさ?」
「女の勘です。」
「おっと…それは侮れないな…」
「ふふ。だからルークさんはモテます。」
「そんな決め顔で言われるとなんかそんな気がしてきた。」
「女の勘って怖いですからね。」
「女性であるアウラから言われると変に説得力があるな…」
「自分でも怖いですもん。」
「俺も勘は良い方だけど…女の勘には勝てないな…」
「それにルークさんは女性を大切にしますから…この国では最高の男性ですよ!」
「そりゃ、女性は大事にしないと…」
「この国は男尊女卑がそこそこ強いですから…」
「あー…なるほどなあ…」
「それに力だとどうしても男性には勝てませんし…特に一般の女性は…」
「それはそうだよなあ…」
「なので女性を大切にするルークさんの考え方に女性は落ちるんですよ。」
「俺を女殺しみたいに言わないでくれ…」
「それが今のルークさんですから…」
「マジかよ…」
「マジです。」
「気をつけよ…」
「それが賢明ですね。」
「でも、無意識にやってることも多いからなあ…」
「それは仕方ないですよ…」
そうやってお喋りをしながら昼食を済ませる
「ご馳走様でした。」
「お粗末様です」
「これからどうするかなあ…」
「私はお勉強の続きをしますけど…」
「俺は昼寝でもするか…」
「分かりました。夕食は私が作りますね。それまでお休みしててください。」
「悪いな…」
「いえいえ。しっかり休んでくださいね。」
「おう。んじゃお休みー。」
「はーい。」
そうして俺は自室に戻り昼寝を楽しむのであった。
ちなみに夕食はアウラが作ったモノとマリア達が買ってきたモノで豪華な夕食になったとさ




