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EP 3

世界のバグ?いや、俺の仕様だ。最強の『木の棒』錬成

Sランク魔獣デス・ベアが消滅した跡には、ポツンと一つのドロップアイテムが残されていた。

「これは……ただの『熊の毛皮』か」

拾い上げてみると、ゴワゴワとしていてひどく汚い。

俺は早速、【ステータス編集】のウィンドウを展開して詳細を確認してみた。

ーーー

【名称】熊の毛皮

【品質】最低ゴミ

【特殊効果】なし

【売却価格】1銅貨

ーーー

「なるほど。倒す直前にレベルを『1』に書き換えたから、ドロップ品の品質も最低ランクになっちゃったってわけか」

これでは売っても二束三文にしかならない。

だが、今の俺なら……これも『編集』できるはずだ。

俺はウィンドウの項目に触れ、キーボードを叩くように数値を打ち直した。

カタカタカタ……ターンッ!

【品質】最低ゴミ → 神話級ゴッド

【特殊効果】なし → 物理・魔法攻撃無効化、自動回復(極大)、状態異常完全耐性

【売却価格】1銅貨 → 測定不能

決定キーを押した瞬間。

手の中にあった薄汚い毛皮が、まばゆい黄金の光に包まれた。

光が収まると、そこには星空を織り込んだような、とてつもなく美しく滑らかな漆黒の外套マントがあった。触れているだけで、力が湧き上がってくるのがわかる。

「すげぇ……本当にただのゴミが、国宝レベルの神具になっちまった……」

外套を羽織ると、ふわりと体が軽くなった。これでもう、どんな攻撃を受けても傷一つ負うことはないだろう。

「防具はこれで完璧だ。次は武器だな」

俺は足元に転がっていた、手頃な長さの木の枝を拾い上げた。

どこにでも落ちている、ただの枯れ枝だ。

ーーー

【名称】ただの木の棒

【攻撃力】1

【耐久度】1(すぐ折れる)

ーーー

俺はにやりと笑い、再びウィンドウを操作する。

【攻撃力】1 → 9999

【耐久度】1 → 無限(絶対破壊不可)

【特殊効果】なし → 防御力貫通、必中

「よし、こんなもんか」

書き換えが完了した瞬間、木の棒がドクンッと脈打ったような気がした。

見た目はただの枯れ枝のままだが、宿っているオーラが明らかに異常だ。

「試しに……軽く振ってみるか」

俺は目の前にある巨大な岩に向かって、何の気なしに木の棒を――いや、『神・木の棒』を横に薙ぎ払った。

ズガァァァァァァァァァァァンッッ!!!!

「……は?」

岩が砕けた、などという生ぬるいものではなかった。

木の棒から放たれた目に見えない衝撃波が、巨大な岩を粉微塵に吹き飛ばし、その後ろにあった死の森の木々を直線状に何キロにもわたって薙ぎ倒し、大地を深くえぐり取ってしまったのだ。

はるか彼方の空の雲まで、真っ二つに割れている。

まるで、神の剣で世界を切り裂いたかのような光景だった。

「……やりすぎたな」

俺は引きつった笑いを浮かべながら、無傷の木の棒を肩に担いだ。

世界のバグ?

いや、違う。これが俺の【仕様】だ。

勇者アレスよ。俺を「無能」と呼んで追放してくれて、本当に感謝する。

おかげで俺は今、誰にも縛られない最高の自由を手に入れたんだから。

「さて、この森をさっさと抜けて、新しい街にでも行くとするか」

ただの雑用係だった俺の、規格外な自由気ままな旅が、今ここから始まった。

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