色々不便な異世界生活
チュンチュン…
「ん…朝か…」
朝日が窓から差し込む
「んー…眩しいなあ…」
窓を開けて朝の空気を吸い込む…
「ルーク?起きてる?」
「おう。どうした?」
「アウラが少し体調が悪いみたいなの…医者は大丈夫だけど、痛み止め貰ってきてくれる?」
「おう。いいぞ。すぐ支度する。」
「うん。お願いね。」
そうして支度をし、宿を出る。
「しかし…アウラが体調不良か…大丈夫かな…でも痛み止めだけって言ってたよな…」
あ、アレか…女性は大変だ…察しの悪い男性なら聞いちゃうんだろうけど…
「すみませーん。あれ?誰も居ない…?おかしいな看板は出てたけど…」
「おう、あんちゃん。またタバコかい?」
「おお、びっくりしたー…。今日はタバコじゃなくて痛み止めお願いします。」
「痛み止めならタバコで十分だろ?」
「いや…ウチのパーティメンバーが体調不良で…痛み止めだけ…」
「あー…なるほど…大変だねえ…」
「大変なのは本人ですよ。」
「はいよ。痛み止め。」
「どうも。」
痛み止めを受け取って薬屋を出る。しかし…こんな葉っぱが痛み止めねえ…凝り固まった俺の日本人としての脳は眉唾モノにしか思ってない。悪魔払いがあるくらいだし…ホントに効くのか?コレ…。
「うだうだ考えても仕方ないか…アウラのために早く持って帰ろう。」
こういう時にタクシーとか欲しい…痛み止めももっとマシなのが欲しいし…便利社会で慣れた俺にはこういうちょっとしたことが不便に感じてしまう…
「ただいま。っと」
宿に戻った俺は、アウラの部屋を訪ねた。
「俺だけど…大丈夫かー?」
「あ、ルーク…」
「なんだ、マリア。居たのか。」
「うん。アウラがつらそうで…」
「そうか…お腹を温めて、そうだな…血になるモンでも食えば…」
「今はダメね…アウラは食欲がないわ…」
「そうか…なら、お腹は温めとけ。俺も石を温めてくる。」
「分かった。」
こういう時にドラッグストアがあれば一気に全部揃うんだけどな…しかし、そんなことは言ってられない。早く石を温めなければ…
「レミーさん。マリアから話し聞いてる?」
「ああ、聞いてるよ。」
「アウラのために石を温めたいんだけど…良いかな?」
「ああ、いいよ。」
レミーさんから許可を貰って厨房へ入る。すぐさまかまどに薪と石を入れて火を付ける。焼け石にならないように注意をしながら火加減をする。
「弱火でじっくり温めて…あー…レンジ欲しい…」
「大変だねえ…アタシがやろうか?」
「レミーさんにはお世話になってるしコレくらい自分でやるよ。」
「そうかい?火事や火傷には気をつけるんだよ?」
「はーい…」
そうして石を温めること数十分…
「これくらいか?」
石を取り出し温度を確認する。
「うん…少し熱いけど…大丈夫だろ…」
そうして石を手拭いで包みアウラも元へ持っていく
コンコン
「温めた石持って来たぞ。」
「ありがとうルーク。」
「他に必要なモノあるか?」
「今はこれで十分よ。」
「そうか…」
「ルークはドールとご飯でも行ってきて?」
「お前は?」
「今回は特別にレミーさんがご飯作ってくれるって。」
「そうか。ところで、ドールは?」
「ここにいる…」
「おお、ここに居たのか…ドール。メシに行くぞ。」
「ん…」
そうして頷いたドールを連れて食事に行く
「なにか食べたいものあるか?」
「ボクは…何でもいい…」
「なんでもいいが一番困るんだよなあ…」
「ご飯が…食べられるだけでも…幸せ…」
「そうなんだけどさ…」
「ルーク様の…行きたいところで…いい…」
「そうだな…んじゃ、屋台で済ますか…」
「ん…」
そうして屋台に行き串焼きを頼む。
「モグモグ…」
「ングング…」
「しかし…アウラは大丈夫かね…」
「ング…アウラは…大丈夫…多分…夜には…良くなってる…」
「そうか?」
「ん…ボクが…保証する…」
「それは心強いな…」
「ん…何か…アウラとマリアに…お土産買っていく…?」
「そうだな…なにか良いものあるかな…」
「んー…お守り…とか…」
「お守りねえ…あ、なら…ウチのパーティの紋章を首飾りにするのは?」
「紋章なんて…あるの…?」
「一応、俺が作ったけど…」
「なら…それにしよ…」
「OK。なら、作りに行くか。」
「ん…」
「どこで作って貰えるんだろ…」
「簡単なので…いいなら…木工職人…」
「なるほど…んじゃそこに行くか。ドール。場所は分かるか?」
「ん…コッチ…」
「助かる。」
そうして、街を歩き、木工職人の店に到着する
「すみません。」
「はいよ。いらっしゃい!」
「首飾りをお願いしたいんですが…」
「首飾り?お守りかい?」
「いえ、自分達は冒険者のパーティを組んでまして、そのパーティの紋章を首飾り
にしようと思って…」
「なるほどなあ…。複雑なモノじゃ無ければすぐ出来るぞ。」
「本当ですか?」
「ああ、どんなのだ?あと何個必要なんだ?」
「4個お願いします。それで紋章はこんな感じで…」
「なるほど、月か…これくらいならすぐ作れるから待っときな。」
「ありがとうございます。」
「ん…良かった…」
「出来るまで商品でも見ててくれ。すぐ出来るって言っても時間は掛かるからな…」
「はい。」
そうして、店主さんが作ったであろう商品を見る。
「へえ…こんな複雑なモノも作れるのか…」
「ん…ここの店主…腕は確か…」
「ドールは色々知ってるな…」
「日銭を…稼ぐために…色々してた…」
「なるほど。」
そうして、どのくらいだろう…1時間は待ったと思うが…
「兄ちゃん。出来たぞ。」
「おお。見せてください。」
「こんな感じだな。」
「これは凄い。すごく綺麗です」
「木工だからな、コレくらいのモンしか出来なくてな。」
「十分ですよ。それでいくらですか?」
「銅貨80枚だ。1個銅貨20枚でソレが4個で銅貨80枚だな。」
「それじゃ…銅貨80枚…はい。どうぞ。」
「おう。丁度だな。毎度あり。」
「お邪魔しました。」
そうして木工職人さんの店を出る。
「ほい。ドール。受け取れ。」
「ん…。」
ドールに首飾りを渡すとすぐさま付ける。自分も付けておく。
「ありがと…ルーク様…」
「これでパーティの士気も上がるだろ…元々から士気は高いけど…」
「ん…みんな…ヤル気が…出る…」
「おう。まあ…マリアもアウラも大事なメンバーだしな。もちろん、お前もな。」
隣りを歩くドールの頭をポンポンと撫でる
「ん…ルーク様の…ためなら…頑張れる…」
「んじゃ、戻るか。」
「賛成…早く2人にも渡したい…」
「なら早く帰ろう。」
そうして宿に戻る俺達。
「ただいま。っと」
「あら、おかえりなさい。」
「ん?マリア?アウラはどうした?」
「痛み止めが効いたのか寝てるわ。」
「そうか…。あ、そうだ、マリア、コレ。」
「なにこれ?首飾り?」
「ああ、俺達のパーティの紋章を首飾りにしたんだ。」
「いいいわね。早速付けるわ。」
「おう。喜んでくれて何よりだ。」
「アウラが良くなったらアウラにも渡してあげなさい。」
「元からそのつもりだ。」
「多分、明日には良くなってると思うから。」
「おう。」
「でも…マリアが…面倒見良い…のは…意外だった…」
「失礼ね。私だって面倒くらい見るわよ…」
「マリアは戦闘以外だったらちゃんと周りを見てるからな…」
「んもー…ルークまで。」
「でも、ソレがお前のいいところだろ?」
「戦闘時は私が周りを見てないみたいじゃない。」
「お前隙だらけだし?危なくて俺の援護が必須だな…って思ってる。」
「私は大丈夫よ。それより…依頼どうしようかしら?」
「ん?なんで?」
「アウラが本調子になるまでもう少し時間は掛かるわよ?その間の稼ぎはどうするのよ?」
「パーティの貯蓄から出すさ。」
「そうやってパーティのお金使ってたら拠点なんて買えないわよ?」
「これも必要経費だ。仕方ない。」
「はあ…でもそうね…」
「だろ?だから経費で落とす。俺達も体調崩すこともあるだろうし…その時も経費で生活費は保証しとかないとな…」
「ん…今の…メンバーだから…出来る…」
「ドールの言う通りだ。この人数だから出来る。これ以上増えたら補填出来ん…」
「私達…ホントに大手になれるかしら?」
「それは努力次第だな。アウラが元気になったら1つ上のランクの依頼を受けてパーティランクの引き上げに集中しよう。」
「賛成。それじゃ、アウラの調子が戻るまで自由行動で、各々過ごしましょう?」
「おう。」「ん…」
そうして、各々自由に過ごすのであった




