足跡が四つと線が一つ。
「んっ?」
魔界の戦場にいる誰1人として理解が出来なかったのだ。
「なんで?」
トワが瞳を閉じた隙だらけの666に渾身の一撃をお見舞いする。
真っ赤なマグマが口から吹き出す666に対して更に追撃をする。
「理解出来ませんか?」
666はくるりと追撃を躱す。
「あぁ、そういう事か。お前クズだな。」
セツナは絶望する。
世界の終わりを自らの手で招き入れてしまったのだ。
「流石、セツナ様、理解が早いですね。天秤はあくまで天秤なのですよ。これは破壊されてトリガーになるんです。」
666は崩れた天秤の跡に残った次元の裂け目が広がっていくのをうっとりと眺める。
「666よ。お前は、最初からこれを狙ってたのか。」
聖の0も事態を把握する。
「天秤はあくまでも三つの世界をリンクさせて次元の裂け目を弱らすためだけに作ったんだな。」
魔の0が話を継ぎ足す。
「そういう事です。上手く出来てるでしょ?強制リンクさせると異なる世界同士が同期する力に反発して荒廃する。まるで世界が一つになるかのように見えるでしょ?」
666は次元の継ぎ目がほつれていく姿に笑がやっと溢れる。
「リンクを破壊するために、強力な力で異なる次元から、繋がった唯一の点に同じ力を加えて破壊する事で、全てが繋がるわけだ。我々の力が最後のピース、そうだろ?666。」
セツナは全ての筋書きを読み解く。
「そうです。私が死ぬ気で繋いだ点を維持するのが限界でした。あとは繋いだ点を広げる破壊力が必要でした。まぁ、アルーマは残念ながら、原型を残さないでしょうね。我々の世界が再び一つになるには必要な犠牲です。所詮アルーマです。何を気にする必要がありますか?」
それはそれは綺麗な夜空が魔界に広がる。
闇の世界に光が溢れてきたのだ。
「そうですか。なら、まだ諦めるのは早いな。トワ、受け取れ。」
刹那は左手を左目に当て、真理の目から真実の目だけを取り出してトワの左目へと添える。
「お前には真実さえあれば無敵だろ?」
セツナはそう言うと緩み続ける裂け目からリヴァを呼び寄せると、神術を発動する。
神術。
『定理は全。定められた法則は絶対。紡がれし答えは全てを成す。白紙に定理を刻みし者。守護者として降臨せん。』
発動、神の定理。
リヴァの頭に左手を添えると1人と1匹は1体となる。
新しい、白の守護者の守護者が誕生した瞬間だった。
コバルトブルーの毛色に代わり骨格も一回り大きくなると逞しい尻尾に龍の衣を纏った両手が太く四足歩行の巨大な龍神の姿に様変わりする。
神術。
『光よあれ。』
発動、白の世界、善。
これを見た0はすぐ様神術を唱える。
『0と0は1。』
発動、空と空。
1となってすぐさま神術を織りなす。
魔術。
『闇よ来れ。』
発動、黒の世界、悪。
1とセツナは呼吸を合わせる。
神魔術
『光と闇。善と悪。白と黒。永遠に交わる事は無し。』
発動、神と魔。
666の神魔を強制的に術に組み込む。
「お前ら?何してんの?0?何故?私まで?」
666は死を悟る。
やっと世界が夢が叶った筈なのに全てが無にきしたのだ。
「後悔はしないのか?セツナよ。こんな事をしたらお前、死ぬぞ?」
1はセツナの覚悟を感じて全てを合わせたが、若者が決意したこの悲劇に悲しみが溢れる。
「まさか?妹のために死ねるなら後悔なんてしませんよ。トワ、俺はここまでみたいやわ。俺の事、永遠に忘れんなよ。」
セツナはそういって振り返ると地面に倒れこむと刹那に身体が崩壊して消え去る。
それを見届けた1も消え去っていく。
3人が消えた魔界の空はいつも通りのとても暗く、閉ざされた空が広がっている。
「えっ?お兄ちゃん?おにぃ?嘘でしょ?」
トワの目には涙が沢山溢れてくる。
溢れる涙を拭き取っても拭き取ってもそこにはお兄ちゃんの姿は無かった。
たった一つの真実をトワに瞳は教える。
目の前の現実は幻では無く真実、そう、足跡が四つと線が一つだけ残されていた。
完
やっと完結です!!長い事読み続けて下さった皆様ありがとうございます。はじめての長編小説、完結出来た事が本当に嬉しかったです。ここまで書き続けてこれたのは読者の皆様のお陰でしかありません。2024年の5月から描き始めて気がつけば10月も終わりと月日の流れの早さにただ驚かされております!またすぐ新作書く予定なのでそちらも是非お楽しみに!あと祝1500pv!!感謝歓迎雨霰です。




