白の守護者3
「おーい、おーい。」
ネオは大きく目一杯に両手を空に広げて左右に振る。
小さいなりの最大限の合図を龍に乗った2人に送る。
「ごめん。遅くなった。」
セツナは、竜から飛び降りる。
「おまた。はい、これ。」
トワが遅れてやってくる。
リヴァが抱えた重たい荷物をしっかりと受け取る。
そして、その流れのままネオに渡す。
「ぐへぇ。重たい、なんか、熱い?」
ネオは、いきなりの荷物に押し潰されそうになる。
あまりの重たさに地面が少しめり込む。
「それさ、いきなりで悪いんやけど、トワと2人でグレンお姉ちゃんに届けてくれない?んで、ナツとフユは、案内してさ、キプロスの洞窟までさ。」
セツナはおつかいをネオとトワに頼む。
その流れから案内をナツとフユに依頼する。
「えっ?聖域に行くんすか?殺されない?」
ネオは少しおっかなびっくりな顔になる。
「にぃにと一緒がいいなぁ。」
トワはトワで我儘をたれる。
「急ぎなんよ。頼む。」
セツナは両手を合わせてお願いをする。
「まぁ、セツナがそこまで頼むなら、行ってやっても良いが、安全の保証はあるんか?」
ネオはセツナに借りを作ったかのような言い回しで安全確保を確認する。
「だから、トワも一緒に行って貰うんよ。」
セツナは、保険はトワだと伝える。
「ほんまに、大丈夫なんか?」
ネオはまだ、完璧に信頼し切ってはいなかった。
「これでも、エヴァン一族の女性よ?安心しなよ。ネオたん。
」
少し胸を膨らまして自慢気にトワが話す。
「女の子の間違えじゃない?年下のくせに。」
小声でつっこむネオ。
「んっ?何?」
トワは頬っぺたを膨らまして怒る。
「いや、何でもない。」
ネオは熱気が噴き出すトワを見てとぼける。
「私、意外と凄いんだから。にぃに、お願いされた以上、面倒見たるよ。キバ付きさん。」
トワは年下の癖に生意気な態度をとる。
「全く、俺を歳上と思ってないやろ?尻尾付きが。」
ネオは呆れる。
「思ってはいるよ。可愛いキバちゃん。」
右手と左手の小指を小さく口にあてながら小さな牙を作る。
「全く、はぁー。いちゃいちゃするなよ。」
セツナは深いため息で2人を見つめる。
「えっ?」
ネオとトワがハモる。
「ほんと、仲良しなのは良く分かったからさ。早く行ってくれん?」
セツナは村の中心にあるポータルを指差す。
それぞれの石碑によって異なるのだが、平均的に幅40cm、高さが4m、厚さが20cm辺りの長方形型の黒っぽい石碑が4つ等間隔で四点を作り、点を結ぶと綺麗な四角形を描く様に佇んでいる。
「はいよ。」
またも台詞が被る2人。
お互いの顔をバチバチと睨みつける。
そんなやり取りをしていると駆け寄ってくる龍神がいた。
「お前ら、旅はもう終わりか?」
金色の短髪で逞しい上腕二頭筋を携えた男が嬉しそうに近寄る。
「あっ!ライデル兄さん?」
セツナは目立つ上腕二頭筋をみて確信する。
ライデル兄さんだったのだ。
迅雷のライデル、齢が3000歳の若手龍神会の猛者の1人。
特徴は、速さは筋肉から生まれるを訓戒にして修行に励む変人、嫌、思考が極端な偏人なのだ。
「セツナにトワ、お前、こんなに立派になって。」
セツナの頭をくしゃくしゃにする。
「一年前に会ったばかりじゃん。ライデルにぃ。」
トワは、少し苦手のタイプだった。
筋肉馬鹿だったら誰とでも仲良くなれるわけではないのだ。
今も幼少期なのだが、10歳の頃、一回殺さかけているのだ。
ライデルにぃに修行をつけてもらった時の苦い思い出があり、昔から苦手意識が強かった。
性格は明るくていいのだが、めっちゃ馬鹿なのだ。
人間性が異次元でぶっ飛んでいる。
10歳のトワに雷撃を流して高速に筋肉を震わせる、ライデルマッチョをくらってから見る目が変わったのだ。
本当に筋肉が千切れるかと思った絶叫した思い出のお兄さん。
「いやー。トワ、お前やっぱり凄えな。昔から見込んでた事があるわ。俺のライデルマッチョ、何故か皆んな意識が飛んでいつも会話出来ないだけど、お前は何とも無かった。その潜在力はやっぱり、エヴァンかな?羨ましいぜ。たった一年でも見違える位つよくなってさ。すげぇよ。」
ライデルは泣きそうにながら昔話を語る。
「いゃ、、ライにぃに。それは泣くような美談ではないよ。」
トワの顔がひきつる。
「そんなに、強くなった今なら、トワ、ライデルマッチョ、、」
「あっ!!セツナにぃにから、頼まれてる急ぎの用事あるから、バイバイ。」
トワはライデルにぃの話を遮り、ネオの首根っこを掴んでゲートへと突っ走る。
「へっ?そんなに忙しく行かなくても?」
ライデルは、刹那的な速さで立ち去るトワを見送る。
「ライデル兄さん、ありがとうございます。いつも妹の面倒みて下さって。また、よろしくお願いしますね。私も用事あるので、これにて。」
セツナはニタニタとした笑みを浮かべてライデル兄さんの横に立ち、トワを見送ると、ナツとフユ2人を先頭にしてライデル兄さんに別れを告げる。
最後のお使いの使命を果たすためにキプロス探しへと旅立つのだった。




