72戦いの汚れ
【はぁ、はぁ、流石に数が多すぎる。 本体の場所は分かっているのにそこまでたどり着けないとは】
我は、主の確認に行ったエレナを見送った後、エレナと入れ替りでやってきたスズナと一緒に戦っていた。
【お待たせ❗ 戻って来たわよ】
エレナが、こっちに向かって手を振りながら飛んできた。
【スズナよ、我とエレナが道を拓くから本体を壊してきてくれぬか?】
我は、戦いながら二人に聞こえるようにそう言った。
【それではいくぞ❗ せ~の❗】
我の掛け声と共に、我らは思いっきり魔法を放った。
まあ、周りが壊れない程度には手加減をしているがな。
そして、その魔法の中へとスズナが突っ込んでいく。
バリンッ
何かが割れた音と共に、チェリーラビットが消えた。
だが、まだラピラスは残っている我らはもう一度魔法を放った。
そしてまた、スズナが突っ込んでいくと、バリンッという音がした瞬間ラピラスが消え去った。
そして、そこに残ったものは割れた水晶玉が2つだけだった。
***
「チッ、また失敗か。 まあいい、チャンスはまだあるからな」
エレナ達のことを影から見ていた男は、エレナ達が立ち去った後そう言った。
「さて、あのサーヤの加護を持っている邪魔者は、どうすれば消せるだろうか…」
そこまで言うと、男はコウモリの姿になって、空高く舞い上がっていった。
***
【主、今戻ったぞ❗】
エレンの声が聞こえて、私が振り向くとそこにいたのは…
「どうしたの⁉️ その格好」
「三人は、着替えるまで部屋の中に入らないで下さい…」
そこにいたのは…泥々に汚れた服を着たエレナ、エレンの二人と、白銀に輝いていた毛皮が茶色く汚れたスズナだった。
【ああ、これか? これはちょっとな、戦いの汚れだ】
エレンは、少し気まずそうな表情をしながらそう答えた。
それもそうである。 そもそも、あんなにも激しい魔法を放たなければ砂ぼこりも舞わなかったので、ここまでは汚れないのだから。
「とにかく、三人ともきれいになるまで教室から出ていって?」
私は、満面の笑みで三人の背中をぐいぐいと押して、教室から追い出した。
追い出してから3分程たった頃、三人が教室の中に入ってきた。
【ミユキ、これで良いでしょ?】
スズナは、私にすりすりとくっついてくる。
だがさっきと違って、スズナの毛並みはふかふかしていてさらさらだった。
もちろんその毛並みは白銀に輝いていた。
そして、スズナの横に立っているエレナとエレンも、さっき着ていた服がきれいになっていて、シワ1つ付いていなかった。
ある意味、この短時間でここまで出来るのはスゴワザである。
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