白の守護者6
「あら、セツナ坊や。悪い事したね。」
殺気を沈めるフリズ。
「いえいえ。まだまだ、現役ですね。死にかけには、見えないですよ。フリズ叔母さま。」
セツナは、表情が柔らかくなったのを見て話を続ける。
「手掛かりは、何かありますか?おばさま、それだけ強力な術なら、楔となる呪いがありそうな気がするんでずが。」
セツナは、夜空に流れる流星を見つめて問う。
「それが解析出来れば苦労しないよ。坊や。」
頬っぺたに手を当てて肘を机につく。
小さなスプーンでお茶をクルクルと回す。
「なるほど、発生源はやっぱり魔界は魔界ですか?」
セツナは、アルーマか魔界かどちらでも絞って探しに行きたかったのだ。
「こういうの、裏を書いてアルーマだったりしそうだけど、ガッツリ魔界からやね。」
流星の光跡を指でなぞって、苦笑いする。
「これ、ずっと降ってるですか?」
流星群の数に驚くセツナ。
この世界に来てから、ずっと振り続けていたのだ。
「つい最近よ、急に始まったの。だから焦ってるの。」
この、流れ星の一つ一つが、境界を壊そうする攻撃なのである。
大概の異常事態は、1人で処理する。
それが不可能な程の差し迫った脅威であったのだ。
「ねぇ、セツナ坊や、どう思う?この流星、とても綺麗とは思わないかい?」
無詠唱で敵からの脅威を撃墜し続けながらセツナに問う。
「はい。とても、とても美しいです。フリズ大叔母様、苛烈な激情は美ですらありますよね。」
セツナは、フリズおばさまからの本当の問い答える。
命を注ぎ込む程の情熱は、芸術であるとセツナは答えたのだ。
「そうだよね。セツナもそう思うかい?私もそう思うよ。」
フリズは、境界の番人であり、聖域の守護者、そして空間の支配者、これらを全て統べる物を神達は尊敬を込めて白の守護者と呼ぶ。
流れゆく永遠の時は悪意も善意も無くただ過ぎ行く、それを白と呼ぶ。
その白の守護者が、夜空を見上げて美しいとそう言ったのだ。
セツナの頬っぺたを優しく触れて送り出す。
希望と絶望をセツナの両肩に託すのだった。




