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炎の夢2

~アルーマ北の大地~

「危なかったな。」

ネオは身震いする。

間一髪の脱出だったのだ。

「もうちょい、戦えたのに。」

少し不満なトワ。

「いやいや、限界よ。」

疲れ切った顔のセツナ。

「ほんでさ、ここ何処?」

ネオは切立つ山々を眺める。

草木何一つ無く風が山を切り裂く音だけが聞こえる。

「多分、多分やけどオルガ山脈かな?」

4000m級の山脈が延々と続いているその中で、ひと際目立つ山を指を指してセツナは答える。

9999mの山がそこにはあった。

その山の名はオルガ、この山脈の名前の元となる山が荘厳な姿で佇む。

「懐かしいね。おーい。」

トワは大きな声で叫ぶ。

透き通る様な綺麗なトワの大声が山々に轟く。

やまびこが、夏の山を揺らす。

「きゅうー。」

「くるくる。」

遠くから恐ろしい速度で巨体の影が近づいてきた。

良く見ると2つ影が見える。

「化け物?」

ネオはびびる。

「ちがうよ。おいでー!!!!」

トワは大きく手を振る。

ヴォルケとリヴァが二人の神気を感じ取ると光速でやってきたのだ。

「こいつらこんなに早く飛べるの?」

南のコル砂漠から北のオルガ山脈まで遠いのだ。

海を越えて飛んできた二匹に驚く。

「んっ?龍だよ?当たり前じゃん。」

トワはネオの問を逆に不思議に思う。

「ああああ。。」

ネオは種族間のギャップをまた一つ感じた。

やっぱりこいつらは神族なのだと。

「さて、どうすか。」

セツナは666の目的を知り、どうすべきか答えが出せなかった。

敵はあまりに強大過ぎるのだ。

恐らく、父上達が此方の地上にかまっていられない位、境界が不安定なのだろう。

666の目的が境界を無くすと分かった今、既に敵の仕込みが動き出していて、その対応に上の人たちは対応に追われて、全てが後手に回っている絵が見えた。

「666って優しんだね。」

トワ、ポツリと666を見て感じた事を喋る。

「多分、あの瞬間やろうと思えばやれたよね。」

ネオでも解った、殺意ある魔気に潜む生け捕りにしたい意図は伝わっていた。

666に掴まれた喉を触る。

まだ、彼の手のひらの熱さが残っている。

「優しいというか、やっぱり魔族だなって思ったよ。」

セツナの目には、自分の欲求に素直に従う欲望に従順な魔族でしかなかった。

「そう?あっ、ネオたん、多分化けるよ。その力。」

トワは、ふーんって感じで軽く返事する。

やってきたヴォルケに跨る。

ある気づきをネオに伝える?

「年上やぞ。わしとタン呼びは舐めすぎな。ので、どうゆう事?」

ネオは、年下のトワからのタン呼びにキレる。

それよりも、もっと気になる言葉を聞く。

「はんぱつよ。ネオたん。」

トワは、大笑いして夏の空を味合う。

「えっ?パンツ?聞こえない?」

ネオは最後の言葉が聞こえなかった。

自分のズボンを覗いてパンツを見る。

意味が分からかった。

「俺もイマイチ、よく解ってないんやけど?トワ?」

セツナはリヴァを撫でる。

今回も自分がネオを乗せるのだと悟る。

「それより、次よ。次。どないするんよ?」

ネオは不安混じりの言葉で話しかける。

「一回、故郷に帰るかな?近くまで来てるしね。ナツとユキいるんでしょ?」

セツナはネオの問いに答える。

「はっ。」

ナツとトワが岩の影から現れる。

「わぁお。竜人?」

ネオは全く気配を感じなかった。

オルガ山脈を超えたまだ雪が残る山々の果に竜の里があるのは知っている。

知っているが、お迎えの対応が早いことに驚く。

「いつからおったん?」

目がキョロキョロするネオ。

中々の別嬪さんの双子の姉妹がそこにいた。

「この子達、お出迎えじゃなくて、支援と子守役よ。」

セツナは軽く自己紹介を2人にさせる。

「ナツ、30歳の火竜です!トワ様の子守やってます。」

「フユ、30歳の水竜です!セツナ様のパシリです。」

「わぁお、ナツさん、それはお疲れ様。」

ネオはナツさんに激しく同情した。

明らかに負担のかかり方が偏ってると感じたのだ。

「2人ともお疲れ様だよ?フユさんはかなり私の無茶振りに付き合ってくれてるし。」

「嫌、精神的負担は、絶対、ナツさんやろ?」

ネオはナツさんに目を向ける。

激しくうなづくナツ。

「そう?」

セツナはイマイチ差は無いと思っていたのだ。

「実際、頼み事は私の方が多いよ?」

セツナは捕捉する。

「どういうんかな?難しいな。暴れん坊の直感タイプと理論派だと、理論派のが予測がしやすいって感じ?ワシの師匠付き合い長いから余計にナツさんに気持ちが入ってしまうだけかもしれんがさ。」

ネオは自分の経験から来る体感的な話をする。

直感はさっきまで右を見てたのに急に左に行くのだ。

突拍子も無く突然の動きに振り回される身になって知った。

真っ直ぐな歩みは素敵なのだが、あまりにも感情的なのだ。






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