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意思を継ぐ者5

魔界の扉が開くと一瞬で暗闇が辺り一面全体を覆い巨大な666本の蝋燭が砂漠に生える。

『えっ?』

扉を生み出したハキムが一番驚く。

「はぁ、全く遅いんだよ。」

扉の奧から聞き覚えのある足音が聞こえる。

そう、奴が来たのだ。

真っ赤なネクタイに6の数字を刻んだ魔族が現れた。

「ハキム、お疲れ様。」

「なんでお前がそこから現れるんだ?そこは俺の物だ!」

余裕の笑みを浮かべている青い炎の顔をした魔族にハキムは叫ぶ。

そう、『666』が砂漠にやって来たのだ。

「簡単な話よ。ハキムさん、あなたが降臨する時に、贄の中に私の魔力を込めた私の部下を混ぜていたんだから。この扉は私の物でもあるんだよ。さて、諸君久しぶりですね。」

にったりとした笑みを浮かべて帽子を左で頭から外してお腹の辺りに構えてゆっくりとお辞儀をする。

「おや?中々、素敵なモノをお持ちですね?」

お辞儀を終えた666は何かに気付く。

「ぐぁぁぁぁああ。」

ネオが悲鳴をあげる。

それは、一瞬で起こった。

666が持っていた杖がネオの心臓に突き刺さっている。

「なんて、素敵な色。」

666はうっとりとした目でネオから溢れる魔力を見つめる。

「ぐぅぅうるるる。」

ネオのさっきまで黄金色をしていた毛並みが紫に染まる。

レイピアを持つ手が火傷しているのか少し煙が立つ。

ネオは杖を抜こうと駆け寄るトワの差し伸べる手を払いのける。

「何をしたの?」

トワが666を睨みつける。

「・・・」

シュティムは気持ちが悪い魔気が支配する空間に抵抗するだけで手一杯になっており、苦しむ弟をただ見つめる事しかできなかった。

「秘密です。ただ、彼の望みを叶えてあげただけです。ほら、この歪な魔気、素敵じゃないですか。ネオ、見せて下さい。貴方の力を。」

666は地面に座り込んでいるハキムを右手で指差す。

ネオに刺さっていた杖が、また一瞬で右手に戻っていき、杖の先端がハキムを差した。

「666、ふざけるな。俺の餌に手を出すな。」

怒りに狂ったハキムが、

魔術。

『永遠。闇。業火。螺旋。焼け付く炎』

発動、螺旋獄炎。

黒みがかった紫の炎が渦を巻いて666を焼き尽くす。

「はぁ、馬鹿だな。選択ミスだよハキム。」

666は哀れみを持った言葉をもう聞こえていないハキムにかける。

「・・・」

ハキムは油断していたつもりは無かった。

敵の間合いをしっかり把握した上で一番近くにいた666を処理する決断をしたのだ。

言葉を発する余裕も無く激しい痛みと共に視界が暗くなる。

ハキムの心臓をレイピアで深く差し込み跡形も無く浄化するネオの姿がそこにはあった。

「ぐぅるるる。」

泣き叫ぶネオ。

恐らく理性が吹き飛んでいるのだろうか、錯乱した苦しそうな雄叫びをあげる。

ネオの復讐が完結した悲しい瞬間となった。

「ネオ、だめ。。戻ってきて。」

大粒の涙が溢れ出すシュティム。

「くぅるるる。」

シュティムを魔気から守るため、ヴォルケとリヴァはシュティムに寄り添い神気で守護する。

「この、刺激だと強すぎでしたか?」

666は渦巻く炎を簡単に消し去り、そのまま心を魔に支配された猫の王子に近付く、暴れるネオの頭を掴んで自分の魔気を注ぎ込む。

「どうですか?」

666は少しずつ、理性を取り戻すネオに語り掛ける。

「はぁ、なんて素敵なんでしょう。頭の中のモヤモヤが全て消し去れて、しかもこの溢れる力。最初からこうすれば良かったんですね。」

ネオは自分の身体の中を渦巻く魔気に酔いしれる。

手がズキズキと痛むが使い慣れたレイピアを鞘に収める。

「ネオ?大丈夫?」

トワが心配そうに呼び掛ける。

「トワ、ありがとう。私は大丈夫だよ。ほら見て下さい。」

ネオは右手をお椀型に構えて、

魔術。

『愛すべきモノ。永遠。小さい炎。』

発動、魔火。

禍々しい、真っ黒な炎が手の平にゆらゆらと燃えたぎる。

「自分の力で復讐出来ました!トワ、凄くないですか?魔王を倒したんですよ?」

満面の笑みで嬉しくて仕方ない声でトワに喜びを伝える。

「ううん。ネオ、それは、、間違ってるよ。」

トワは何度も首を横に振る。

トワの心は666に対する怒りで腑が煮えくり返っていた。

「えっ?何処が間違っているのですか?私の気持ち理解してくれないの?」

ネオは、殺気をトワに向ける。

それなりに、一緒に旅をしてきた仲間と思っていた人から拒否された気持ちが魔気に触れた心では、殺意に変わってしまったのだ。

「私はあっちに行きますね。」

そのやりとりを見て666は、魔神達の方へ歩いていく。

〜魔神、グレン側〜

「お前、これ何処から、お前の仕込みなんだよ?」

こっちに歩みを進める666に対して13は叫ぶ。

「えっ?」

666は、ニタニタと笑いながら、また正三角形の立ち位置を生み出した。

「まじで、腹立つわ。結局、お前の手の平に乗せられたわけだ。最初から。」

4は乱れた髪を掻き上げて、砂漠に唾を吐く。

「お前ら、一旦黙れ。」

グレンから恐ろしい程濃密な神気が溢れて、666と13、4にその全てをぶつける。

「うちの可愛い弟子に、何手を出してくれてんの?お前。」

特に、666に対して殺意を突き刺す。

「私は正しい道に案内しただけですよ?受け入れる判断をしたのは彼なんですから、私を責めるのは間違いですよ?鬼姫様。」

自分のやった事を正当化する666。

「はっ、詭弁だな。」

グレンはそんな説明に納得する筈も無く。

真っ先に陽炎で666の横っ腹を殴り吹き飛ばす。

「凄っ。」

666は、グレンの縮地に気がついたが避けるより先に棍棒が腹を抉る。

奥の砂丘が一つ消し飛び体が砂漠に埋もれた。

魔術。

『滅びの燈。種火。座標固定。移動。』

発動、瞬間移動。

セツナの隣に種火が生まれた、その座標に666は飛ぶ。

「きもっ。」

魔術の展開を感じ取り、グレンの側に

法術。二重詠唱。

『ゲート。座標固定。入』『ゲート。座標固定。出。』

発動、瞬間移動。

時空を歪ませて666の種火から離れるセツナ。

「そんなにビビらないで下さいよ。鬼姫にセツナ君、あなた方には感謝してるんですから。あっ?マッチ返して欲しいんですけど。」

返して欲しそうに左手を差し出す666。

「なんか、癪に触るから返さない。」

セツナは神経を研ぎ澄ます。

魔術の展開による魔火を使った瞬間移動に気付いたセツナは、敵の分析をはじめていたのだ。

666は間違えなく火に属性がよっているため、グレンの火と同系統、よって純粋な力比べの戦いになる場合、こっちが不利と感じていたのだ。

13と4にも気を使いつつ、666の処理なんて出来るわけが無かった。

「はぁーー。ねぇ、私達もコイツに嵌められた側なんよ。お兄さん手を組まない?」

4は深い溜息をついて、腕を三角形に折り、両手を腰に置いたままチラッとセツナと目を合わせる。

今、この瞬間、さっきまで敵だった13と4の魔神組とグレン、セツナのコーネル王国サイドの利害が一致した。

「こいつを、まず先に処理しないか?その後に俺らの問題を解決すべきだと思うんだ。」

13も4の意見に賛成する。

666があまりにも異質なのだ。

受肉する事無く、何故、本体が目の前に降魔しているのか魔神の2人でも理解できなかったのだ。

例え、ハキムの構成する器に666の魔気が混ざっており魔界の扉を使えたとしても、本体がこっちの世界に受肉以外の方法で次元を超えて渡る事は不可能なのだ。

あくまで、扉は魔界からの魔気の供給しか出来ない。

簡単な話、それぞれの世界にはお互いが干渉出来ない様に障壁が張られており、魔界と聖域は元々一つの世界で魔界と聖域間の移動が以外と簡単に出来てしまう。

しかし、アルーマと魔界・聖域から移動は、全く異なる次元のため、神族は専用のポータル、魔族は専用なポータルを持たないがアルーマの世界から信者達の闇に落ちた魂をエネルギーにして擬似的なポータルと肉体『器』を、生み出す事で初めて、この世界に受肉が可能となる。

神族の場合は聖域で先に器を作り、魔神はアルーマで器を作る違いはあれど理屈はどちらも同じと言う事になる。

その常識を覆して666は何の犠牲も無く、すんなりゲートから受肉した姿を現した。

魔族が魔界の姿のままでアルーマに受肉せずに、もし次元を無理矢理捻じ曲げて降り立ったとしても魔気が薄すぎるアルーマで生きていけない、一瞬で塵と化す。

息が出来ないのだ。

これは神族も同じである。

「どうやって、ここにいるのか。知りたいのですか?」

666は両者からの鋭い視線に応える。

しばらく、じっと黙ってからやっと口を開く。

「教えるわけが無いじゃないですか。」

小さく人差し指を、可愛く振る。

「だよな。」

セツナは頷くと、

法術。二重詠唱。

『水。水。水。水塊。』『水。水。水。水塊。』

発動、海。

『海。津波。』

発動、大海波乱。

「とりあえず、いっぺん沈もうか。」

セツナは砂の世界に海を創り出す。

全員を地面から浮かす。

宙に逃げる666をグレンは鬼の目で捕まえる。

「逃げんなよ。」

グレンは水面に叩き付ける。

魔術。

『龍言。ブレス。-20度。冷気。』

発動、絶対零度。

13は大きく息を吸い込むと冷たい冷気を吐き出す。

「いつまでその余裕続くのかな?」

セツナが創った海を13は氷河に変える。

魔術。

『毒は薬。座標指定。重力展開。下へ。』

発動、重力の鎖。

4は666の落下速度をさらに加速させる。

「くたばれ。」

4は666の動きをさらに硬直させる。

666も負けずに抵抗するが、4人同時に展開された術式を書き換える余裕は無かった。

激しく氷河が割れて破片が飛び散る。

割れた尖った破片がさらに重力に引っ張られて666に突き刺さる。

「これでお終いよ。」

グレンの巨大な陽炎が666を粉砕する。

あまりにも強い衝撃に氷が溶けて蒸発して溶け湯気が立ち込める。

「やれたかな?」

セツナは湯気に目を凝らす。

グレンの立っている影は確認出来たのでほっと安心する。















休みの前の日に一気に話を作るので、朝がめっちゃ寝不足です。コツコツと毎日話を書きたいのですが、難しくすいません。今週は、雨が振る地域が多く通勤と通学大変では無かったのではでしょうか?雨にも負けずに頑張りましょう!ては、二度寝します。

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