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二十階層、新たな属性

第4章:二十階層、新たな属性


悠は十五階層で不思議な卵を手に入れてから、幾つもの戦闘を乗り越え、ついに二十階層にたどり着いた。これまでの階層とは異なり、目の前に広がっていたのは、これまでの暗い洞窟や湿った空間とはまったく違う景色だった。


「……これ、本当にダンジョンの中か?」


悠は目を疑った。そこには一面に広がる草原があり、青空のような天井が広がっていた。風が吹き抜ける音や草花の香りも感じられ、まるで外の世界にいるようだった。


「平原……いや、これもダンジョンの一部なのか。」


彼は警戒しつつ、短剣を握りしめて足を進めた。


広大な平原と新たな敵


二十階層は驚くほど広大だった。見渡す限りの草原が広がっており、遠くには小さな森や湖のような場所も見える。だが悠が一歩踏み出した瞬間、足元から草がざわめく音が聞こえた。


「……何かいるな。」


音の方向に目を向けると、草むらから数体の鹿のような魔物が姿を現した。しかし、その目は赤く輝き、角には稲妻のような電気が走っている。


「サンダースタッグ」

•レベル: 15

•攻撃力: 20

•防御力: 12

•スキル: 電撃突進


悠は一瞬身構えたが、その鹿のような魔物は俊敏な動きで彼に向かって突進してきた。


「速い!」


『獣の脚力』を発動し、辛うじて横に避けるが、鹿が通り過ぎた後の地面には焦げ跡が残っている。


「まともに食らったら一発でやられるな……」


悠は素早く戦略を立て、地形を利用して木の陰に隠れながらサンダースタッグを引きつけた。そして、敵が突進してきた瞬間、木の影から飛び出し、短剣で足を狙う。


鹿はバランスを崩し、倒れ込んだ。悠はその隙を見逃さず、首元に渾身の一撃を叩き込む。


「経験値を獲得しました。」

「アイテム『雷の角』を獲得しました。」


「ふぅ……なかなか手強かったな。」


角から放たれる微弱な電気を見ながら、悠はこれが平原特有の魔物であることを確信した。


不思議な湖と卵の反応


平原の探索を続ける中で、悠は湖のような場所にたどり着いた。湖面は鏡のように静かで、周囲の景色をそのまま映し出している。


「きれいな場所だな……でも、油断はできない。」


警戒しながら湖に近づくと、不思議なことが起こった。十五階層で契約した卵の紋章が光り始め、手の甲が熱を帯びたように感じた。


「なんだ?この反応……」


悠が湖の中を覗き込むと、湖底に同じような光を放つ石が沈んでいるのが見えた。


「これ、卵と関係があるのか?」


紋章の力に導かれるように、悠は湖に手を伸ばし、光る石を掴み取った。その瞬間、再び卵の紋章が輝きを増し、頭の中に声が響いた。


「契約進行中……孵化準備を開始します。」


「孵化準備……って、もしかして卵が?」


悠が驚いている間に、光る石は紋章に吸い込まれ、手の甲の光がさらに強くなった。そして、紋章に刻まれた模様がわずかに変化し、新たな項目が追加された。

•契約生物: 孵化準備中

•属性: 水・雷

•スキル: 未解放


「雷属性まで追加されたのか……どうなるんだ、この契約生物?」


悠は興奮と不安を抱えながら、湖を後にして再び平原を進むことにした。




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