深雪と会う前のタポポとヌレバ1
暫く深雪と会う前のタポポとヌレバ編が続きます。
太陽と月が役目を交代しようとしている夕暮れ時、双子の妖精が今、誕生した。
【【うう~ん…】】パチッ
妖精は、咲き誇りいまにも散りそうな花から生まれる。
双子の生まれた花は、明るい黄色に中心が黒いひまわりだった。
【君は誰?僕は誰?】黄色い服を着た妖精(後のタポポ)が、黒い服を着た妖精(後のヌレバ)に聞く。
【分からない…僕達は誰?】もちろんヌレバも分からない。
それもそのはず…双子の妖精は、生まれたばかりなのだ。
妖精達は、ほかの妖精に教えて貰うか、生まれてからしばらくたつかしないと自分が誰なのかすら分からないのだ。
【お腹空いたね…】タポポがお腹をおさえながら言う。
【うん、そうだね。 でも、なにを食べればいいんだろう】
ヌレバもお腹が空いたようだ。
妖精は基本、なんでも食べられる。だが、他の妖精達は大体、花の蜜や木の実などを食べている。
まだ、飛びかたも知らない妖精達だ。
ご飯を探しに行くことすら出来ないが、二人の生まれた花はひまわり。
ひまわりの種は食べられるので、それに気が付けば二人はご飯を食べられる。
【何か食べ物あるかな~?】タポポが、ひまわりの花のうえを歩く。
ザクザク…
【ねぇ君、もしかしたらこのザクザクいってるの食べられないかな~?】ヌレバがひまわりの種に気が付いたようだ。
【どれ~?あっほんとだ❗食べられそう。】タポポも気付き、二人はひまわりの種をひとつもぎ取った。
もぐもぐ…もぐ…
【あんまり美味しくないね。】タポポが、複雑な顔をして食べている。
【そう?僕は結構好きだよ?】ヌレバは、美味しそうに食べている。
ここで二人の食に関する好みがはっきりしたようだ。
タポポは味の濃いものが好きで、ヌレバはひまわりの種のような味の薄いものが好きだと…
お腹いっぱい食べた二人は、ひまわりの花びらを一枚とり、掛け布団のようにして二人でくっつきながらひまわりの上で眠った。
すぅーすぅー…
ふたりの寝息だけが静かな森の中に響く。
すぅーすぅー…『双子の妖精さん、起きて… ここには、あなた達を幸せにしてくれる存在がいるわ。 探して、幸せになりなさい…』
そこには、眠っている双子の頭を優しい手付きで撫でながら、ふたりにささやくサーヤ様の姿があった。
『ふふ、可愛いわ❗ 深雪、この子達とも仲良くしてあげてね。』
サーヤ様のささやきは、闇の中に吸い込まれていく。
『それでは、またね。』そう言うと、サーヤ様は「すぅっ」と消えた。
ブックマーク、評価お願いします。




