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純粋な愛は人を狂わせる-Ⅳ

§-§-§


「ねぇ、廉太郎さん、今日は何処に行きますか?」

綾は廉太郎の手を握り歩きながら行った。

「そうだね。あ、そうだ、確か今日は東屋の団子屋が期間限定の商品を出していたよ」

「まぁ、そうなんですか?知らなかったわ。たまに常連さんから頂くのですが、あそこのお団子は美味しくて好きです」

「美味しいよね。僕もあそこのお店は好きなんだ。ただ、たまに行くと並んでるんだよね」

「そんなに人気なお店なんですか?」

「最近になって、人気になりだしたらしいよ。僕の友達情報さ」

そして、廉太郎は綾にウインクした。

綾はクスクスと笑った。

「そのお友達さんは、情報通なのですね」

「あはは、そうだね。結構、色んな情報を教えてもらってるよ。というか、お喋りなんだよね」

「うふふふ」

「あ、着いたね。綾さんは、ここで待ってて」

「はい」

そう言って、廉太郎は店の中に入っていったのだった。


綾は、団子屋の前に並んである椅子に腰かけた。

そして、髪に挿さってある簪に触れた。

(廉太郎さんからの、贈り物…大切にしなきゃ)

そう思い、綾は静かに微笑んだ。

すると、何かが足元にするりと触れた。

「きゃっ」

綾はビックリして、小さな悲鳴をあげた。

そして、自分の足元を見た。

「・・・猫?」

「にゃー」


猫は、返事をするかのように一声鳴いた。

綾は、そっと猫に触れ、背中を優しく撫でた。

猫は、気持ちよさそうにして喉をゴロゴロと鳴らした。


「ふふ、可愛い。あなた、綺麗な毛並みをしているのね。真っ黒で綺麗」

「にゃー」

「それに、目も変わってて綺麗ね。青と黄色の目を持つ猫なんて初めて見たわ」

「にゃー」

「ふふふ。何だか、あなたと会話をしているみたい」

「綾さん、お待たせしてすみません」

綾は後ろから声をかけられたので振り返った。

「廉太郎さん」

「誰かとお話でもされたのですか?」

「そうなの。綺麗な目の猫さんと少しお話を・・・あら?いないわ?」


綾は、きょろきょろと辺りを見た。


「猫は気ままですからね。さ、中に入りましょう」

廉太郎は綾に手を差し伸べた。

「はい」

綾は、そう返事をして差し出された手を握り返し、店の中へと入っていった。


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