1羽 始まりの始まりのはじまり
「元気に暮らしてね・・・」
母が残した最後の言葉だった・・・。
「おはよーっ!!」
元気に朝の挨拶。それに合わせてみんなも返してくる。幼馴染の景。連。それに・・・彩。
いつも見る顔だ。でもこうして14年間生きている俺でも彩のことで疑問が生じる。
・・・どっかであったことがある?・・・
彩はいつもそんな素振りも見せずに朝の挨拶。
今日は明日のための運動会の予行練習。ちなみに俺たちの出し物は「組体操」「ダンス」
ダンスはいつも男女から不評である。何しろ中2の男子が手をつなぐ時があるからだ。
でも一番嫌なのは・・・両親が来ないこと・・・・・。
母は俺を残してどっかへ行き、父は死んだと聞かされた。
だから子供のころの記憶はうろ覚えなのだ。
親戚に引き取られて暮らしている。
みんなは両親が来て「ウザい」などと言っているが俺にはその両親も来ないのだ。
彩も両親がいない。歳も14歳俺と近い場所に住んでいる。もちろん親戚の家で。
幼いころに両親をなくしたそうだ。
なんでこんなに俺と過去が似ているのだろう。・・気になる。
かといってあまり話したこともないしそんなに関わりもないし。そんなタイミングもない。
---------3時間目---------
予行練習が始まった。
100,200m走が終わって休憩が入る。
彩がポニーテールにしている。・・・見たことがある・・。どこだろう。何をしてみたのだろう。
そう考えている間に休憩が終り、二人三脚の練習が始まる。俺は景と組んで2レーン。
彩は友達と組んで3レーン。
やっぱり見たことがある。
そう考えているうちに始まり転んで最下位。
もう見るのは止めよう。誤解される。
少し疲れたな。うっとりともしてきた・・・。コテッ
「次はかくれんぼしよー」
ハッ・・・。
寝てしまった。2秒間。なんか夢を見た気がする。しかしどこで・・・・・いけない考えてしまう。
・・・おっと、学年種目の準備が始まる。組体操と・・・ダンス
組体操、2段タワーも失敗し、扇も失敗。一体何をやっているのだろう。
先生:「明日の運動会は是非成功させるように。」
「特にお前!!今日は失敗ばかりだ。気を引き締めるように。」
・・・説教だ。しかもみんなの前だとみんなからの視線が・・・
景と連が笑っている。コソコソと・・。
「おい、景、連!何笑ってる!!」
それ見ろ。
俺たち3人は笑っていた。
それに対して彩は・・・終始無言。極めて冷静だ。
彼女は何故冷静でいられるのだろう。
…後で聞いてみるか。
そして・・・ダンス。
不幸にも俺のペアは彩だ。
聞くチャーーーンス!!
始まった。ダンスが。
♪~♪~
この時が来てしまった。
「ねぇ、俺達・・・。」
彩が言った。
「私達、昔会ったことあるよね??」
「えっ‥‥。」
気づいていた。
「いつから気づいていた??」
「会ったとき。」
…嘘だろ。
「会ったとしたらどこだと思う??」
「分からない。」
ポーッとしていると終わった。
心の中はもう複雑すぎてよくわからない。
「おい、彩、さっきの‥‥。」
終始無言。
なんで喋らないんだ?
さっきはあんなに喋ったのに。
さっきの子供らしい態度から一変、冷静沈着。
コイツおかしい。
ーーーーーーーーー授業終了ーーーーーーーーー
なんだったんだ?
はしゃいだり、静まったり。
もう訳わかんない。
家に帰って休みたい。
この「学校」から逃れたい。
ま、いっか‥‥授業終わったし。帰ろ。
…しかしあいつも気づいてたとは…
しかもいきなり性格変わるしどうしよう。
ー帰り道。
彩だ。何故手招きなんかしているのだろう。
こっちにこいってか?
「さっきのこと気にならないの?」
「その話は辞めに‥‥」
胸ぐらを掴まれた。痛い‥‥
「おい、ちょっやめ‥」
顔が怖い。
いったいどうしたものか‥
高まる鼓動が抑えきれなかった。
処女作です!感想、アドバイスをお願いします。