74懐かしさのある礼儀作法
そう思った私は、周りを見渡した。
ん? 今、なんかいたな…
「って、エレン⁉️ なんでそんなにお兄様のことをにらんでいるの❗」
【はて、何のことやら?】
エレンは肩を跳ね上げると、とぼけはじめた。
「とぼけないで❗ お兄様が言うのをやめちゃったじゃん」
それを聞いたエレンは、腹を抱えて笑った。
むぅ~ それにともない、私の口はどんどんとんがっていき、タコのようになってきた。
【主よ、そんなに怒らんでもよかろう。 せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?】
エレンは私の頬っぺたをツンツンとつついてくる。
ふ~んだ❗ そんなこと言われても機嫌はなおさないもんね。
私は、エレンから一歩離れて顔を逸らした。
そんなことをしていると、エレナが側にきて私の頭を優しく撫で始めた。
【ほら、そんなに意地悪するから主に嫌われちゃったじゃない。 お兄ちゃんは謝った方が良いんじゃない?】
エレナは、そう言っている間も私の頭を撫で続けている。
【主、すまなかったな】
私は顔を逸らしたまま、ほっぺをぷく~と膨らませた。
【お兄ちゃん、まだ足りないみたいよ?】
エレンはそう言われて、少し考えた後私の視線に自分の視線をあわせた。
【あっ、主… 本当にすまなかった。 このとおりだ】
エレンは、そう言って頭を下げた。
この世界に来てから、誰かに頭を下げられたのは初めてだった。
この世界の住人は、謝るときもあまり頭を下げることはないからだ。
だから私はびっくりした。
この世界に来てから諦めていた、日本の礼儀作法というものを思い出したから…
「もういいよ。 にしても、エレンが頭を下げて謝るからビックリしたよ」
【はっ? この謝り方は主のいた国のものであろう? なぜ主が驚くのだ】
エレンは、逆に驚いたかのような反応を見せてそう言った。
「だって、こっちに来てから初めて見たんだもん」
私は、そう言うとエレンに抱きつき、エレンを見上げた。
あ・り・が・と・う
私は、唇の動きだけでそう伝えた。
それに気が付いたエレンは、私を抱き上げると耳元で、どういたしましてと言ってくれた。
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