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意思を継ぐ者2

〜食堂〜

食卓には、鬼神族のグレン、竜人族(龍神)セツナとトワ、獣人族ネオ、王女シュティム、王子コリン、名ばかり女王(王権を全て娘に譲ったただの医者)ジュリムの7人がはじめて揃った。

「シュティム、珍しいじゃない私を呼ぶなんて。」

ジュリムが紅茶を飲みながら落ち着いたそぶりでおやつをつまむ。

「お母さん。。仕事着のまま来たの?」

シュティムは母親のマスクを顎に引っ掛けたままの白衣の姿に驚く。

母親はシュティムと同じ金髪で目がくりっと開いた明るい顔つきで、働き過ぎなのだろうクマをこさえて会議に参加していた。

「皆んな揃ったかな?」

グレンはテーブルについた皆んなを見渡す。

「せやな、師匠。」

ネオは頷く。

「グレンさん、皆んなを呼んだのは、そのハガキの件かな?」

セツナは未開封の真っ赤な封筒を見つめる。

「アカいハガキは良い想い出ないよ?にぃに。」

トワが珍しく渋い顔をする。

それもその筈、トラブルメーカーのトワと赤いハガキは親友なのだ。

「ぐーっ。すやすや。」

席に着くなり、コリンは机に倒れ込み熟睡する。

間違えなく夜更かしをしたのだろう。

屍並みに深い眠りに落ちている。

コリンの特技、眠りに耳を発動していた。

脳は休憩させつつも耳からの情報を拾い記憶しとくのだ。

会話には参加しないが、内容は起きてから理解する意味がわからない特技である。

「ほな、開けるで。」

グレンはゆっくりと赤いハガキを開ける。

『父だ、グレン、簡潔に伝える。コル砂漠に魔神の気配あり。詳細は以下に語る。コーネル街道でのハキムとの戦闘で、グレンの神気に魔神が気が付き砂漠に隠れた模様。現在、影犬15匹を使い探索中。神族会議ユフテニアに議題をあげたら龍神族からも全面協力して貰う運びとなった。蒼の海龍と紅の炎龍を貸し出して頂けるらしい。トワとセツナの竜人2人に対しても魔神狩りを命令する。全力を持って、魔神を狩れ。666との密約は無視して消し去れ。魔界と聖域の境、グルーが不安定。全員が警戒体制のため、これ以上の増援は見込めない、すまない。俺の娘なら出来ると信じている。鬼の誇りを持って粉砕せよ。』

*龍、神気を司る龍神族の聖域側にあるポータルを守護する守護龍。少し神気が使える。竜はアルーマに生息する最強の生き物。竜の上位体が龍。

*グルー、魔界と聖域の異なる世界が混ざり合う異次元。魔気と神気が混ざり合う事なく激しく反発し合い不規則に互いの世界に侵食し亀裂が生じる現象。魔界ではグルーから神気が吹き出し、聖域ではグルーから魔気が溢れ出す。この裂け目が大きくなると空間を超えてお互いの世界へ行き来が可能となる。不定期に活性期と不活性期があり日頃から互いにグルーを潰しまわっている。

*ポータル、聖域とアルーマを繋ぐゲート。聖域には20ヶ所ポータルがあり、龍神族は4ポータル、鬼神族は3ポータル、神族8ポータル、獣神族2ポータル、残りの3ポータルはほかの少数派の神族達が共通で使っている。アルーマ側のポータルは守護人を置いて人族と神族の交流が途切れない様に歴史を紡いできた。

「ぐぅぁぁぁああ!」

王宮の上空に轟音が響く。

「この声!リヴァとヴォルケだ。」

トワが嬉しそうに耳を澄ます。

あまりに巨大な龍なので気を使って遥か上空で2匹は旋回している様子だった。

「また、おや。。おお、大きな龍を派遣しましたね。」

グレンの親父の言葉につられて本音が少し漏れた。

龍神族の親父からの間接的なメッセージをセツナは受け取った。

リヴァとヴォルケはセツナとトワの一番の親友であり、心友なのだ。

リヴァはセツナと共に学び、ヴォルケはトワと一緒に悪戯を積み重ねてきた。

こいつらがそばにいてくれるだけで、勇気が溢れてくる。

竜人は龍に乗れないので、本当に今すぐにでも乗りたいもどかしさをグッと堪えてリヴァとヴォルケを送り出してくれた父親にセツナは感謝した。

この2体が来たメッセージは躊躇うなと受け取った。

手紙での短いやりとりであったが、封印を解く許可が出たのだ。

逆に捉えたらそれ程危険な敵という事になる。

「にぃに。全力だね!」

トワは、トワなりに父親の意思を感じ取っていた。

「ほんと、魔族の巣窟やな。コーネル王国って。どうする?」

シュティムはすぐにコル砂漠の詳細な地図を後ろの戸棚なら机にもってきた。

「魔神狩りは任せるわ。怪我したら治したるから、安心してケンカしてきな。」

ジュリアがマスクをつけて席を立つ。

「あっ。母上また丸投げ?」

シュティムが呆れる。

「だって腕力ないもん!コリンも在宅組やな。」

寝てるコリンを指差して王妃はウィンクして病院へと向かった。

「患者、ボコボコにする位強いのに。」

シュティムは呟く。

「今回の魔神狩りは鬼ごっこ。実際、666も自分なりに探りは入れてる筈、強欲の魔王に限っては完璧にライバルだし、かなり状況は複雑。最悪なパターンな強欲が魔神を狩る、次に666の手に魔神が渡る。それらを全て回避したベストは私達で消し去る。勿論、私はついてかないよ?」

コリンは眠りから覚めた眠い口調で話すとまた二度寝する。

「もっと最悪なのが、魔神2体の完全な受肉やで。」

シュティムはコリンの説明を補足する。

「本当にややこしいですね。魔神の受肉を阻止してハキムも消し去り666の邪魔をする。難易度高いなぁ。」

セツナは状況を整理すると深い溜息が出る。

「リヴァとヴォルケの寝床どうする?」

トワは天井より遥か上空を飛ぶ龍を指差して聞く。

「ちなみにどれくらいの大きいの?」

シュティムが尋ねる。

「8m。」

トワが自慢げに話す。

「王都の門番として野宿やな。そして出発は明日朝一(あさいち)な。」

それを聞いたシュティムは即決する。

それぞれ託された意思を継ぎ、一同は動き出す。

ネオは父親の無念を念い。

グレンはネオの悟りを想い。

セツナは父親からのプレッシャーが重い。

トワはヴォルケとの再会を純粋に思い。

コリンは夢の理論を叶える事を憶い。

シュティムは亡き父と平和を懐う。懐う(おもう)

決意を込めた夜がやがて朝を迎える。

旅立ちの朝がやってきた。













沖縄では、いよいよ梅雨入りらしいですね!この時期になると洗濯が中々難しい。浴室乾燥あるのですが、やっぱり太陽が好き私です。早く夏よ、来い!夏ってよりお盆休みが今から楽しみな私です。投稿遅くなり申し訳ありません。次回、ツバメはもう旅立つ。では、おやすみなさい。

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