76懐かしい夢
【ああ、そうだったな。 一言で言うと、主は懐かしかったそうだ】
「それだけですか?」
フィンリは、かなり驚いた表情をしていた。
それも無理ない。
みんなは、何かをやらかしたエレンがミユキを泣かせたと思っていたからだ。
【ああ、それだけだな。 だが、それが主は嬉しかったと言っていたぞ】
エレンの言葉を聞くと、みんな黙り込んでしまった。
【そっか、そうだったんだ。 スズナは、サーヤ様に何も聞かなかったからな。 エレン、ありがとう❗ ミユキにあの言葉を言ってくれて。 本当にありがとう】
スズナは、笑顔でそう言った。
【ああ、どういたしまして】
エレンのその一言を境に、この話は流れたのだった。
その後授業はどうなったのかと言うと、ミユキが寝てしまったので静かに再開されていた。
「それでは、ミユキちゃんが寝てしまったので昨日の続きをやりますよ。 教科書の115ページを開いてください」
「なんで普通の授業なんだよ~❗」
教室の中には、小さな声で叫ぶレオンの声が響き渡ったのだった。
【ちょっと❗ ミユキが起きちゃうでしょ⁉️】
その後にミユキの寝顔を見ていたスズナの声も響き渡ったのだった。
***
泣きつかれて眠った私は、懐かしい夢を見ていた。
「ねぇねぇ、おばあちゃん。 絵本ってどこにありゅの?」
「絵本かい? 絵本は2階に置いてあるよ」
私がそう言うと可愛い可愛い孫は、ありがとうと言って階段を上がっていった。
「もう、母さんったら。 いくら初孫だからって甘やかしすぎないでよね」
このやり取りを見ていた私の娘が、そう言って私のことを注意してきた。
「あら、別に良いじゃない。 だって…」
そこで、私の夢は突如終わりを迎えた。
あら? 何を言おうとしたのかしら?
そう思って顔を上げると、見覚えのある人がいた。
「おはようございます。 あれ? あなたは…」
私の頭はまだ夢の中らしく、挨拶は済ませたが、名前などが思い出せない。
しかも、現世と前世の記憶がごっちゃになっていた。
「ミユキ、もうすぐ着きますよ」
そう言うフィンリの、お兄様の声が聞こえて私はやっと現実に戻ってきたのだ。
「そうだ❗ 学校は?」
私は、一気に覚醒した頭でそう聞いた。
【ミユキ、それならもう終わってたぞ? タポポ起きてたもん】
胸を張ってドヤ顔をしているタポポにそう言われて、私は肩を落とした。
「え~、もう終わっちゃったの?」
私は、最後まで参加出来なかったことが悔しくてそう呟いた。
「ミユキ、また機会はありますよ。 そこまで気を落とさないで下さい」
フィンリは、そう言ってミユキのことを励ました。
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