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仕事をしたい障害者

作者: 陶山雅司

これを読まれた方

これは障害者向けの文というわけではないです


これは僕の友達について書いた文である


 ご存知の方もいると思うが僕の友達は以前、僕に対してひどいウソをついた


 それは「自分が癌だからお金を貸してほしい」


 というものである


 結局、僕は彼に合計で七万円貸している


 彼には返す当てはない


 だが返す気はあるのである


 

彼について書く


 彼は子供のころ親せきの家に預けられた


 十五歳で家を出て溶接の仕事をやって生きてきた

 

 始めは土方の仕事をしていて


 溶接の仕事を見て


 手に職を付けるために


 親方に頼み込み


 誰にも負けない腕を身に着けた


 その後人を集めて独立した


 で、バブルがはじけたのである


 あっという間に仕事はなくなったらしい


 

彼は今生活保護で天涯孤独である


 彼の母親は老人ホームにいて彼のことがわからない


 彼の父親は去年亡くなられた


 彼には姉がいるが、父親の葬式の時に一回あったきりである


 奥さんと二人の子供には


 捨てられた


 今はもう、奥さんとは会いたくないらしい

 

 長男と長女には


 お孫さんが一人ずついるらしい


 彼の一番の夢は


 孫の顔を見ることである



彼の今の暮らしぶりについて


 彼は精神科のデイケアに通っている


 彼と僕が知り合ったのは


 精神科のデイケアである


 彼はいつも寝ている


 起きるのは何かを食べたり飲んだりするときだけである


 しかしそこでは皆そういう人を許していた


 何故過去形か


 最近デイケアの雰囲気は以前と違ってきた


 今は患者が社会に管理されている


 大きい声を出すことも許されない


 皆 やるべきことをやらねば


 そう思っている


 僕もそう思うのだが


 遊びがないのである


 むしろ世の中の方が遊んでいる


 デイケアや病棟はスタッフにとっては職場である


 利用者にとってはどうか


 

 

彼のプライベートについて書く(許可はとってある)


 彼の食事はス-パ-のお惣菜である


 それによって彼は非常に太っている


 家の周りを歩いていると言っているが


 デイケアに行くのも何処へ行くのもバイクである


 彼はこれによってさらに太っている


 


彼が欲しいもの


 僕は今まで周りのみんなに


 欲しいもの あってありがたいものを聞いてきた


 彼の場合を書く


 まずはお金である 次にもちろんアパート 白いご飯 卵 キムチ ひじき 塩辛


ホットカーペット バイク テレビ 電話 エアコン 電気釜 湯沸し器 電気 風呂 シャワー ラジオ


CDラジカセ 電卓 わかりやすい辞典 本 ボ-ルペン ノート 


これは昨日電話で聞いたものである


彼は豊かである




彼の考えの傾向


 彼の考えの傾向とはひどい書きようだが


 ものの考え方である


 彼は皆が豊かになればよいと思っている


 貧乏人もホームレスもである


 べ-シックインカムには賛成である


 日本とアメリカはFTA協定を結んだほうがいいと話していた


 彼は 出来た方が偉いわけではない とも言っていた


 妬みは良くない


 ここまで書くとかれは偉人のようなのだが


 最大の欠点はウソを悪いと思っていないところである


 彼は口では 何を言ってもいい と思っている


 悪いことはしていない という


 僕も悪い 事 はしていないと思う




彼の夢


 アメリカのアカプリコに行くこと


 モチロン孫の顔を見ることの方が先である


 あと 溶接の仕事をしたり 英語を学んだり もしたいらしい




ここまで書いて


 彼は認知症に見える


 ウソをつく


 その他は全く普通の人間である


 



これは僕の友達についての文です

僕は2016/11/1に入院して身体拘束されました

隔離から出て

真っ先に面会に来てくれたのが彼です

つまり僕にとって

自分を最も大切にしてくれた友達です

さんざんウソをつかれ

正直 彼を見捨てかけていました

これからも

彼はウソつき

と思います

彼には立ち直ってほしいです

有り難うございました


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