帰還
「そう言えばこないだ見たんだけど恐竜って鳥らしい」
甲板で寝転びながら、暁音は星に向かっていった。
縄跳びしながら、暁斗があしらう。
「それ常識ね。あと、いっつも急に関係ない話ぶっこむよな。前のなんか、世界大戦が数えられてたよーの話なんかもそうだったけどよ」
「何だよ、文句かよおいおい兄ちゃんよぉ」
「まぁまぁまぁ落ち着いて」
暁音の隣で寝転んでいた恵真が割り入る。
「落ち着いて北斗七星でも探しましょ」
その提案を聞いた暁音が恵真の方に顔を向けて問う。
「北斗七星って何だっけ」
暁斗が回る縄の風切り音に呆れた声を混じらせる。
「馬鹿?」
そのやり取りに、恵真は苦笑いをした。
甲板の端、艦橋の扉が開く。
艦橋からは、明からさまに疲れた様子の皐月がゆっくりと入ってきた。
その皐月は手に電子シーシャを握りながら、三人にゆらゆらと手を振る。
「お前ら仲良くできてんのか、良かったな」
恵真が起き上がって皐月の方を振り向き、言った。
「本当、みんな優しくて助かってるよ」
「そうか……暁音、暁斗、結局全部バレてたらしい」
残念そうに言う皐月に、暁音は慰めるように言った。
「まぁ大丈夫でしょ」
皐月は申し訳無さそうに続ける。
「軍人共、だいぶ言うこと聞いてくれたから兵役免除の契約書を書かせたが、お前ら二人の分は取れなかった。ごめん」
暁斗が二重跳びで区切りをつけ、縄跳びをやめて皐月に言った。
「いや別に、俺らは軍人なりたくないってわけじゃないよ」
皐月は謝罪に続けて反論した。
「いや、人殺しを仕事にするのは地獄より地獄だよ。絶対に」
「そうかなぁ……」
「あと、俺ら諏訪高校の奴ら限定だけどもう合宿終わるっていうのも契約に入れさせた。割と何でも言うこと聞いてくれるから面白かったよ」
皐月の口から出たその言葉は、暁音と暁斗には残念な情報だったらしい。
「えー?」
「何でだよぉ」
皐月は説明する。
「いや、襲撃の時逃してくれなかった時点で、目的は明白だろ、この合宿の……あぁ、恵真はどうなるんだ?」
皐月が恵真の方に顔を向けて聞いた。
恵真は答える。
「あー、私はもう諏訪に転校っていう手続きができてるらしいの。だから、これから宜しくね」
星々は冷ややかに、彼らを見下ろし、見張っていた。
昔話と墓暴き編:完
ありがとうございました。これからが本番と言っても差し支えないので、是非続きも読んでいただけると幸いです。
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