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旅は続く1

〜コーネル王国の王宮〜

「いででっ。」

右目が黄色、左目が紫のネオは痛みでのたうち回る。

「お前、ほんま情けないわ。私の弟子なら、センス良く使いこなせないもんか?」

グレンはネオの中で暴れる神気を滑らかに体内を巡回するようにサポートをする。

サポートはするが、激しく神気と魔気がぶつかり合い、摩擦が生まれているのかネオの瞳孔が収縮を繰り返す。

「あかん。死ぬわ。マジで死ぬ。燃える様に熱いわ。」

ネオはひたすら耐えるしか無かった。

暴れ牛が飛んだり跳ねたりしている衝撃が絶えず襲ってくる。

魔気が定着しており完璧に除去が出来ないために、神気を抑えて消す事ができなかった。

誰も魔気を扱える訳もなく、神気だけで何とか緩和出来ないか試行錯誤を繰り返す。

「ほんまに下手くそか?自分の魔気やろ?なんとか抑えなよ。」

グレンの厳しい言葉が飛ぶ。

「昨日、初めて触れた未知の物を支配出来たら、こんなに苦労しませんよ師匠?イデデ。」

ネオは大粒の涙を溢す。

「なんか後一息って気はするんだよね。」

セツナの見解。

「真気をもう少し厚くしてみる?」

コリンがセツナに続いて口を開く。

「いや、ちょい待って閃いた!」

セツナは腰巾着からマッチを取り出して擦る。

「えっ?」

グレンが魔気を察して振り返る。

魔術。

『滅びの燈火。座標通知。空間転移。小さな火。』

発動、魔火。

法術。二重詠唱。

『次元操作小。空間指定。転移。入。』『次元操作小。空間指定。転移。出。』

マッチを擦った火がついた状態で自分の法術で作った空間にマッチを放り投げる。

「んっ?」

グレンはセツナの暴挙に身構えるが、理解が追いつかなかった。

入のゲートは目の前にあるのだが、出が無いのだ。

666の強い気配が感じたのは一瞬でゲートに放り込んだ瞬間に途切れた。

「セツナ君、何処に飛ばしたの?」

コリンは法術眼鏡を取り出して入の空間を凝視する。

「んっ?聖域!」

セツナはにっこりと答える。

セツナの実家の物が欲しい時にこっそり法術だけでも出し入れ出来る様に感知石を部屋に仕込んでいたので、次元が異なる場所ですらピンポイントで座標を絞り出す。

666が転移しようとした瞬間を狙い、そのまま聖域に放り込んでやったのだ。

聖域の濃い神気で666の魔気を一瞬で浄化して鎮火する。

空間に放り込む直前に漏れた極微量の純粋な魔気を真気で包み込む。

「やった。大成功だわ。これを元にしてさ。ちょっとだけ真気を汚染させて。」

セツナは顔いっぱいの喜びが弾ける。

魔術。

『滅びの燈火。時の鎖。鈍化。呪言。付与。同化。』

発動、時の牢獄。

「どうよ?ネオ、落ち着いた気しない?」

セツナは微かな魔気をネオの身体に溶け込ます。

紫の気はポヨポヨと空間を漂い、ネオの心臓付近に落ち込むと、呪いが刻まれた。

「多分、本来の呪の使い方じゃないけどさ。これでかなり扱い安くなったんじゃい。」

真理の目で身体の中に暴れ回っていた二つの力が緩やかな流れに変化した事を確認する。

「うーん。なんか複雑。神族が呪を使うとは。」

グレンは嫌な顔になるが、確かにネオの中にある禍々しさが和らぐのを感じた。

「使うと言うより、拝借したと思って下さいよ!」

セツナは初魔術に興奮している。

「あのー。もしかして、ワシ、弱ってるかも?」

ネオは自分の中で息づく神気を練ると魔力が邪魔をして以前のパワーに比べたら半分になっていた。

「あと、、、視界が変な感じする。てか見にくい?ほんまに何なんやろ?」

ネオの左目半分が霞んで見えていた。

やっと落ち着いた場所にいる事で、過去を振り返る。

結果として、父親の復讐を果たした訳だが実感が何一つ持てずにいた。

全ての感情がただ中途半端に空に浮かんで漂うようにふわふわと行き場を無くして彷徨っていた。

痛みが和らぐと気分が落ち込んで、切なさが心に影を差し込む。

「元気出せよ!まぁ、何だかんだで被害者って分かってるよ。なっちまったもんは仕方ない。」

そんな落ち込んでいるネオを見てグレンは、おでこにデコピンをする。

「イテッ。」

ネオは、おでこを摩る。

「王族に魔族とは、中々どうしたものか。」

シュティムは少し頭が痛かった。

人族の敵である魔族が王族にいるとなると、他の国もだが、何より国民に何と説明をすべきか悩んでいたのだ。

「正直に話すってのも手じゃない?」

コリンは、魔気を帯びた気絶したネオを見ても何一つ驚かず、ありのままの姿を受け入れた。

神魔磁力論を考えていた事もあり、いつかはこうなる日が来る事を覚悟していたのかも知れない。

神気と魔気を両方帯びていた事に1番驚いたのだ。

未完成だった理論が、目の前にある感動たるや、鳥肌が止まらなかった。

ただ、かなり不安定なのは直ぐにわかり、苦笑いするセツナの顔から応急処置として対処した結果なのだと理解した。

「ねぇねぇ、家出しちゃえば?」

トワはふと思い付きを口にする。

「あぁー、なるほど!」

セツナは頷く。

「んっ?」

グレンとネオとシュティムとコリンは顔を傾ける。

「トワは、私達と一緒に旅をすべきだと誘っているんですよ!多分だけど、ネオの左目は、魔眼に近いものかもしれません。ほら、これとか。」

セツナはマッチ箱を取り出す。

「おぉー。666って歪んだ数字が見える。」

ネオは驚く。

右目だけだと、紫色の魔気が、左目だけにすると、数字が浮かび上がりより濃い魔気の流れが感じ取れたのだ。

「私たちの感じる感知力より強いのかも。だから、王族から離れて冒険者に転職しちゃいましょうよ!魔族の受肉は事実として広めて討伐するために、ネオ。」

セツナは自分達の旅の仲間にネオを誘う。

「いやぁ、、」

少し申し訳なさそうに、チラッとトワん見る。

罪悪感があったのだ。

間違えなく殺す気満々で抱いた殺意は間違えなく心から願っていた事もあり、素直に頷く事は出来なかった。

嬉しさ半分に、照れと恥ずかしさが半分気持ちをわけっこしていたのだ。

目が覚めた世界は少し甘酸っぱい味がしたネオ、小さく頷く。

「まぁ、しゃーなし、付き合ったるか。仕方なしやで?」

ネオは鼻の下をそっとポリポリとかく。

「良し、決まりやな。」

セツナは、純粋に嬉しかった。

「ネオ、たのしぃ、旅!」

トワは目がまだウルウルしているネオに力一杯抱き付く。

「あっ。死ぬ。」

メキメキと軋むネオ。

「ハハハ。」

それを見て爆笑する一同。

誰も助けようとはしなかった。

こうして、セツナとトワとネオの旅は続く。

666を倒す旅が新しく始まったのだ。

本当は、グレン姉様も一緒に来て欲しかったのだが、魔王の受肉に国民が不安になりまた国が荒れるのを防ぐため国に残る決断をしたのだ。

魔神の降魔はなるべく秘密にして噂の火消しにシュティムやコリン達が対応して貰う事に話し合いで決めた。

それと、グレンは神族会議に参加するためにお別れとなってしまった。

今回の騒動の報告を私達の分も含めてお願いをしたのだ。

それほど、魔王や魔神達がアルーマに与える影響は大きいのだ。









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