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【完結】妄想オナニー女子  作者: 泉水遊馬
エピローグ 水沢しずく 実はここからが本編
80/80

水沢しずく 完

笑顔のつぼみが手を差し出し、しずくは握り返す。

柔らかくて、優しい握手。


その瞬間、世界が一変した。

会場の人々が一瞬にして消え、音が消滅した。つぼみの笑顔が、ゆっくりと真顔に変わる。

しずくの心臓が凍りつく。


「しずく…また会えたね…」


その声は、かつての先輩の幻影と同じ、冷たく甘い響きだった。

しずくの視界が揺らぎ、恐怖が全身を駆け巡る。

彼女は手を離そうとするが、つぼみの指は離れない。

会場は暗闇に飲み込まれ、ただつぼみの目だけが異様に光る。


しずくの意識は、底なしの闇に落ちていくようだった。

つぼみの声が頭の中で反響する。

「どこへ行っても、私から逃げられないよ。」

握られた手は冷たく、まるで生き物のものではない。会場が再び現れるが、ファンの群れは無表情でしずくを見つめる。人形のような目が、彼女を囲む。

「しずく…」

つぼみの唇が動き、歪んだ微笑みが浮かぶ。

「これからも、ずっと一緒だよ。」

その言葉は、しずくの心を再び闇に引きずり込む。

彼女の叫びは喉で凍りつき、声にならない。

フォトブックが床に落ち、ページが開く。

サインの文字は、まるで血で書かれたように赤く滲む。


「永遠に、しずくへ。」


しずくの視界が暗転し、遠くで笑い声が響く。それはつぼみの声か、先輩の声か、それとも…しずく自身の声だったのか。

彼女の愕然とした表情。

突然、しずくの愛液が吹き出す。

それは新たな闇の始まりであった。




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