104闇商人を捕まえよう4
だからこそ闇商人はその事実を知ることもなく、ただエレンから発される威圧を受けるだけだった。
それどころかこの国の王であるハロルドもその事実には気付いていないのだった。
唯一その事に気が付いていたハナは我の顔を見ながら人には聞こえないほどの小さな声でこう言った。
【そろそろ止めてあげなさい。 そうしないと本気でこいつら倒れるわよ】
それを聞いた我は、チラッとそいつらのことを見た後大きなため息をついた。
【そうだな、倒れられるのは我も困る。 このくらいにしておくか】
我がパチンッと指を弾くと商人達は慌てたように我から距離をとってあがっていた呼吸を整え始めた。
そして呼吸が落ち着いてきたリーダーの男は、こちらをキッと睨み付けた。
「今、何をした」
【威圧を与えただけだ。 お前らが死なないように気を付けてはいたから大丈夫だとは思うが何か問題でもあったか?】
我は少し相手を煽るかのような言い方でそう返した。
「ふんっ、何が気を付けただ。 本当は殺そうとしていたくせに」
こやつ、まだ殺られ足りないのか?
そう思って我が威圧ではなく殺気を放とうとすると、ハナが慌てて我の腕の中でぴょんぴょんと跳ねた。
【ハナよ、どうかしたか?】
我が声をかけるとハナはピタッと動きを止めた。
【今、威圧感じゃなくて殺気を放とうとしたわよね? それやられたらもれなくそいつら死ぬわよ? ついでに殺気50くらいで私も死ぬと思うわ】
そう、殺気も威圧感と同じような感じで100まであるのだ。
殺気100は神ですらもが三途の川を渡りかけたというレベルなのだ。
だから本来1ですらも人間なんてあっという間にぽっくりと逝ってしまう。
そんなことは我とて分かっているのだ。
だがどうしても許せなかった、たかが人間に馬鹿にされたことを。
「おい、私のことを無視するだなんていい度胸だな。 あっ、分かったぞ、もう攻撃する術がないんだろ。 なっ?そうなんだろ? ほれ、そうだと言ってみろ❗」
プチッ 我の中で何かが切れた音がした。
ふっ、我のことをここまで馬鹿にするとはな、いいだろう殺ってやろうではないか。
我がどうしてやろうかと思いながら動き始めようとすると、我よりも速くハナが我の腕から飛び出ていった。
そして、商人達に威圧感2を使うと急に説教を始めた。
【あんたら、本当に私達が手加減してないとでも思ったの? こっちはバリバリ手加減してやってるのよ❗ それでもしてないと思うなら今ここであんたらのことを殺してもいいのよ?】
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