表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/16

第13話(完結篇):【永遠に続く、時尾家のクロニクル】


砕かれた安息:時の終わりの残党

 それは、家族六人で出かけた「全時代一望ピクニック」の最中だった。

 二人の凪がお弁当を広げ、三人の子供たちがはしゃぎ、駆が腰をさすりながら笑う。その平穏を、禍々しい漆黒の空鳴りが引き裂いた。

「見つけたぞ……歴史のバグ共。家族などという不確かな絆で、因果律を歪める不届き者め!」

 現れたのは、未来の犯罪組織『時の終わり(タイム・エンド)』の最終殲滅部隊。

 数万もの時間獣を率い、彼らはこの「幸せの特異点」を、存在ごと消し去ろうと全次元から一斉攻撃を仕掛けてきた。

「……せっかくの休日だってのに、野暮な連中だ」

 駆が静かに立ち上がる。その眼光は、もはや組織の一捜査官ではなく、**「一家の主」**としての絶対的な強さを宿していた。

「凪、子供たち。……片付けるぞ。夕飯は、特上の牛丼パーティーだ!」

「「「「「了解ッ!!!」」」」」

時尾家、フル・エントリー!

 六人のデバイスが共鳴し、戦場に虹色の光の柱が立つ。

「TOKIO・クロノス・フルバースト!」

駆: 漆黒と白銀が極まった**『究極体アルティメットクロノス』**。

未来(紅): 炎を纏う**『ヴァルキリー・フレア』**。

零時(蒼): 絶対零度の氷刃を振るう**『クロノ・ゼロ』**。

ミライ(紫黒): 絶望を希望に変換した**『カタルシス・シャドウ』**。

 そして、驚愕の光景が広がる。

「……私たちも、ただ守られているだけじゃないわよ?」

「二十年間の執念、舐めないで。……駆さんの『隣』は、譲らないんだから」

若凪 & 大人凪: 二人の凪が、最新の支援型スーツ**『クロノ・ディーヴァ』**を纏い、空中に浮かぶ。

 六人の力が一つに重なり、因果律そのものが「家族の形」に書き換えられていく。

 数万の時間獣が放つ攻撃も、二人の凪が展開する「愛の防壁アイリス・シールド」によって、塵一つ通さない。

「パパ、行くよ!」

「お姉ちゃんに続く! ……零時、合わせろ!」

「……ふん、言われなくても」

 三人の子供たちが戦場を舞い、敵を次々と粉砕していく。その背後から、駆が究極のイレイザーを放つ。

「これが俺たちの、家族の時間ファミリー・タイムだ! 消え失せろ!!」

 六人の合体攻撃――【エタニティ・アニバーサリー】。

 全次元を揺るがすほどの眩い光が、犯罪組織の野望を一瞬で、跡形もなく消し飛ばした。

エンディング:【ただいまの声、おかえりの響き】

 戦いが終わり、夕焼けに染まる現代の自宅。

 玄関を開けると、使い古された靴と、新しい靴が並んでいる。

「……ふぅ。やっぱり、家が一番だな」

 駆がソファーに倒れ込むと、左右から二人の凪が顔を覗き込み、同時にクスクスと笑った。

「お疲れ様、駆さん。牛丼、特盛り三つに並が三つ、予約しておきましたよ?」

「あら、私はお味噌汁を二倍作っておきました。……さあ、冷めないうちに」

 キッチンからは、未来とミライが食器を並べる音、零時がテレビのニュースに文句を言う声が聞こえてくる。

 かつて記憶を失い、孤独な戦いの中にいた駆。

 絶望の未来で、一人で夫を待ち続けていた大人凪。

 家族を求めて時を超えてきた子供たち。

 バラバラだった「時」は、今、このリビングという場所で、一つの大きな流れになった。

「……駆さん?」

「……パパ?」

 家族全員が、自分を見つめている。

 駆は胸にこみ上げる温かい感情を噛み締め、最高の笑顔で言った。

「……ああ。……ただいま」

 二人の凪が、そして三人の子供たちが、声を揃えて答える。

「「「「「おかえりなさい、パパ!!」」」」」

 窓の外には、明日へと続く街の灯りが広がっている。

 時空警察官・時尾 駆。彼の戦いはこれからも続く。

 だが、どんなに困難な任務があっても、彼には帰る場所がある。

 愛する妻(二人)と、最強の子供たちが待つ、永遠に終わらない「幸せな時間」の中へ。

【完】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ