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光が収まるとまず感じたのは魔物の声。
全種族語のお陰で何を言ってるか理解できてしまうのが疎ましい。
自分で選んでおいてなんだけどね。
内容は犯すとか殺すとかしかないらしい。
次いで目を開ける。
そこには半ば予想通り、ゴブリンが居た。
予想と違ったのは、ゴブリンの量がおかしいこと。
見渡すかぎりのゴブリン、しかもところ狭しと並んでる。
どこの夏と冬の戦場ですかここは! しかも全個体が僕を狙ってるらしい。
因みに僕は男なので犯される立場ではない。
まあいいや、なんか罪悪感わかなさそうだし、アイテムボックスから聖剣を取り出してメニューの機能で詳細を見る。
魔力を注いで祝詞を唱えるとイメージ通りの形態になると書いてある。
なるほど、魔力は100だから枯渇しない程度に50くらい注いでっと
「舞え、名も無き聖剣」
適当に祝詞を唱えると、イメージ通り剣が分割して宙を漂う。
それに命令を下し、目の前のゴブリンたちを攻撃していく。
気分は某機動戦士だ。
聖剣にも魔力を通して魔力剣のようなものを作って切っていく。
特に抵抗もなく死体になっていくゴブリンにやはり罪悪感等々の悪感情や気持ち悪いといった感情はわかない。
多分人型といえど、ゲームのように醜悪な見た目で、しかも犯すとか殺すとか言ってた相手だからだとは思う。
が、今はそれがありがたいので無視して攻撃していく。
ゴブリンのレベルは15~20、どうやら個体差があるみたい。
僕のレベルは1なのでどんどんレベルが上がっていく。
レベルが上っても体力や魔力は回復しないから、聖剣の扱いには注意が必要なんだけど、50は結構多いらしく。
500を切っても剣が元に戻ることはない。
しかもスキルポイントが1体で1pt入る、これは暴利な気がするけど、ありがたいので無視。
とりあえず、攻撃をしながら魔力と体力の自然回復スキルを入手する。
体力は自然治癒という名前だったが、僕の思った通りの性能だったのでマックスレベルの10までptを振る。
ぐんぐん回復していくので魔力をさらに注いで、戦況を維持する。
そのまま戦ってるとしたいに囲まれてしまうので、10体倒してからはアイテムボックスに適宜しまっていってる。
流石に相手にしてると疲れてしまうので、200の魔力を込めた熱魔法を範囲化させて放つ。
ゴブリンは全滅したけど、やっぱり数はおかしかったみたいで、おおよそ10万体はいたみたいだ。
死体は消滅してしまったが、ログにゴブリン10万体分の経験値が入ったと表示された。
随分適当だけど、1体1体数えられるよりはマシなので文句はない。
レベルも105に上がっていた。
20を超えたあたりから上りづらくなってはいたんだけど数の暴力は恐ろしいらしい。
スキルポイントは範囲化で倒すと減るらしく5000しか入ってなかった。
1/200って何さ、暴利な代わりに変動もすごいのね。
まあ仕方ない、スキル振りしよう。
まずは心眼スキル、これは360度を見渡せるスキルだ。
次にターゲットインサイト、これは単一魔法を複数で使うときに有効なスキル。
無属性魔法、これはどの属性にも入らない魔法だ、マジックアローなんかが入るらしい。
縮地、これは高速移動とか瞬間移動法で有名だ。
空中静止、これを縮地と組み合わせると、空中の相手でも接近戦ができたりする、勿論空中戦であって、瞬間移動でのヒットアンドアウェイじゃない。
索敵、気配遮断、気配察知、暗視、直感、先読み、マップ連動、遠見、遠耳、二刀流、聖剣、鋼鉄剣2本、ここまで各10pt
未来視、100pt、これで280pt使ったことになる。
とりあえず、人里目指して歩き出しますか。