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目を覚ますと目の前には水晶。
他に目につくものはない。
それ以前に部屋なのか外なのかすらわからない空間。
当然僕の知る世界ではない。
『人を感知、該当人物なし、速やかに該当世界に送り出す必要あり……起動』
水晶から声が聞こえた途端、あたりが光で包まれる。
僕は目を開けていられない中、必死で状況を整理する。
該当世界に送り出すって言ってたってことは、僕は僕の知る地球ではなく、他の世界に送られる可能性が高いってところかな。
最近良く聞く異世界転生とかその類? それにしてはなんか神様とかじゃないし、いきなり該当世界とやらに行かされるわけでもないんだ。
その辺はちょっと意外、でもラッキーかも。
神様だったらとんでもないもの持たされそうだし、幸も不幸も含めてね。
いきなり飛ばされるのはさすがに怖い。
その点水晶なら多分自分で選べるはず、何だけど、操作の仕方がわからないというね。
とりあえず、触ってみる?
『アクセスを確認、これよりギフトの選定に入ります』
おー、まさかの正解、ちょっと感動。
さて、ギフトの選定ってことは何かしらがあるはずだけど……? 何か頭のなかに流れてくる。
これはギフトの情報、かな。
ギフトポイントは111ptか、多いのか少ないのかわからないな。
さて、この莫大な情報の中から選ばなくちゃいけないのか。
ちょっと面倒だね、検索っと。
とりあえず、言語っと。
ふーん、転移先はウィンラートっていうんだ、人族以外にもエルフ語とか悪魔語とか天使語とかいろいろあるね。
まあいいや、全種族語10ptを選択。
後は魔法っと、これも種類がいっぱいあるのか。
創世、虚無、それぞれ無から有を生み出す、有を無にする、かあ。
創世は取っておこうかな、これも10ptと。
後は……んー? 熱魔法? レベル制かあ、じゃあ10ptだし極振りしておこう。
魔法の範囲化に固定化それぞれ10ptと、これで50pt。
後は近接戦のスキル、片手剣とかはレベル制かあ、剣スキルにしたら10ptで全部レベル10かあ、おかしくないかな。
ありがたいからいいや、剣スキルっと、後は空間把握10ptでしょ、アイテムボックス、容量無限の時間停止で10pt。
アイテムの聖剣が10pt、お金が10pt、後はメニューかな、マップとか時間とか込み込みで10ptこれで110pt。
あと1pt余ったな、魔法はーあれ、なんかこれ面白いかも。
女体化男体化スキルこれは1ptマックスなんだね。
これでいいや、決定。
『ギフトが確定されました。該当世界へ送ります』
また光りに包まれて僕は目を瞑った。