51子供らしくしても良い
すると、お父様達は急に顔を曇らせた。
「お父様? どうしたの?」
私は、みんなの顔を見比べて聞く。
お父様は、少し口をパクパクしたあと話し出した。
私の頭を優しく撫でながら。
「ミユキ、お前はいままで色々な経験をするほど長くは生きていない。 でも、ミユキがそう言うとなると本当に起きたことだろう? 小さいのに大変だったな、辛かったよな、でも今は、普通の子供だ。 子供らしく泣いて笑って一日を過ごせば良い。 ミユキは大人っぽすぎる、もっと子供らしく振る舞って良いんだ。」
そっか、今の私は3歳の子供だ。
日本にいた時のようにしなくて良いんだ。
たくさん笑って泣けばいいんだ。
年相応でなくても良い、前世の記憶があってもいい、今の私に出来ることは、今を大切にして生きることだ。
そう思ったら気持ちが軽くなり、自分らしく過ごせそうな気がした。
【ミユキ? どうして目から水が出てるんだ?】
タポポが私の顔を覗きながら聞いてきた。
目から水? そう言われてみればさっきから視界が悪いような…
「あれ? なんで涙が溢れてるの? なんかとまらない。」
私は、タポポに言われて初めて私が泣いていたと言うことに気がついた。
「きっと気が緩んだのね。 大丈夫よ、たくさん泣いて、落ち着いたら一緒に寝ましょう? まだ小さいのだからなんでも抱え込まなくて良いのだからね?」
お母様は、そう言いながら私のことを抱き上げて慰めてくれた。
私が泣き止み、寝息をたて始めた頃スズナがなにか話し始めた。
もう何て言っていたのかは聞こえなかったけれど、私は楽しい夢を見ていた。
みんなでピクニックをしている夢だ。
私は、まだ日本にいた時の姿をしていて、娘や孫もいた。
でも、その中にはスズナやチェリニーもいて、久しぶりにみんなと話した気がした。
なにを話したのかは忘れてしまったけど、楽しかったという気持ちは残っていた。
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