冒険者とは色々ある…
今日も今日とて依頼の最中…
「はぁー!」
ズバ!ドサ…
「お見事。さすがマリア。俺の援護いらないじゃん…」
「ルークが居るから後ろを気にしないで戦えるの。アウラも索敵ありがとう。」
「いえ…私は索敵しただけですし…」
「アウラの索敵魔法があるからこうやって簡単にモンスターを見つけられるの。謙遜しないで?」
「あう…はい…」
「アウラの魔法は便利だよなあ…。俺も使えたらいいのに…」
「誰もが簡単に魔法が使えたら魔法使いなんてジョブ無くなるわよ…」
「それもそうか…。ってことはアウラは魔法の才能があったんだな…」
「そんなことは…私なんて初級魔法しか使えませんし…」
「初級魔法でも全属性を使えるのも才能よ?」
「でも…両親は2人とも上級魔法使えますし…」
「確かに上級魔法は凄いけど…でもアウラの魔法も才能よ!自信持って!」
「はい…」
「しかし…アウラの両親は魔法使いなのか…」
「はい…父は領主様お付きの魔法使いでした。」
「すげえな…」
「じゃあアウラはなんで冒険者になったの?」
「私には才能がなくて…それなら少しでもみんなの役に立てる冒険者になろうと…」
「へぇ…殊勝な考えね。」
「そういうマリアはどうなんだ?」
「え?冒険者って実力主義じゃない?だから自分の力を示すために…。ルークは?」
「俺?俺は…たまたま?」
「たまたまでなれるワケないじゃない…夢だったとか…」
「んー…なれたらいいな。とは思ってた。」
「それで?今なってみてどう?」
「んー…幸運だな…って思う。」
「なんで?」
「だって冒険者登録した翌日にはパーティに入ってるんだぞ?そんなこと想像もしてねえよ。」
「あー…そう言えばルークってGランクだったわね…」
「そうだよ…最低ランクだよ…」
「でも、Gランクとは思えない動きをしてるわよねー…。」
「適応能力が高いのでは?」
「あー…確かに…」
「あのさ…勝手に俺の考察するのやめてよ」
「ごめんごめん。さて、依頼も終わったし、報告に行きましょ。」
「おう。」
そうして依頼完了の報告をしに冒険者協会に戻る
スタスタ…と歩いていると他の冒険者が足を引っ掛ける
「おっと…」
「イッテぇなぁ…どこ見て歩いてやがるルーキー。」
「そっちが足を出してきたんだろ…」
「なんだ?ケチつけようってか?」
「本当のことを言ったまでだ。どけよベテラン風情が。」
「ああん?」
ガタリと椅子から立ち上がりこちらを威嚇してくるモブ。
コッチでもこういうのはあるのか…
「表出ろや。ルーキー。」
「残念ながら俺にはれっきとした名前があるんでね。そんな呼び方じゃノれねえな。暦だけはあるベテランさん。」
「てめえ…俺が実力がねえって言いたいのか!」
「ああ。俺みたいなの挑発してからかってくるような奴がマトモなワケないだろ…」
「許さねえ…くらえ!」
殴りかかってくるが、残念。俺にも体術スキルがあるんでね。
拳を避けそのまま空振った腕を掴み投げ飛ばす
ドシャ
「ぐえ!」
「まだ用でもあるか?雑魚。」
「てめえ…」
チャキ…
「抜いたな?」
モブが剣を抜いたのを確認し、飛びかかる
「ケンカだぞ!」
「どっちに賭ける?」
「俺はルーキーだ!」
そうして賭けが始まったがお構いなく殴りかかる。
「てめえ…射手じゃねえのかよ…」
「8割正解。」
振り下ろされる剣を避け、バランスを崩したところに蹴りを入れ、つんのめったモブの頭に踵落としを食らわせる。
「ぐえ…」
ドタ…っと倒れるモブ。
「ほら見ろ!ルーキーの勝ちだ。」
外野は大盛りあがりだ。
「ルーク。大丈夫?」
「ああ、平気。」
「ルークさん。腕切ってますよ…」
「このくらい唾付けとけば治るよ。」
「ダメですよ…じっとしておいて下さい。我が友を癒やせ。ヒール。」
「これくらいの傷で魔法なんて大げさな…」
「もう。心配したんですからね?」
「悪かった。それで…俺にケンカ売ってきた奴は?」
「冒険者協会内での抜刀は厳罰です。罰金でしょうね…」
「ん?その言い方だとケンカ自体は大丈夫なのか?」
「プライドと実力がモノを言う世界ですよ?そりゃケンカくらい日常茶飯事です。」
「なるほどなあ…」
「あと酒好き、女好きね。」
「酒好きは分かるけど…女好きって…」
「男性冒険者なんてほとんどが娼館に行ってるわよ。」
「俺は行ってないんだが…」
「ルークが特殊なのよ。」
「そういうモンか…」
「そういうモンよ。」
「冒険者って色々あるんだな…」
「全くよ…ルークが変態じゃなくて良かったわ。」
「やめてくれ…俺は普通だ。」
「分かってるわよ。でも…そうね…他の冒険者との付き合いは気をつけて?」
「肝に銘じておく。」
「そうしなさい。それじゃ報告は終わったしどうする?」
「報酬の山分けは宿でするとして…まだ日も高いしなあ…」
「夜まで時間があるわね…」
「あ、じゃあ…お店を見て回りませんか?」
「なんだ?アウラはなにか欲しいものでもあるのか?」
「いえ…そういうワケではないんですが…」
「私は賛成。暇つぶしになりそうだし。」
「俺も反対する理由がないな。行くか。」
そうして3人で店を回り時間を潰す。
「ふう…楽しかったわねー。」
「そうですね!」
「何が見るだけ。だ…こんなに買い物して…その上、俺を荷物持ちにしといて…」
「いいじゃない。美少女2人とデート出来たのよ?」
「自分で言うかね?普通。」
「私もアウラも可愛いもの。」
ふふん。と胸を張るマリア。
「もう限界だ。早く帰ろうぜ。」
「そうね。もういい時間だわ。」
「すみません…ルークさん…」
「一緒に買い物してたアウラも同罪だからな?」
「あう…」
「もう!ルーク。イジメないの!」
「仕方ねえなあ…俺もいい歳なんだから労ってくれよ…」
「いい歳ってそこまで年寄りじゃないでしょ?」
「いや…多分2人よりは年上だな。」
「アウラは何歳?」
「今年16歳です」
「私は18…ルークは?」
「28…」
「オッサンじゃん!」
「まだ20代だわ!オッサンちゃうわ!」
「とんだオールドルーキーね…」
「やめてくれ…自分でも分かってるんだ…」
「これからは年齢のことは話さないようにしましょ。」
「頼むから変に気を使うなー!余計傷つく…」
「ルークさんが一番の年上ならパーティのお金もルークさんに預けた方が良くないですか?」
「あ、それ名案!それじゃ、ルークは今日から金庫番ね。」
「おいおい…マジかよ…」
「責任重大だからね?しっかりしてよー?」
「責任を押し付けてくるな。」
「でも、ルークさんならしっかり管理出来そうですし…」
「そりゃ管理はするけど…」
「じゃあいいじゃない。」
「金のことをそんなに簡単に決めていいのか?」
「それだけルークを信用してる証拠よ。」
「はあ…仕方ねえな…やるよ。やりますー。」
「さすがルーク!」
「褒めても何も出ないぞ?はあ…帰ったら金の計算して帳簿作らないと…」
「そこまでするの?」
「やるからには徹底的に。だ。」
「几帳面ねえ…」
「そりゃな…誤魔化されても困るし…それに泥棒が入ったらすぐ分かるだろ?」
「確かに…」
「早いとこパーティの拠点でも欲しいよ…」
「下弦の月じゃダメなの?」
「いつまでも宿屋ってのもな…金貯めてちゃんとした拠点を買いたい。」
「そこまで考えてるのね…」
「そりゃな。」
「私達でも大手のパーティになれるでしょうか…?」
「それは俺達の努力次第だな。まあ…こんな弱小パーティで甘んじるなんて冒険者じゃないだろ?上を目指してナンボだ。」
「それは…」
「ルークの言ってることが正解よ。私達はこれから大手パーティを目指して頑張りましょ。」
「おう。」「はい。」
「それじゃ、帰ったらルークの部屋に集合。そこで山分けしましょ。」
「俺の部屋かよ…」
「金庫番の部屋でお金のやり取りした方が誤魔化せないでしょ?」
「そりゃそうかも知れんが…」
「それじゃ決まり!ほら、帰るわよ。」
「はい!」
「ちょ。待てって…」
駆け出していく2人を宿まで追いかけるのであった。(荷物を持って…)




