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白の守護者



〜次の日、朝の食卓〜

「トワ、調子悪いんか?」

セツナは、朝ごはんを食べないトワが心配になる。

「うん。」

ずっと焼き立てのパンを見つめるトワ。

「どこが?」

セツナはトワが風邪をひいたのかと聞く。

「うん。」

また、頷くトワ。

「えっ?風邪なの?」

再び聞くセツナ。

「うん。」

話が耳に入ってこないトワ。

「もぅー。まったく。」

話を聞いてない事に気が付いたセツナはおもっきり頭を小突く。

「イタッ。えっ?何?」

やっと目と目が合い話ができるトワ。

「だから、調子悪いんか?」

三度目の正直で問いかける。

「何ともないよ。ちょっと変な夢を見ただけ。カルムのジャム美味しい!!」

*カルム、冬に実る薄黄色の果実。少し甘酸っぱい。

トワは目の前にあるホクホクにあったかいパンを手に取りジャムを塗って頬張る。

「ハハっ。トワが朝ごはん食べないから心配したよ?ワシも。」

不調の原因が夢だとわかり安心するマグン大伯父様。

「そんなに気になる夢でも見たのか?」

セツナはおかわりのパンを皿にとりトワに話を聞く。

「聞いてくれる?」

トワはジャムがたっぷりとついた口で話をはじめた。

「えっとね、白いローブとランタンを携えたお姉さんが、夢に出てきたの。」

トワははっきりと覚えている夢の詳細を2人に聞かせた。

時間が止まった不思議な空間での出会いを全て語り尽くした。

「多分、それは。」

マグン叔父様には心当たりがあるようだった。

「叔父様、全てはまだ伝えない方がいいかも。」

セツナも何か確信めいたものを掴んでいたのだ。

「何故、お前が知っている。」

マグン叔父が一番驚く。

「これです。」

机の上の砂時計を掴んで凍らせてみせた。

「まさか、そんな。お前がそうなのか。」

マグン叔父は片手で口を塞ぐ。

「トワ、そのお方はマグン叔父様の姉君よ。間違えなくね。」

セツナからトワにその女性の正体を伝える。

「ワシもそう思う、彼女は次元を守護する龍神だったのだよ。きっと、彼女の言葉には意味がある。無駄事などしない、聡明な姉貴でしたからね。」

マグンもセツナの予想に同意する。

「おばぁちゃんには見えなかったけどな。そういえばマグンじぃのお姉ちゃんって、名前、何だっけ?」

トワからしたら、そんなに歳を重ねたおばあちゃんには見えなかった。

「名前は、フリズだよ。それは、きっと。老けない、、」

マグン叔父様の話を遮ってセツナが、

「夢だからきっと若かったんだよ。」

セツナが無理矢理話を纏める。

「ねぇ、フリズばぁばは、何処にいるの?」

トワはマグンに聞く。

「彼女は、もうこの世には、いないんだよ。お星様になっちゃった。」

マグン叔父様は少し懐かしくも寂しく答える。

「そうなんだ!なんか、不思議な感じだったなぁ。初めて会った気がしないし。柔らかい雰囲気の人だった。実際、優しい人だったの?」

トワはフリズ大叔母さんの話に興味が沸いていた。

「ワシのねぇちゃんは、恐ろしかったよ?神術の使い方が匠でさ、ワシが少しでもサポート失敗したら、ボッコボッコにするわ。磔にもされたり、兎に角、修羅姫って呼ばれてたな。ワシは神術より神格が得意だったから戦神と修羅姫で魔族から怖がれてたな。」

大笑いしながら、少し昔話を2人に聞かせる。

「ちょうど、第3神魔大戦の真っ盛りだったからな。ワシらが活躍してたのって。大体、四万年前よ。第1次は時期が不明なんよな。ワシすら知らん。あったらしい程度。第2次が10万前よ。誰もが知る一番の歴史に残る悍ましい、神魔分界したのが2次。分離した衝撃で全く関係ない世界とも繋がりを持つようになった日でもあるな。アルーマの文明がまだ、石器時代の話よ。そんで、3次がちょうど、お前らがお土産話でもってきた、666事件が有名かな。」

マグンは、トワにさらっとおさらいをさせる。

「何がそんなに事件なの?666ってさ。イマイチわかってないんよ、私。」

トワは戦争中なら行き来があって当たり前で、そこまで有名な事件になるのか不明だったのだ。

「簡単な話よ。魔族ではじめて、神族会議ユフテニアに参加したんだから。」

そこからは、セツナが話を引き継ぐ。

「当時、ユフテニアは665人のネームドクラスが集まって会議をしてたら円形のドームのど真ん中に奴が、666が現れたんよ。ありえないだろ?当時、最高のセキュリティを敷いていた議会に乗り込むなんて、最悪な事に奴が残した痕跡は、はっきりと今でも残ってるわけよ。司会席の真横に置かれた聖なる炎、聖火が安置してる真横にね。」

セツナは不機嫌そうに666事件を語る。

「今回、何となくやけど、謎が解けた気がする。666が精霊でしかも、自我持った瞬間に力が暴走したんやろうな。そんで一番力が強い炎に引っ張られてやってきたと。ほんまに、迷惑な奴。どんだけ、神界がびびったか。魔族、しかも魔神クラスが無条件に侵入出来る事実は、当時、敗北を意味したからな。」

セツナは今までの話を振り返り一つの謎が解けた。

謎解きするには、時間が経ちすぎていたのだが、あれから試行錯誤を繰り返して今の結界があるので、ある意味、技術を進歩させる起爆剤として666は生まれたのかも知れないと思う事にした。

実際、あれ以降、666は此方に来れないわけで技術の進歩は凄いものだなとあらためて感嘆する。




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