第4話 告白
弘喜くんと一緒に仕事をする日が来た。外でのロケなため暑い中、弘喜くんを待っていた。5分後に弘喜くんが現場に着いた。
「弘喜くん、お疲れ。」
「お疲れ様。真子ちゃん、こんなに早く呼び出してどうしたの?」
「あのね弘喜くん、私ね…。」
プルルルル...プルルルル...。弘喜くんの電話が鳴った。
「もしもし...うん...分かった18時ね...じゃあね。」
誰だろう?
「ごめん、彼女から。」
嘘...。
「真子ちゃん、話って何?」
「いや、何でもない。今度の日曜日、遊びに行かない?」
ものすごく焦っている。
「その日は彼女とデートだから。ごめんね。」
ダメか。告白できなかった…。
よりによっての日曜日、舞と智と3人でランチに行った。
「は?告白できなかった?」
「ごめんなさい…。」
舞は半分怒っている。
「いやー。まさかあの東江弘喜が好きだなんてなー。」
「てか何で智がいるのよ。」
私はツッコんだ。
「まあ、あのタイミングで言われたら仕方ないかもね。」
「これでパパと同じことしてしまった…。」
「何?」
何でもないです。
「ごめんね、私これから家の用事があるから帰るね。」
「じゃあね。」
私と智の2人になった。
「何よ。ジロジロ見て。」
「別に…。泣きたいなら泣けば。」
「逆に泣けないよ。」
「ふ~ん、未練たらたら。真子、俺とデートするか?」
「いいけど。明日仕事だから18時までね。」
18時…、弘喜くん…デート…。
「落ち着いた?」
「だいぶ落ち着いた。ありがとう。」
智のおかげで弘喜くんを忘れることが出来た。
「ばいばい智。」
私は帰ろうとしたけど智が呼び止めた。
「待って、またデートしてくれない?」
「いいよ。」
私は笑顔で言った。
その夜にママが私を慰めてくれた。
「パパなら怒るだろうね。」
「そうだね。」
「何がいけないかって、パパにあんなに言葉の重要性を教わったのにそれを生かせなかったことだよね。」
私は溜息をついた。
「でも大丈夫。あなたのことを本気で好きになってくれる人は必ずいるから。」
「ママもそう?」
「そうかもね。遠回りしてでも巡り合えるよ。ただ自分から告白しないとね。」
「ママは凄いよ。ママからプロポーズしたんだよね。」
いつの時代も女は強いよ。特にママは。 続く