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意思を継ぐ者7

「リヴァ、あっちはいいのか?」

一羽ばたきの軽い飛翔でやってきたリヴァにセツナは呼び掛ける。

「くぅる。」

リヴァはこくりと頷く。

「あぁー。。解ったわ。お前ら兄妹、エヴァン一族か。」

666は龍と並び立つ龍神族のセツナをジーっと見つめて全てを理解する。

今回の計画のイレギュラーの正体をはっかりと認識すると、新しく地獄の扉を作り直す。

「くそっ帰るか。パチンっと指を鳴らす。」

666はくるりと踵を返すと同時に4と13を瞬殺する。

魔術。二重詠唱。

『滅びの燈火。座標指定。空間固定。認識阻害。獄炎。業火。圧縮』

発動、滅びの讃歌(死者の讃美歌1番)

セツナにグレンと4、13の2方向にむかって強烈な魔術が襲いかかる。

セツナは完全に消し去れ無かったがグレンの神気で打ち破れる所まで弱体化させる事で乗り切れたが、魔神サイドの2人はあっという間に紫の光の柱へと変わり果てていた。

「まぁ、最低限の予定は達成出来たし。良しとするか。」

瞬殺した魔神族の光の柱を見て、地獄の扉へと歩みを進める。

「えっ?そのまま素直に帰れるとでも?」

セツナはこちら側に振り向きもしない666を呼び止める。

「勿論、帰るよ。疲れた。パチン。」

左手を高く掲げてもう一度指を鳴らす。

「ぎゃぁぁぁー。」

ネオの雄叫びが響き渡る。

「坊主、私に構う余裕無いだろ?とっとそいつを連れて帰りな。」

666、指を鳴らした手で軽く左右に振りさようならの合図をする。

「ちっ。とことん、性格悪いなお前。」

セツナは思わず舌打ちをする。

「それは、ありがとう。最高の褒め言葉だよ。」

666は、赤い炎から青い炎に切り替わるとちらっと、炎の顔が振り返る。

凄く嬉しそうににっこり微笑む。

「魔族、だからね。」

666は、笑いながら門の中へ消えていく。

「くっそー。。くそッくそッ。」

セツナは地獄の門を破壊すべきかネオの救助するべきか天秤にかける。

「全く、世話が焼けるネコやな。」

セツナは、壊れた門へ瞬間移動する。

やはり、仲間であるネオを助ける道を選んだ。

「バタン。」

漆黒の門が閉じると跡形も無く消えていく。

こうしてコル砂漠での闘いが終結した。

根本的な根深い問題を解決出来ずに終わりを迎えた。

「さて、グレンさん。こいつ持って帰って下さいよ?私は嫌ですよ?ふーっ。まだ、試作段階だから怖いんだけどやるか。シュティム姫少し離れて下さいな。」

神術。法術。二重詠唱。

『水龍の刻。魔気浄化。神術磁力プラス強化。付与。』『真気磁力マイナス強化。付与。極薄保護膜。同化。魔気神気不可侵。』

発動、神魔磁力同化。

強すぎる魔気を浄化により弱体化。

ネオの中にまだ残っている弱った神気に強い磁力を付与。

魔気N極と神気N極がぶつかり合う境目に薄い真気を注ぎ込む中和反応が起きる絶妙な厚さにS極が付与された真気を生成する。

常に魔気と神気がぶつかり合う中で新しく生まれる真気にS極の付与を継続する。

常に境界が生まれ続けて二つの力を引きつける。

「上手くいったかな?」

セツナは真理の目で魔気と神気と真気がネオの中に対流しているのを確認する。

決して混ざり合う事の無い二色の気が激しく体内を駆け巡る。

「ぁぁぁああ。」

ネオは激痛に雄叫びをあげてまた眠りにつく。

「あっ。神気と魔気って体内でぶつかると痛いのか。また帰ったらコリンに教えて上げよ!」

セツナはまた新しい知見を得た。

「ネオ?ネオ?」

シュティムお姉ちゃんがネオを激しく揺さぶる。

「ありがとう、セツナ。」

ゆっくりとした足取りでグレンが歩み寄る。

「いえいえ、それより。この事秘密にして貰えませんか?他の皆んなには。」

セツナはシュティム姫とグレンにお願いをする。

父親から刻まれた帰還の術式が発動しない事から、どうやら今回の件についてはペナルティは無く免除してくれたみたいだった。

だとしたら、旅を続けたいとセツナは望んでいた。

今回の黒幕を全てグレン1人で倒した物語で国民全てに知れ渡る未来を望んでいたのだ。

セツナにとって父親から許しが出た旅だとしても英雄だの持ち上げられてしまったら、本当にもう旅は続けられないと思ったのだ。

そして何より、666にやられぱっなしは嫌だったのだ。

最低限の目標という言葉に引っ掛かっていた。

666が本当に成し得たい目的がわかるまで旅を続けたいと強く心に誓った。

「んっ?勿論だよ!我らが神族を統べる王子様とお姫様。堅苦しい言葉苦手だからお辞儀だけでも許してよ?」

グレンが深く頭を垂れる。

「そんな、今まで通りでいて下さい!皆さんとは戦友であり仲間なんですから!」

セツナは驚く、まだまだ子供の自分に頭を下げて挨拶するグレンの姿に恥ずかしくなる。

正直、たまたま親が全神族を取り纏める偉大な存在なだけで、経験も知識もそして何より鬼神族の次期当主であるグレンの存在は格上なのだ。

「そうだよ!グレンねぇは、わたしにとって、ねぇねなの!」

トワは龍神化を解除して元の姿に戻る。

「はいよ!よし、じゃあ帰るかお前ら。」

グレンは残った壊れた門を叩き潰してネオを抱き上げると皆んなに呼び掛ける。

「あまり、良く話が理解出来て無いのですが、、とりあえず帰りましょうか!帰ったら目一杯ご馳走食べましょ!」

憔悴しきったシュティムは立ち上がれずに座り込んだまま腹ペコのお腹をさする。

もう、時刻は夕方になっていた。

砂漠の西の彼方に真っ赤な夕陽が照らす。

夜の世界に太陽は存在しない。

昼の世界に星空は存在しない。

ネオの中に潜む光と闇も決して混ざり合う事は無い。

目覚めたネオには、この世界は何色に見えるのだろうか。

父親が成し遂げたかった国の平和という意思を継いだネコの王子の復讐劇はこれで幕引きを迎えた。

〜第一章 光と闇編 完〜










ここまで読んで下さった皆さん本当にありがとうございます。これで、ひとまず第一章は完です!次回からは第二章に入ります!是非お楽しみに。

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