まだら模様の友情3
「使ちまったもんは、しゃーないやん。ほら、手伝ってマグンタイト砕くのさ。トワ位しか手伝える子いないからさ。」
グレンは、2t近くあるマグンタイトを粗めに砕いていく。
「ネオもやってみる?」
トワは、グレンから受け取った小石を手のひらですり潰す。
ふと思い付きで、手のひらサイズの小石をネオに投げる。
「あっつ。。熱いで?はっ、なんで素手で?」
龍の首提げ袋を触った感じだとほんのり温もりを感じていたので、トワからの小石を素直にネオは受け取った。
実際、受け取ったマグンタイトは、あまりにも、熱い、熱い、火傷する程の高熱だったのだ。
秒で、地面に落とすネオ。
両手をフーフーして冷ます。
「あっ!やっぱり熱いよね。」
ケラケラと大笑いするトワ。
この子はネオの反応が面白くて遊んでいるのだった。
「とりあえず、どれ位作るの?」
トワは、更に小石を砕く。
そこから両手で包み込んで研磨してサラサラな砂を作り出す。
「程々で、いいよ。あとは、粉砕する道具でやるからさ。」
グレンは、あらかたの岩を砕き終える。
「ぁぁ。。気持ちいい。。」
ネオは火傷した両手をリヴァの冷たい伊吹に晒して冷やす。
「ふーっ。ふぅーっ。」
リヴァは一生懸命冷たい息吹を噴き出す。
「私の弟子なら、余裕で持てないとな。」
必死で冷やすネオを見てグレンも笑う。
「師匠と同じには、無理よ。生物として違うもん。ありがとうね。リヴァ。」
ネオは痛みがひいた両手をグーパーにして感触を確かめる。
無事に火傷が治ったのでリヴァに感謝を伝える。
「くるる。」
リヴァは、役に立てて嬉しそうに鳴く
「よし、こんな感じでどうよ?」
200kg位のサラ砂を皆んなに見せるトワ。
「助かったわ。後は専門家達に任せましょ。」
グレンは、ハルキとルンタイを見る。
2人はアルーマ出身の人族から神族に覚醒した初期の人物達である。
特技は、法術と神術を組み合わて使う事なのだ。
「あとは、お任せを。」
自身満々に親指をルンタイが立てる。
「ここまでやってくれると助かります。」
ハルキは、お辞儀をする。
「よし、じゃあ前線行くか。お前ら。」
グレンは北を指す。
「んっ?何の?」
ネオはお目目をパチクリ。
「もしかして?もしかして?」
トワは目がキラキラ。
「次元が最も不安定な場所に行くのよ!」
グレンも目が輝く。
「んっ?ワシ、聖域はじめてよ?まず、観光地とか案内は?師匠。」
ネオはてっきり聖域を案内してくれるもんだと思っていた。
「何見るんよ?今、一番、ワクワク出来る場所に行く方が良いでしょ?」
グレンからネオを思ってのツアーを組んだのだ。
「最高ですね。ねぇね!!それは。」
トワは、今まで前線に行った事が無いのだ。
不安定な場所は昔から何ヶ所かあり、通常ならベテラン勢が担当して、育成枠は門番からキャリアをスタートする。
そういう暗黙のルールが決まっていた事から、トワにしてみたら夢の場所だったのだ。
「あれ?トワ行ったこと無いの?」
グレンからしたら以外だったのだ。
正直、トワの強さは若手の中では、別次元に強かったので、前線程度経験済みと考えていた。
「何言ってんですか!特別扱い無しの新米兵ですよ!行けるわけがないですよ!」
トワは、嬉しさのあまり龍神化を発動する。
新米兵の強さではない新米トワ、半分魔族で半分神族のネオ、色々とまだら模様の2人を前線へと駆り出すグレン。
「気が付いて無いかも知れないが、2人相性いいよ。」
グレンは、ある思いがあっての提案をする。
実践で鍛えれば光るモノを感じていた。
「師匠、それは無いって。」
ネオは全力で否定する。
相性が言い訳が無かったのだ。
隙あらば、殺しにくる師匠と同じドSな性格なトワと波長が合うわけが無かった。
「グレンねぇ、そんなに相性いいの?」
トワは、ねぇねが言うなら本当なのだろうと半信半疑だった。
「まぁ、ついてくれば分かるって!ほら、行くよ!」
グレンは急に走り出す。
小さなポチ袋を2人にそれぞれ2つずつなげる。
「あっ!待ってよ!リヴァとヴォルケはどうしたらいいの?」
トワが叫ぶ。
「連れて来なよ!」
グレンは右手の人差し指と親指で小さく丸を作る。
「くぅー。」
その印を見て羽ばたく2匹。
ざっくりした目的地に向けて3人と2匹が駆け出す。
「ゆっくりする暇無しですか?せめて、龍に乗りたい!」
ネオが一番後ろからお願いをする。
「駄目よ!これも大切だから、穴を見つけたらすぐ報告ね!」
グレンは次元の緩みに神経を使って進み続ける。
聖域も広く、全ての裂け目に対して対処をする人手が足りて無い。
地味だが、こうやった見回りを繰り返して治安の維持に努めるのだった。
「やり方が偉いアナログ過ぎませんか?」
ネオは呟き続ける。
「大きい奴はさ、解析して場所の把握出来るけどさ。こんなに小さい奴は無理よ。」
グレンが諦めなよと、諭す。
「あっ、皆んな。このやり方、覚えて!」
走りながら緩んだ避け目に希釈した水を入れた小指サイズの小さな水風船とひとつまみのサラ砂を一緒に握りつぶして強制的に媒体を生み出す。
そのまま濡れた手のひらを裂け目に合わせて術を発動させる。
「すげぇ、走りながら封鎖出来るの?」
無駄のない師匠の走りに見惚れる弟子。
ポチ袋の中身と使い道を知った。
「あっ。これ使えと?」
走りながらグレンから猫手袋を渡される。
試しに砂を触るが熱く無かったのだ。
「これめっちゃ便利!あるなら先にくださいよ。」
さっきの火傷を思い出す。
「ごめん。忘れてたのよ!今思い出した。」
グレンは片目をウィンクして可愛く謝る。




