ワイバーンとの遭遇
第8章:ワイバーンとの遭遇――三十階層
二十九階層でダークスワンプキングを倒し、悠は更なる高みを目指して三十階層へと足を踏み入れた。
三十階層の入り口を越えると、今までの湿地帯や沼地とはまったく異なる景色が広がっていた。広大な空間には岩山がそびえ、空には巨大な翼を広げた影が不安げに動いていた。悠はその影がワイバーンであることに気づき、身を引き締めた。
三十階層:空の王者――ワイバーン
悠の目の前に現れたのは、巨大なワイバーンだった。鋭い爪と牙、黒い鱗を持ち、空を自在に飛ぶその姿はまさに空の王者。その大きさと威圧感に、悠は一瞬怯んだが、冷静を保つことができた。
「ワイバーン」
•レベル: 35
•スキル: 飛行、火炎ブレス、鋭爪
ワイバーンは悠を見下ろすと、突然翼を広げて空に舞い上がり、悠に向かって火炎ブレスを放った。悠はすぐに反応し、迅速に「氷結の壁」を作り上げ、火炎を防ぐ。
「流石に火の攻撃か…『冷気耐性』が活きる!」
悠はその後ろで冷静にワイバーンの動きを見極め、電撃強化を施した弓で遠距離から攻撃を試みた。ワイバーンの鱗は硬く、弓の矢は簡単には貫通しなかったが、悠は諦めずに攻撃を続ける。
その間、ワイバーンは空を飛びながら鋭い爪で悠に向かって突進してくる。悠はすかさず「反射の盾」を発動させ、ワイバーンの爪を弾き返したが、その衝撃で体勢を崩し、地面に叩きつけられた。
「まずい…!」
一瞬、頭がくらついたが、悠は持ちこたえ、すぐに立ち上がった。「影移動」でワイバーンの攻撃をかわし、再び間合いを取った。
新たなスキルの獲得
悠はワイバーンの猛攻を受けながらも、すぐに戦い方を変えた。飛行している相手に対して、足元を狙うのではなく、なるべく空中にある隙間を突こうと考えた。彼はすでに「風刃」のスキルを習得していたため、これを使いこなすことを決意する。
「今だ…!」
悠は風刃を発動させ、ワイバーンの翼の隙間を突いて攻撃を加えた。風刃が翼の筋肉をかすめ、少しだけ力が弱まった。その隙を突いて悠は再び反撃を試みる。
また、ワイバーンの火炎ブレスを回避しながら、「毒霧」を使って周囲に煙を撒き散らし、視界を遮る。これによってワイバーンは一時的に迷い、悠はその隙をついて接近し、短剣で一気に攻撃を加えた。
数回の攻防の末、ワイバーンは最終的に倒れる。悠はその瞬間、息を吐いて安堵の表情を浮かべた。
「経験値を獲得しました。」
「アイテム『ワイバーンの鱗』を獲得しました。」
「スキル『飛行強化』を獲得しました。」
三十一階層:地下湖の魔物たち
三十階層をクリアした悠は次の階層へと向かう。三十一階層は地下の広大な湖が広がる場所で、幻想的な雰囲気に包まれていた。その湖には奇妙な魔物が住み着いており、悠はまずその特徴を探ることにした。
「水獣」
•レベル: 38
•スキル: 水流操作、強化筋力
水獣は湖の水流を操り、悠を引き寄せる。悠は自分の足元が安定しない中、冷静に「砂隠れ」を使い、相手の動きに合わせて戦いを続けた。
「水流を操作するか…なら、『氷結の拳』で水流を凍らせて、足元を固める!」
悠は水流を凍らせ、さらに接近して短剣で攻撃を加えると、水獣はそのまま倒れた。
「アイテム『水獣の鱗』を獲得しました。」
「スキル『水流操作』を獲得しました。」
三十二階層:炎の渓谷
次に進んだのは、灼熱の渓谷地帯。ここでは、激しい火山活動によって周囲の岩が常に赤く熱を帯びている。その中で現れる魔物は、岩を操る力を持ったものばかりだった。悠はその厳しい環境に備えるため、「火耐性」を強化し、岩を使った攻撃に対抗することを決めた。
三十三階層~三十九階層:異常環境の克服
これ以降の階層でも悠は、各地の異常環境に立ち向かっていく。魔物の強さも増していき、スキルを駆使して戦うことが求められる。彼は戦いながら確実に力をつけていき、様々なスキルを獲得していった。
•三十三階層(密林地帯): 「シャドウジャングルビースト」から「幻影作成」を獲得。
•三十四階層(荒野): 「メルトゴーレム」から「溶解攻撃」を獲得。
•三十五階層(死者の遺跡): 「アンデッドウィッチ」から「死霊術」を獲得。