90エレナの鱗
それをよく見てみれば、ドラゴンの姿のときに見たエレンの鱗のようにも見える。
【これは、昔あの勇者に渡した我の鱗だ。 こっちはエレナの鱗だな】
そう言うともう一枚どこからか鱗を取り出した。
エレンの鱗は紺に近い青色で、エレナの鱗は真紅色だった。
「綺麗だね」
そっと手を伸ばすと、エレンは二枚の鱗を差し出してくれた。
【この二枚は主にやろう。 好きにするとよい】
私は満面の笑みでありがとうと言うと、二枚の鱗を受け取った。
【ちょちょっと待ってよ❗】
エレナはバンッとテーブルを叩きながら立ち上がると、焦ってそう言うと私を止めた。
【そっ、その鱗どこで手に入れたの⁉️ 私はあげてないわよ】
エレナが焦っているところを見て、エレンはニヤリと笑うと持っていた理由を話し始めた。
【森のなかに落ちてたんだ。 森の中にいるドラゴンは我とエレナしかいないであろう? だから必然的にエレナの鱗というわけだ。 というのが一つ目の理由で、二つ目の方が簡単だ。 単に鱗に含まれていた魔力がエレナのものだっただけだからな】
エレンのその言葉を聞いたエレナは、わなわなと震えて怒鳴り始めた。
【だからって人の物を勝手に人に渡さないでよ❗】
そう言うエレナに対し、エレンはすまんすまんと笑って謝るだけだ。
【とにかく表にでなさいよ❗】
エレナは硬い拳を胸の前で握ると、反対の手でエレンの胸ぐらを掴んだ。
「エレナ、ごめんね。 これ、返すよ」
私がそう言って鱗をエレナに差し出すと、エレナはパッと表情をかえて私の前にしゃがんだ。
【主が悪いわけではないわ。 私も主にこの鱗を貰って欲しいからそのまま持ってて良いわよ。 悪いのは、そこにいるお兄ちゃんよ】
そう言うとエレナはエレンを連れて外へ出ようとしたが、エレンの腕をつかもうとしたエレナの手は、エレンによって払われていた。
そしてエレンはエレナの頭にげんこつを落として怒り始めた。
【エレナよ、なにをしようとしてるんだ。 我らがやりあったら城どころか街ごと壊れるぞ】っと言うと言葉から説教は始まり、かれこれ一時間ほど経過しているがまだ終わる気配はない。
【【ミユキ、タポポとヌレバ飽きてきた】】
まあ予想通り二人は飽きてきて、私はいい加減エレンを止めることにした。
「ストップしてエレン。 お祭りに行く時間がなくなっちゃうから早く準備しよう?」
私が止めると、すんなりとエレンは止まってくれた。
一緒に聞いていたお父様達も、長い話が終わったことに対してホットしていた。
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