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色褪せた花  作者: 吉井春
出会い
3/6

初めての通院

 その日は退院してから初めての通院の日であった。

 両親に付き添われ病院に赴くと以前の病棟とは違った雰囲気、どちらかというと少し柔らかな雰囲気の待合室があった。

 受付を済ませると、少し今の病態について両親と話をした。

「今はどんな感じなのかしら?」

「今は入院していたときよりかは落ち着いてるけど、まだ症状は出るかな」

「退院祝いのときはそんな風に見えなかったけど」

「まあ美代とか奈緒さんたちが俺に危害を加えない、って分かってたからだと思うんだけど、店員さんには警戒してたよ」

「そっか」


そんな風に両親に説明をしていると、「番号札7番の方」とよばれたので診察室に入った。

 中には中年の眼鏡を掛けた医者がいて「こちらにどうぞ」と席に促された。

 話の内容としてはこれからの治療方針を示していくもので、薬も処方された。が、しかし、私が薬の内容に口を出したり、話をながびかせてしまった事で医者を怒らせてしまった。

 それに対し、寛人は不信感を抱かなかったが、私と美奈は不信感を抱いた。

「なんなのあの人!、医者ならもっと丁寧に対応するべきでしょ!」

私も心の中で同感した。

「まあ、初めてだからお互いわからないことがあったからしょうがないじゃないか」

「でも!」

寛人は美奈を宥めることで手一杯のようだ。


 そんなことがありながらも、なんとか美奈は落ち着き薬局で薬を受け取り、家路に着いた。

 帰り際に美代を見かけたが、どうやらあの病棟から退院した人は主にここに通院するらしく、手を振ったら、にこやかな笑みとともに手を振り返してくれた。

 まだまだ初々しく私は少し照れくさかった。

初の通院ということで、病棟外での闘病が始まっていきます。


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