853つのヒント
やっぱり気が付いていなかったみたい。
まあ、薄々そうだろうと思っていたけどね。
「で、どこに気付ける要素があったの?」
私がそう聞いたことで、エレンがネタバラシをしてくれた。
まず一つ目は、寝ている間に服を着替えていた事らしい。
普通は私が起きている間しか服を替えてはいけないという王族ならではの暗黙のルールがあるのだとか…
そして次はチェリニーが背に乗せてくれたことらしい。
チェリニーは、体を大きくするのにかなりの力を使うらしく滅多な時しか大きくならないらしい。
確かに言われてみれば、初めて会ったあのとき以来チェリニーの大きな姿を見ていない。
そして、最後にあのカビ臭い部屋の事らしい。
本来あんな場所はこの世界に存在していないらしい。
その理由は、この世界は衛生面に対してはとても素晴らしいかららしい。
それこそ知らないよ❗と言いたいところを、なんとか堪えて話を聞き終えた。
にしても、3つもヒントがあったのに1つも気が付かなかったなんて…
【まあ、ヒントはこんなところだな。 ほら、アメリが来たようだぞ、早く着替えると良い。 その間に我はハロルド、お前の父親に報告をしてくる】
エレンは、そう言うとドアを開けて出ていった。
そして、エレンと入れ替わるかのようにアメリは部屋の中に入ってきた。
「おはようございます、ミユキ様。 さぁ、着替えを始めますよ」
アメリは、早速今日の服を持ってきて私の服を脱がせ始めた。
今日の服はいつもとタイプが違って、いつものドレスやワンピースではなく、猫の着ぐるみのような服だった。
だが、顔の部分は出ているし、手も出ている。
そして何より、可愛い尻尾まで着いている。
「うわぁ、可愛いね❗」
私がきゃきゃと子供らしく騒いでいると、ドアをノックする音が聞こえた。
「?は~い」
私がそう返事をすると、一声かけてからお母様が入ってきた。
「おはよう、ミユキちゃん。 やっぱりその服は似合うわね」
お母様は、私の方に歩み寄りながらそう言った。
「あれ? お母様、その手に持っているものは何?」
私はふと気が付いて聞いてみた。
「ああこれはね、タポポちゃんやヌレバちゃん達の分も作ってみたのよ。 どうかしら、着てくれる?」
お母様は、小さな猫の着ぐるみ風の服を差し出す。
すると、すぐさまそれに飛び付いたタポポとヌレバが両手に持ってぎゅっと胸に抱いた。
【タポポ達の分もあるなんて嬉しいぞ❗】
【うん❗ ありがと、ミユキのお母さん】
タポポとヌレバは、そう言うと服を持ったまま私達の周りをぐるぐると周り始めた。
「ふふ、よっぽど嬉しいみたいね」
お母様は、にっこりと微笑んでそう言った。
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