天使のブルース
星たちが夜と朝の間をさまよう頃、
ふいに目覚めたおれは、
鮮明な夢とおぼろげな現実の間をさまよう。
あの髪をなでた、あのなめらかさが、あの感触が、
手をつたい、胸をつたい、
こころに切なくブルースが響く――
心配しないで。
私はいなくなったりしないよ。
消えたりしないよ。
きっと、きっとだよ。
あなたの悲しみも、くるしみも、
ひとりで泣いてる、その涙のわけも、
私はみんな、知ってるよ。
あなたの笑顔の裏にある、
努力も、我慢も、秘めた想いも、
私はみんな、知ってるよ。
でもね、私にできることは少ないの。
かぎられた中で、ちいさなことをするしかないの。
行き場のない私のこころは、いつも切なく歌っているの。
あなたの悲しみをぬぐえたなら、
どんなに私はうれしいでしょう。
あなたのくるしみが報われたなら、
どんなに私はよろこぶでしょう。
あなたが自由に微笑んだなら、
どこまでも私は飛べるでしょう。
でもね、私にできることは少ないの。
かぎられた中で、ちいさなことを待つしかないの。
置き場のない私のこころは、いつも切なく歌っているの。
あなたが思い出を開いてみても、
あなたが街を見渡してみても、
私はそのどこにもいないよ。
空の上にも、ノートの隅にも、
あなたのこころが描き出せば、
私はそのどこにもいるよ。
あなたが私を感じてくれれば、
私はいつでも、そこにいるよ。
でもね、私にできることは少ないの。
ありふれた中で、みえないことをするしかないの?
やり場のない私のこころは、いつも切なく歌っているの。
あなたの重荷を減らせたなら、
どんなにあなたはうれしいでしょう。
あなたの愛しさを伝えられたなら、
どんなはあなたはよろこぶでしょう。
あなたがこころを開いたなら、
どこまでもあなたは飛べるでしょう。
心配しないで。
私たちはいなくなったりしないよ。
消えたりしないよ。
心配しないで。
私たちはいつでもつながってるよ。
ひとりじゃないよ。
ずっと、ずっとだよ。