95お祭りは人がいっぱい
「それじゃあお祭り見に行こう❗」
私はしゅっぱつしんこーっと言って右手を上に伸ばした。
だが、進みはじめてもお父様が着いてこない。
「お父様? どうかしたの?」
私は一度スズナから降りてお父様の方へと駆け寄った。
「あーいや、ちょっと用事が出来たからエレナとエレンを連れて別行動しないと行けないんだ」
えっ? 一緒に行けないの?
私はショックでピシッと固まった。
「ほらあなた、ミユキちゃんがショックで固まっちゃったじゃない」
「いや、でもだな…」
お父様とお母様が軽く揉め始めた。
【ミユキ? おーいミユキ返事は?】
タポポが私の顔の前でパタパタと飛びながら手を振っている。
「……はっ❗ お父様一緒に行けないの?」
私は、うるうるという音が聴こえそうなくらい瞳をうるうるとさせてお父様のことを見た。
「うっ、その顔は反則だぞ?」
「きゃあぁ~❗ ミユキちゃん、何それとってもかわいいわぁ~❗」
バタンッ
お父様は、居心地が悪そうに顔を反らし、お母様は私の可愛さに萌えている。
そして、アメリはまた倒れた。
アメリが倒れたら静かに誰かが脇に寄せてあげるという謎のルールが出来てしまった気がする…
「ほら、こんなに可愛いミユキちゃんのお願いよ? 聞いてあげるべきだと思うわ」
お母様を仲間に付けた私は、お父様の足に抱き付いてきたもう一回言ってみた。
「お父様と一緒に行きたいの」
「わっ、分かった… その代わり、明日は遊べないからな?」
よし、お父様も折れてくれた。
「やった~❗ お父様ありがとう❗」
私は喜びを顔いっぱいに表現すると、さっとスズナの背にまたがった。
「それじゃあ行こう❗ スズナ、ゴー」
やっと私達はお祭りの中へと混ざっていったのだった。
暫く人混みの中を進み、街の真ん中にある広場に着く頃には周りがかなりざわついていた。
「あの人、国王様だよね?」
「なんでここにいるの?」
「えっ? みんな身だしなみを整えろ❗」
私達がいることにそもそも驚く人、国王がいると知って身だしなみを整える人など、色々な人がいる。
「うわぁ、人がいっぱいいるね」
私はスズナ達と一緒に、パタパタと足音を鳴らしながら広場をぐるぐると走り回る。
走り回っていると、ドンッというおとをたてて誰かにぶつかってしまった。
「あっ、ごめんなさい」
私は瞬時に謝るとその人のことを見上げた。
その人は男の人で、チラッと横にいたスズナのことを見るとすぐに笑顔で私のことを見た。
「大丈夫です。 これからは気を付けてくださいね?」
男の人はそう言い残して去っていったが、私の心には何かが引っ掛かったままだった。
ブックマーク、評価お願いします。




