The threat to mask
捕食者は、まず、人の頭を狂わせ、その時に出る物体ではない、目にも見えない「精神」という概念を食べ、そのまま人をコントロールする
その「精神」という概念は、身体中に存在し、捕食者は、足、手、などの体の一部のみを食べることもできる
そう、グロは説明した
理屈はさっぱりわからない
でも、現に今、俺の手は
「なんだよ、これ…」
グロのような、思念体的な物に腕を包まれ、そのまま、感覚が消えていく
「っ…くっ」
脳に激しい痛みがはしる
「精神を食う時に、少し脳に負担がかかるのね、少し我慢してちょうだい」
PCがそう言う
そして、感覚が戻った時には
俺の腕は、人間のものではなくなっていた
サイボーグのような機械的なフォルムに、赤色の液体、おそらく血が通っている透明なチューブが肩から肘、そして肘から手首まで伸びる
そして、鉄のように硬い指からは、長い鉄の爪が伸びている
「これで、戦えるはずだ」
手の甲にはまったスマートフォンから、グロが話す
「時間がないです、早く」
リアさんが、PCを指差し、慌てて言った
赤い点が、人だかりのある交差点の方に向かっている
「慌てるな小娘、このまま出て行ったら完全に顔がばれちまうだろ?」
今度はPCが、冷静にこう言って、画面から二つの仮面を出した
口から鼻またが隠れるようになっている鉄のマスクに、ヘッドホンのようなものがくっついていて、頭に当たる部分は、防御のためか、楕円状のプレートになっている
そひて、マスクには、牙をむき出しにしたライオンの口
「野生の世界ではそんな風にして威嚇するそうだね、そういう意味のデザインだよ、あんたらが今からやる闘いは、気持ちをしっかりもたにゃならんからねぇ」
PCは、得意顔でそう言った
俺は、ありがとう、の言葉を飲み込み
松鶴さんと、飛び出していった
Thus, the battle of the curtain is raised