リアルな夢と冴えない現実
ゲームのやり過ぎだろうか?
昨日見た夢はその世界のものだった。
だけど決して楽しいものじゃない。
自分の村が焼かれたのだった。
居るはずである大切な人達を探すが誰もいない。親や友達、恋人もいるかもしれない。
周りは熱い炎に包まれ困っていると男の声が聞こえる。
「お前らの血筋はここで終わらせる。全員これで終わりだ」
人の声というだけで安心して炎の先に飛び込んでしまった。
目の前には黒いローブを着て顔も見えない大きな男…それとおっさん…
「早く逃げなさいキース!!」
おっさんはそう言いながら指をさす。
オレはキースというのか。
あれ?なんで自分の名前を呼ばれて初めて自分の名前を知るんだ?
あーそうか夢だ。
夢に気づいた時、目覚めることもあるが夢を自分の意思で続けることもある。
そういう時は自分の思った通りの展開を作ることができる。
それは夢と現実の境目。
無意識の夢に意識が介入する。
面白い。せめて夢の中ではヒーローになろう。
そう思い剣を拾う。
当然、これは意識的に作り出した剣。
これでこの大男を切る!
「うおおおおおおお!」
ーーキンッーー
え、止められた?オレの夢なのに?
焦る…焦ることは焦るけど…どうせ夢(笑)
もう一度剣を振り下ろす。
しかし大男は見事にかわしオレの剣を遠くに弾き飛ばしてしまった。
え…勝てない系の夢?
なら逃げるか?
さっきおっさんが指差した方を見る。
すると何もなかったところに地下への階段ができる。
急いで走り階段を駆け下りると地下なのにとても明るい光が見える。
あそこに行けば遠い森にワープできることにしよう(笑)
そう思いながら光の中に入ると光に包まれ、ジェットコースターに乗った時のような内臓が浮く感覚が襲ってきた。
そして気がつくと森の中にいた。
これで逃げ切れた…でもあいつになんで勝てなかったんだろう…
もう一回奴に戦いを挑みたいけどきっとそろそろ学校の時間だ。
起きよう。
意識を現実に移しいつも置いている枕元のスマホを手に取り目をあける。
あー遅刻しそう…
なんかリアルな夢だったな…