緊急クエスト
「ぐぅ…すぴー…んが…」
深夜…俺は夢の中にいた。のだが…
カンカン!カンカン!
「ぐぅ…」
ドン!ドン!
「んが…?なんだ…?」
「ルーク!起きて!」
「おう…どうした?」
寝ぼけ眼でドアを開けると、そこには完全装備のマリアとアウラが居た
「こんな時間にフル装備でどうした?」
「貴方…あの鐘が聞こえないの?」
カンカン!
「あー…かすかに聞こえるな…」
「もう!モンスターの襲撃よ!」
「はあ?襲撃?」
「そうよ!緊急招集!早く支度して!」
「分かった分かった。」
そう急かされ支度をし、部屋を出る
「もう!遅いわよ!」
「悪かったって。んで、緊急招集ってなんだ?」
「モンスターの襲撃があると冒険者に緊急招集がかかるの。あの鐘が合図よ。」
「それで?俺達はどこに行けば良いんだ?」
「まずは冒険者協会。そこで緊急クエストを受注するわ。」
「どうせ強制なんだろ?」
「察しが良いわね。ソロの冒険者だと受けるのは自由だけど、パーティは強制よ。」
「早速、パーティを組んだ結果がコレか…」
「でも、報酬も破格よ。行くしかないわ。」
「了解。んならすぐに向かうか。」
「ええ。」
「んで、コレは依頼なんだよな?」
小走りで冒険者協会に向かいながらマリアに聞く
「そうよ。ただ、内容は着いてみないと分からないわ。」
「了解。」
そうして、数分で到着すると・・・そこには色々な冒険者が集まっていた。
「皆さん。よく集まって下さいました。これより緊急クエストを発令します。内容は街に向かってくるモンスターの討伐及び住民の避難指示、住民の護衛です。パーティを組んでいる方にはモンスターの討伐を。他のソロの冒険者は住民の避難、護衛をお願いします。報酬はソロには銀貨2枚、パーティには最低保証として、銀貨5枚をお約束します。」
「あのー…」
そろりと手を挙げる
「なんでしょう?」
「成功報酬が銀貨5枚保証ってことはソレ以上もあるってことですよね?」
「はい。その通りです。」
「じゃあ…その条件は?」
「今回の緊急クエストにおいてどれだけ貢献したか。で報酬は変更になります。」
「その貢献度って誰が確認するんですか?」
「それは…」
「いつもの依頼のように素材を確保することも不可能ですし…それなら始めから報酬が高い方が士気は上がると思うんですが…」
「ちょっと…ルーク…」
「それに貢献度なんて…ここに居る全員が命を賭けるんですよ?そんなモノで測れるんですか?」
「あの…いえ…それは…」
「こんなことを言ってる間にもモンスターはやって来ます。出すか出さないか。どっちですか?」
「私の一存では決めかねますので…すぐに協会長と話してきます。」
そう言って依頼内容を説明していた受け付けのお姉さんは去ってしまった。
「ルーク…貴方…意外とガメついのね。」
「冒険者ってのは金にガメついのが当然だろ?命張ってんだ。なのに、貢献度なんて不明瞭なモンで報酬が最低価格になる可能性があるからな。言っとかないと。」
「だからってそんな交渉する?」
「俺は自分の命を安売りするほど軽い男じゃないんでね。」
パイプを取り出しタバコを吸う。
「はあ…貴方って敵に回すと厄介になりそうだわ…」
「そりゃどーも。」
そうして居ると受け付けのお姉さんが戻ってくる。
「報酬の引き上げを致します。ソロの冒険者は銀貨10枚。パーティは一律で銀貨50枚です」
「ふむ…。」
「どうなの?ルーク…」
「最低限って感じだな…まあ、Gランクの俺が言うのもおかしいけど…。ここで大手のパーティってランクはどれくらいなんだ?」
「そうね…ここでのMAXはCランクくらいかしら」
「なら妥当か…」
「では皆さん、お願いします。」
そうして、各々が移動するのであった。
「ねえ…ルーク…。私達はどこに居るのが良いかしら?やっぱり前衛?」
「いや、俺達のパーティランクは低いし、そこそこの活躍が出来て、報酬もちゃんと貰えるであろう遊撃隊として立ち回ろう。」
「遊撃隊?」
「ああ、俺達はメンバーも少ないし、他のパーティよりも身軽だ。速度重視の遊撃隊として動けば他のパーティからも邪魔だとは思われないし、一箇所に居続けるよりも協会への【貢献度】は高いだろう?」
そう言ってニヤリと笑う
「貴方…もしかして…」
「ああ、今回のクエストでパーティランクのアップを狙う。」
「はあ…貴方ってホントにGランク?抜け目が無いわよ…」
「収入アップの為にな。アウラもそれでいいか?」
「あ、はい。私はお2人にお任せします。」
「なら決定だな。まずは、モンスターが襲来してくる方に向かう。んで俺達は他のパーティが撃ち漏らしたモンスターを狩る。それを繰り返すんだ。」
「了解。」「はい。」
「それじゃあ…行くぞ!」
そうして、前衛に居る他のパーティの後ろに陣取り、後ろに逸らしたモンスターを狩っていく。
「前衛が押されてる!アウラ!前衛のパーティとぶつかっているモンスターの集団の真ん中に前使った魔法は撃てるか?」
「はい!可能です」
「なら、アウラの魔法が直撃したら、マリアが突撃。前衛パーティの援護をするぞ!」
「オーケー!」「はい!」
そうして、アウラが魔法を放ちモンスターの軍勢のど真ん中に直撃すると同時にマリアが乱戦状態の前線に突っ込む。俺は弓での援護だ。
「そこのパーティ!こちらで援護する!その間に立て直してくれ!」
「すまん!助かる!」
そうして、他のパーティと力を合わせモンスターの対処をする。
「ありがとう!こちらはもう大丈夫だ!」
「なら、俺達は他に移動するか…」
そう言った瞬間にモンスター達が撤退していく
「あれ?モンスター達が撤退していくな…」
「勝てないって思ったんじゃない?元々モンスターは知能は低いし…」
「その知能の低いモンスターが大群になって攻めてくるってのも不思議だけどな…」
「たまにあるのよ…モンスターの暴走って感じね。」
「なるほどなあ…しかし…こういうのは何度もあるのか?」
「コッチでは頻度は高くないけど…モンスターの多いところでは頻発してるみたい。」
「ふむ…でも、モンスターの襲撃が多いってことはそれなりに冒険者は居るんだよな?」
「どこも人手不足よ。特に冒険者なんて、毎日が命の危機があるからなり手が居なくて…」
「まあ…命賭けるくらいなら農業とか普通の仕事するよなあ…」
「それに冒険者になるにはそれなりの知識とスキルが必要だから余計にね…」
「なるほど…」
「さて、あらかた片付いたみたいね。私達は冒険者協会に戻りましょ。」
「そうだな。」
「でも…モンスターはすぐ撤退しちゃいましたし…ルークさんの作戦は上手くいきませんでしたね…」
「まあ、それも想定内だよ。報酬が貰えればそれでも良いし…」
そう言いながら冒険者協会に戻る
「皆さんお疲れ様でした。今回はこの程度の被害で済みましたが、これ以上のモンスターからの攻撃には耐えられらないでしょう。なので皆さん、特にパーティを組んでいる方達はより早く実力を付け、ランクアップをお願いします。それで、こちらが今回の報酬です。」
そうして、報酬が配られる。
「コレは…美味いな…」
「そうですね…しかしこんなに貰っても良いのでしょうか…」
「正当な報酬だ。貰っておこう」
「はい…」
「さて…夜明けかー…」
「そうですね…もう夜明けです」
「それじゃ宿でご飯食べましょ。きっとレミーさんが作ってくれてるはずよ。」
「レミーさんのメシは美味いからなあ…」
「ふふ。そうですね。」
「あー…風呂入りてぇ…」
「贅沢言わないの。」
「俺が居たとこでは風呂なんて毎日入れたのに…」
「え?お風呂を毎日?」
「あ…しまった失言だった…」
「毎日お風呂が入れるってどいうこと?」
「えーっと…ほら火魔法だよ。それ使って毎日入ってたの。」
「へえ…そんな使い道があるのね…」
「お、おう…」(ほっ…バレなかった…)
「でも、そんな簡単に魔法を使うなんて…」
「魔道具があるだろ?それと一緒だよ。」
「そうかも知れませんが…魔法使いとしては少し複雑です…」
「そうかも知れないけど…色々あるんだよ。それも商売になるしな。」
「なるほど…大きな湯船を火魔法で温めてお風呂として使う…良い案ね。」
「だろ?」
「でも、贅沢だって貴族から目を付けられそう…」
「コッチでは辞めといた方がいいな…」
「ちぇっ…せっかく儲けられそうだと思ったのに…」
「それに、そんな風呂を作る金がどこにあるんだよ…」
「それもそうね。」
そんな話しをしながら宿に帰るとレミーさんが迎えてくれた
「おかえり!腹ペコだろう?食事が出来てるよ!」
「おお、さすがレミーさん。分かってる!」
「その前に着替えてから食事しておくれ。そんなに汚れてたら食堂が汚れちまうよ。」
ケラケラと笑いながらレミーさんは言う。それを聞いて俺達はすぐさま着替えるのであった。




