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悪魔が魔法を放つ瞬間、僕は悪魔の周りに結界の魔法を放った。

これは対象を閉じ込める魔法だけど、こういう使い方もできる。

魔力を200込めた結界は悪魔の魔法を完全に無効化してくれた。

さっきのを見る限りこの悪魔は魔法型、ということで魔法破壊のスキルを常時発動で自分の魔法が阻害されない設定で取っておこう。


『了解しました。魔力感知、魔力視のスキルも同時に取得します』


うん、ありがとう。

じゃあ次は近接戦でもしてみましょうか。

縮地で悪魔のそばに寄って、空中静止でその場にとどまる。

悪魔語で話しかけてみることにする。


『上級悪魔がこのような所になんの用かな?』

『愚かにも呼び出す不届き者がいてな。眠りを妨げられてしまったのだよ』

『その不届き者は?』

『勿論始末した。さて、君は悪魔語を喋っているが人間だろう? さっきの結界も君のようだし、どうかね、一戦交えないか?』


うわあ、バトルジャンキー発見、面倒だから戦わない方向でいけないかな。


『それは無理だと断定します』


ですよねー、徐々に殺気が強くなっていってるし、回避ルートは用意されてないみたいだ。

だったらこっちのやり方で終わらせてしまおう。


「さあ来い人の子よ! 我に諸君らの深い絶望を味あわせてくれ!」

「絶望するのはあなただよ、上級悪魔さん」

「いざ、尋常に」

「勝負!」


まずは、悪魔の先手。

小手調べだとでも言うように、マジックアローを撃ってくる。

合計すれば100を優に超えるそれを、魔法破壊のスキルを駆使して切り裂いていく。


「魔法破壊だと!? 我の天敵か」


その言葉を無視して、追加されるマジックアローをも切り裂く。

どうやらこちらの処理能力の限界を甘く見たらしい。

残念、こっちにはエルさんの神速の処理が行われてるんだよ、その判断に従って順番に対処するだけだよ。

まあ、魔法破壊を使わなくても、同じマジックアローで落とすことも可能だった。

魔力は潤沢で10500もある。

ただ、どれくらい魔力を込めていいのかまだよくわからないし、詠唱破棄も持っていないために、魔力でのゴリ押しになる。

それは僕の望むところではないので、斬り裂いたほうがいいと判断したんだけどね。

マジックアローを撃ち終わって愕然としている相手に向かって鋼鉄剣を振り下ろす。

それは腕で受けきられてしまった。

それどころか、鋼鉄剣が折れてしまった。

ちょっと吃驚していると、悪魔からの蹴り。

それをいなして避ける。


「鋼鉄剣ごときで我を止められると思うな?」

「ご忠告どうも、でもそれを教えていいの?」

「ああ、この程度では我の勝利は揺らがないさ。次の一手で決める」


どうやらすごい自信のようだ。

多分詠唱破棄を使った範囲系上級魔法でも撃ってくるのでしょう。

それなら魔法破壊を持っていても圧殺できる。

でも、その自信もそこまでだよ? 見たところ、悪魔を中心として広がっていくタイプみたいだから、結界で悪魔を覆う。

結界に込めた魔力は2000、悪魔はそれを最後の抵抗と見たようで、笑みを浮かべている。


「さあ、終わりにしよう。デスインフェルノ」


悪魔が唱えると、悪魔の魔力が8割減少して、魔法が発動する。

結界はびくともしてない。

これで僕の勝ちは確定かな。

でも油断しちゃいけないからっと、エル?


『はい、詠唱破棄のスキル、飛翔のスキルを獲得します』


詠唱破棄はお願いしたかったものだけど、飛翔? 現時点では必要ないよね。


『すぐに分かります』


そう言うならいいけど、僕に説明くらいあっても良くない?


『悪魔の魔法が終わります。説明の時間はないかと』


そ、そっか分かった。

さて、気持ちを切り替えて悪魔と対峙しましょうか。

それを待っていたかのように悪魔に語りかけられて少し吃驚する。


「よもや我が全霊の魔法を防がれるとは思わなんだ。人の子よ、名前を教えてはくれまいか?」

「僕は葵司、こっち風に言うならツカサアオイかな」

「ツカサか、その名前覚えておこう。再び見えることがあればまた胸を借りたいものだ。我はここで退却させてもらう」


逃さないよ? と言うかエルの飛翔スキル取得はこれを見越してのもの?


『是であります』


そっか、ありがとう。

縮地だと攻撃するまでにタイムラグができてその間に逃げられるもんね。

飛行で逃げようとする悪魔を追いかける。

背中にはマジックアロー200本を連れてだ。

3秒とかからずに悪魔に追いついて、マジックアローを斉射する。

それで悪魔の体はボロボロになった。

片腕はもげ、下半身はなくなり、頭も吹き飛ぶ寸前だ。


「ぬう、容赦がないな、逃げゆくものを相手にこの仕打か。ならば仕方ない、切り札を切らせてもらおう」


切り札? なんか嫌な予感しかしない。

あの魔法陣から嫌な気配がする? だったら切るまで! 魔法陣に近付いてたたっ斬る。


『間に合いませんでした。空間の迷宮化が始まります』


迷宮化? なにそれ、そう思った矢先に僕は光りに包まれた。

このパターン多いよね。


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