第2話 変わる日常と夢の中の世界
誤字あったら教えてね!
左上数字は場面展開ということでつけてみました。
例
2
〜〜〜
こんな感じの
第2話 変わる日常と夢の中の世界
俺は、今日最後の授業を受けていた。
「はぁ……」
つまらない、いつものように心で呟く。
あまりにもつまらないので消しゴムを机の上でゴロゴロ転がしながら暇をつぶす。
「……………」
そういえば昨日夢を見た。
今でも鮮明に覚えてる白いドレスのような衣装を着た女と会話したことを。
世界を救ってほしいだの、力を与えるだの言っていたが特に何もなく、ただの夢だった。
夢だということは、当たり前だが、少しガッカリしている。
まあ最近見ていたアニメの影響を受けたことにもガッカリだが、何も起きなかったことに対してだ。
俺は密かに何か起こることを期待していた。
ただそれが夢で何か起こるわけでもないことくらいわかっていた。
それにしても夢にしては、ほんとに鮮明だ。
しかもいつもより快眠で最後の授業まで寝ずに授業を受けれたのは久しぶりだった。
「はぁ……」
だからと言ってつまらないことには、変わらない。
むしろ退屈な時間が増えてしまった。
今まで寝ることで時間を潰していたのに、全然眠くならないのは、困ったものだ。
しかし、ふと周りを観察して見ると面白いことに気づいた。
周りもなんだかんだ眠そうにしてる奴や暇そうにしてる奴がいる。
俺は、何も考えず授業を受け続ける事にした。
2
今日も何も思わず、学校が終わって、帰りのホームルームだ。
いつものどうでもいい先生の話を聞き、俺は終わるのをひたすら待っていた。
(早く家に帰りてぇ…)
今日は、水曜日だ。
俺は、早く家に帰ってゆっくりしたい。
やりたいことなどないが、学校が終わり家にいる時が一番幸せに感じるからだ。
そんなこんなで先生の話は終わり、帰りの挨拶をするとバックを背負い、机を後ろに下げる。
すかさず前の出口へ向かって歩く。
その間誰も俺に話しかけられることはない。
いつも通りだ。
と思っていた。
「ちょっと誠くん!」
(うん…??)
俺は、その声に驚いてしまい、体が一瞬時間が止まったように硬直してしまった。
その理由としては、3つある。
それは誰もがわかるだろうが、人に話しかけられたこと。
もう一つはその声が女であること。
そしてその女の声がクラスで一番可愛いと言うわれている『東城 麗花』の声だったことだ。
実は、東城とは小学校からずっと同じ学校だ。
小学の頃は、一緒に遊んだこともあったが中学になってからは、ほぼ喋ったことがない。
そのため特段仲が良かったわけじゃない。
「今日私たちの列が掃除当番なんだけど?」
そう東城に言われ、俺は思い出した。
「…そういえば今日掃除当番か………」
俺は、ボソッと呟くように言うと、東城は若干睨むようにこちら見た。
「誠くんさ、前回も前々回も掃除サボってるよね」
俺は、驚いた。
そういえば俺は、ここずっと掃除をしたことがなかった。
いっつも終わると帰るのに夢中で忘れてた。
「いや、サボってるわけじゃないんだけど…」
俺がそう言うと、東城はムカッとしたよう顔つきになる。
「なら、なんなのよ!
いっつもいっつも私たちだけでやってるの!!
誠くんは、いつもなんで掃除しないのよ」
東城は、強い口調になっていた。
「帰り先生の話で、いつも掃除担当の列がどこか話すでしょ、聞いてないの?」
俺は、怒られたことに驚き黙ってしまった。
誰かに怒られるのは久しぶりだ。
「そうやって黙ってばっかだよね、誠くんさ」
確信を突かれ、何を言っていいかわからない。
何か言わないと。
「ご…ごめんなさい」
ただ謝ることしか思いつかなかった。
東城は、それに呆れたような顔した。
「もういいから掃除しに行くよ」
東城はそう言って自分のクラスに向かった。
俺は、いつからこんなに人と話せなくなったんだろう…。
少し東城を呆れさせた事にガッカリした。
俺は、悲しい気持ちながら自分のクラスに向かう。
なんとか前向きに考えよう、そこで小学生振りに話しかけられた東城 麗華を思い浮かべた。
やっぱりかわいい。
だけどただ虚しい気持ちになるだけだった。
3
今日が終わった。
今はベットの中だ。
あたりは、真っ暗で何も見えない。
俺は今日起きたことを思い出していた。
東城に怒られた後は、掃除をして、誰とも喋ることなく帰ってきた。
いつもならつまらないで終わるはずだったが、怒られたことがすごく気に触る。
(そういえば、いつも人の話聞いてなかったな…)
つまらないから聞く必要もないと思ってたけど、今日みたいに怒られてしまうと考えてしまう。
たしかに掃除当番がいつだったか覚えてないし、先生が掃除当番を帰りのホームルームで言ってたのも知らない。
別に聞く必要ないと思ってるけど、やっぱり帰りの先生の話くらい聞いといたほうがいいよな。
気づけば辺りがうっすら見える。
目が慣れてきた。
だいぶ考えてしまった。
なんだか眠くなってきたので、目をつぶる。
(まあ次から忘れないようにするか)
俺はそう思いながら、眠りについた。
4
何か涼しい風にあたる。
部屋の窓は開いていないのに、不思議と自然の匂いがする。
それになんだか目の裏が明るくなっていく。
俺は、不思議に思いうっすらと目を開けた。
そこは空が見える。
青く透き通った空だ。
俺は驚き目を大きく開ける。
一瞬何が起きたかわからず、身体が硬直してしまった。
徐々に硬直が解け、上体を起こし辺りを見回した。
そこには、緑一色の草原が広がっていた。
「え…どういうこと……?」
俺は、頭が真っ白になりながらもまずは立ってみる。
そこには緑の草原がずっと広がっている。
「あれ?」
俺はふと気付いたが服装も変わっている事に気付いた。
生地は、あまり良くないが特にそれ以外気にすることのない物だった。
ここはどこなんだろう。
俺はまずあたりを見回すために少し歩いてみる。
何もない、辺りがただ自然が広がるだけで、人の気配が何もない。
野原に一人放り出されてしまったら、何をするべきなんて事は今までに習った事はない。
ここ数時間野原を歩く。森の中に入ることは、正直怖い。
そのため野原が続く道を歩いていく。
そして、とうとう歩き疲れて座り込んでしまった。
「はぁ……ここはどこなんだ……」
思わず口に出てしまった。
疲れるほど歩いているが一向に人に合わない。
野原が続く道を歩くが先に村や町、それどころか一軒家すら見つからない。
精神的にも限界を達し俺は座ることを選んだ。
俺は何も考えず、空を眺めていた。
それはもはや現実逃避に近いものだった。
そういえば俺何してたんだっけ?
ふとそう思った。何か忘れていた。
そういえば俺寝てるんじゃなかったっけ?
あれ?俺は部屋で寝ていたんじゃなかったか
よくよく考えたらこれは夢だと考える。
こんな場所にいきなり目覚めて夢じゃないわけないだろ。
昨日も変な夢を見るし、最近ほんとに疲れてんのかな?
そう俺は思いながら、頬をおもいっきり叩いてみた。
「いってぇー!」
自分でやっておきながら本気で叩きすぎて、頬が赤くなる。
「なんで、夢から覚めないんだ…」
それでも覚める気配はない。
しかも妙にリアルだ。
俺は、忘れていた昨日の夢についても考えるが、あまり思い出せないでいる。
(あれ?…今日の朝は、鮮明に覚えていたのにどうしてだ……?)
あの時出会った白いドレスのような物を着た女のことがうっすらと覚えている。
あの夢と関係があるのだろうか?
俺には、わからなかった。
それから俺は、疲れが眠気となっていき、まぶたが重くなっていく。
涼しい風が余計に眠気を誘い、俺は眠ることを受け入れるようにまぶたを閉じた。
ふと気づくと俺は、ベッドの上で横たわっていた。
「やっぱり夢かよ…」
俺は、思わず一言つぶやいた。
俺は、上体を起こし、やけにスッキリと快眠できたことに不思議だった。
なぜなら、さっきの夢は鮮明に覚えているからだ。
それなのに、疲れずにむしろ快眠だ。
(今日もまともに寝ることなく、授業を受けそうだなぁ……)
俺は、少しガッカリした。
そんなことどうでもいいか、と一言思い俺は、いつもの変わらない朝を過ごすためにまずは母親が作ってくれた朝食を食べに、リビングへ向かった。
母親は、早くから仕事に出かける、そして夜遅くに帰ってくる。
2つのバイトしてる朝と夕方で、俺が学校にいる間は、家に帰ってきている。
そして俺が家に帰るくらいにまた仕事に出かける。
だからいつもいないが、朝食、弁当、夕食を作って置いといてくれる。
自分ながらそれを毎日欠かすことなくやってくれていることに関心している。
俺ならそんなことできないだろう。
父親は、単身赴任だ。
正直なんの仕事をしているかわからない。
いつも帰ってこない、と思ったら時たまに帰ってくる。
正直昔からあまり会うことがなかった俺は、父親と話が苦手だ。
稼ぎは、いいのかわからない。
母親が夜まで働いているのだからあまり良くないのかもしれないと俺は思っている。
正直あまり親との関わりがないから、2人とも何をやっているのかさっぱりだった。
ただこんな感じでいつも働いているということだけが知っている。
別に寂しいと思ったことはなかった。
いたところで何か今の日常が変わるわけじゃないと思っていたからだ。
俺は、1人が好きなのかもしれない。
つまらない毎日だ。
そうして今日もまた学校へ行くのだから
学校へ着くと、廊下で山本拓也がまた不良に絡まれているの見つける。
ただ俺は、それを何もなかったように自分の教室に向かう。
山本拓也は、俺に気づきこちらの助けを欲しそうに見てくるが、俺はそれを無視する。
なぜなら俺がこの場で不良に喧嘩を売ったところで勝てるわけじゃない。
それに不良に目をつけられれば、この平穏とした生活が一変として絶望になるからだ。
現に、他にも多くの学生がこの光景を見ても止めに入るやつなどいない。
みんな結局自分の今の立場を壊したくないのだ。
俺は、廊下を歩き、自分のクラスに入る。
そこには、何も変わりなどないつまらない日常が続く。
自分の席の前まで歩き、バックを机の上に置き、何事もないようにまた変わらない日々を送るのだ。
さて今日は木曜日か。