78仕事優先です
話ながら家の中に入っていった私達は、気が付けばお父様の仕事部屋前まで来ていた。
「さあ、続きはお父様にも教えてあげてね」
お母様に背中を押されて、仕事部屋に入るとお父様が仕事をしていた。
でも、今日のお父様はいつもと比べてとても忙しそうだった。
いつもは書類の山が1つなのに、今日は2つもある。
「お父様、ただいま❗」
私は、お父様の机に駆け寄ると、背伸びをして机から顔を出した。
こうしないと背の関係で私の姿は見えないのだ。
「ああ、ミユキか。 お帰り、どうだったんだ? 学校は…」
お父様は、いつものように顔をくしゃっとさせて笑うと、私の頭を撫でてくれた。
「うん、とっても楽しかったよ❗ 沢山お話聞いてくれる?」
私は、そう言ってお父様の顔を見た瞬間にハッとした。
それは、大量の書類が視界に入ったからだった。
「で、でも、先に仕事が先かな?」
私が少し残念そうな顔をしてそう言うと、お父様は仕事よりミユキの話が聞きたいと言ってくれた。
だが、その案は一瞬で却下されることになった。
それは、お母様がこう言ったからだった。
「仕事の方が先よ。 話はいつでも聞けるでしょ?」
お母様は、そう言ってお父様の横にいたアシェルの顔を見た。
「ええ、もちろんです。 ハロルド様はいつも仕事を後回しにしすぎですので少しはやっていただきたいです」
お母様とアシェルは、いつからグルになっていたのかそう言ってお父様の逃げ道を塞いだ。
「ううぅ… だっ、だが、私も速く話が聞きたい。 そうだ、ミユキが手伝ってくれれば仕事も速く終わる。 ミユキ、少し手伝え。 何事も経験だからな」
お父様はそう言うと、私のことを抱き上げて膝にのせた。
「はぁ、もう… しょうがないわね。 ミユキちゃん、少し付き合ってあげてちょうだい」
お母様はおでこに手を当てると、やれやれという表情をしてから部屋を去った。
お母様の後を追うようにして、一緒に来ていたお兄様達も部屋を出ていった。
そして、私の為のお茶を淹れにアシェルが部屋を出ていくと、お父様と二人きりになった。
でも、完璧な二人きりではなくスズナ達がいる。
「それで? 学校ではどんなことをやったんだ?」
お父様は、みんながいなくなると早速私に聞いてきた。
だが、手はきちんとペンを動かしており、書類はどんどん減っていく。
「えっとねぇ… 魔法石について教えても、あっ、お父様ここ違う」
「おう、ありがとな」
こんな感じで私は、学校の話をしながら書類の確認をしていった。
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