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第7話 フーの実力

フーを肩に乗せたままルーボの森に着いたが、周りの視線が…目立つ原因は間違いなくフーだ。


「おい、あいつ初心のくせにオオフクロウ従魔にしているぞ」

「ちゃんと制御できんのか、あの兄ちゃん」


制御できていますよ、おとなしいでしょこの子、って言いたいが無視が一番。

フーさん、E級上位の実力見せてくださいよ。なにより真剣にお金が無い。獲物を捕まえてもらわないと俺達お先真っ暗ですよ。


「フー、ホーンラビットやおおねずみを捕まえて来るのだぞ」

「ホッホー!」


フーが肩から元気よく飛び立った。

俺はカブトを探そう、あの木にいそうだな。

ボトッ。虫の息のウサギが落ちてくる。


「ホッホー!」


早い!止めを刺して袋に詰め込んだ。木を見るといた。カブト虫!

ボトッ。再び虫の息のウサギが落ちてくる。


フーさんペース早いですね…ちょっと待ってくれよ。カブトを煽って両断し、魔石と素材を回収していると、ボトッ。三度虫の息のウサギが落ちてくる。

ズブ、ズブッと。止めを刺して素材袋に魔物を回収する。


ボトッ…。次々と落ちてくる…。フクロウは森に住み、野ネズミや野ウサギを狩るのが得意だったはず。魔物も同じ特徴ってことか。


「この短時間でホーンラビット23匹におおねずみ5匹、ビックビートル5匹だー。兄ちゃん大した冒険者だな」

「いや、俺はカブトだけ…他は全部フーのおかげだ」

「オオフクロウにとっては、ウサギやねずみも朝飯前か」


商人アントンはしばらく思案顔をしていたがなにやら思いついたらしく、


「兄ちゃん、俺が解体するから倒した魔物どんどんこっちに持ってきてくれよ。多分それがお互いハッピーになるぜ」


 俺はカブトを探して、フーが狩った魔物に止めを刺して素材袋に入れる。重くなったら袋を運んで、解体はアントンに任せる。うん、効率がいいな。


「金は帰りに支払ってくれるか?」

「こっちはそれで構わないぜ」


 アントンの提案に乗りフーと魔物を狩り続けるのみ。俺は止めと運搬がメインだな…。

カブトを両断する間に、ボトッ。ボトッ。ボトッ。ボトッ。瀕死のウサギが、ネズミが降ってくる。フーさん容赦ないっす、マジで森の掃除屋ですよ。


「ホーンラビット78匹、おおねずみ20匹、ビックビートル23匹。ほらよ、魔石は全部で121個あるぜ。合計で銅貨795枚だが、おまけの銀貨8枚でどうだ」

「そっちのほうがありがたい」

「毎度―。兄ちゃんのおかげで今晩はうまい酒にありつけるぜ」


ホーンラビットは82匹狩っていたのだが、フーが食べてしまったから。


「G級魔石125個に素材の角は4個。初心冒険者が納める数じゃないですよ」

「ほとんどフーの活躍ですけどね」

「合計で銀貨2枚と、大銅貨5枚、銅貨8枚です」

「魔石納品は、212個になりました。また明日―」


宿屋リカバーに帰り女将さんと部屋を2人部屋に変えるよう頼んだ。さすがに従魔を連れて一人分の宿泊費用しか払わないのは気が引ける。ルーティンの素振りと練氣を行い就寝した。



コウ クリバヤシ(28歳)174㎝ 70㎏

レベル3 HP 80 MP 14 氣力18 職業 剣士

スキル 修行 剣術4

装備 刀(数打ち)、脇差(数打ち)、布の服上下、皮の靴、旅人のマント


フー E級モンスター

レベル3 HP 48 MP30 職業 オオフクロウ

スキル  鷲掴み3 爪2 クチバシ2


フーと3日間ルーボの森で狩りまくった結果がレベル3である。

3日で銀貨30枚以上稼ぎ巾着袋はホクホクだ。昇格条件であった魔石300個納品も既に終え、後は初心者研修を受けるだけ。


ギルドで朝の報告を行った後、ルボンの街をぶらぶらと歩く。今日は武器や防具、魔道具の値段をこの目で確かめたかった。こちらに転移してすぐ見たかったが、ずっと金欠が続き懐に余裕がなかった為である。


「いらっしゃい―」


武器屋に入ると無愛想に声をかける中年ハゲ親父。

武器を眺めるが剣に槍、斧にハンマー、弓矢…やはり剣の種類が多いようだ。片手剣、両手剣、細剣まである。銅から鉄、鋼鉄製で金貨5枚から50枚…高いが興味無い。


「刀はありますか?」

「刀は置いてねえよ。すぐ折れるしあんまり需要がねえからな」


剣は刀よりも厚くて重い。攻撃方法も叩く、ぶった切る、突くで、極限まで鉄を鍛錬し引いて斬るという概念がないのか。


「兄ちゃん初心冒険者なのに刀を差しているな。よかったら見せてくれないか?」

「うはー、この折り返しすげーな。何層あんだこれ」

「刀を手に入れるのは難しいですかね?」

「金次第だ。俺も知り合いが刀を打てるが、売れないので滅多に打たないな」


「鉄以外で折れにくい鉱石とかでは駄目でしょうか?」

「ミスリルが該当するがとびっきり高いぞ。片手剣で金貨300枚くらいだったな。そんな高価な剣ここにはねぇーぞ」


金貨300枚ですか。ファンタジー王道はやっぱり高い。


「ミスリル以外の鉱石はないですかね?」

「黒鋼石が該当するな。あれで打った剣は切れ味と耐久性がぐんっとあがるぜ。但しなかなか出回らない。それに黒鋼石は黒鋼の含有率が半分しかねぇ。剣を打つなら最低50個は必要だな。黒鋼石だけで金貨150枚から200枚」

「素材だけでその値段ですか!」

「そうだ。仕入れ値、卸値を考慮すれば、金貨500枚から600枚ってとこだな」


うーん高い、なかなか出回らないらしいし。しばらくはこの刀で活動するか。


続けて防具屋に向かう。ルボンの街は冒険者が多いので武器屋、防具屋が多い。


「いらっしゃい―」


中年細身で薄毛の店主が声をかけてきた。

目についたのが鉄の鎧金貨50枚、チェーンメイル30枚、やはりそのあたりが人気のようだ。魔物の皮製品もなかなか数が多い。王道は竜種だがこの店にはないか。


「お勧めの防具とかありますか?」

「初心冒険者なら値は張るがチェーンメイルがお勧めだぜ」


そんなお金無いから却下。それに重くて動きにくそうだしな。


「皮製品を教えてください」

「初心冒険者に人気なのは、ボア皮で、皮が厚いので防御力はあるぜ。ただ重いのと暑さが問題だ。他は値が上がるがヘビ皮、耐熱に優れている。中級冒険者で人気なのはリザートマンの皮でヘビ種より耐久性持っているぞ。ルボンのダンジョンで素材が取れるのでそこまで高くないぜ。兄ちゃんのサイズなら上下で金貨15枚だ」


リザートマンの皮製品、欲しいが高い…防具に関しては師匠に相談だな。


防具屋の後魔道具屋に向かう。アイテムボックスや、マジックストレージの値段を確認したい。


マジックストレージ極小 金貨50枚

50キロまで収納できる冒険者必須のアイテム 目玉商品は、やっぱり高い…。


読者のみなさまへ


今日も3話投稿予定です。



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